のどが痛い風邪は何を食べると良い?東洋医学的夏バテ対策の食養生
JIJICO / 2018年7月21日 7時30分
のどが痛い風邪は何を食べると良い?東洋医学的夏バテ対策の食養生
猛暑とエアコンで夏バテ・夏風邪の人が増えている
日本列島を猛暑が襲っており、多くの方が暑さによって夏バテをしたり、逆にエアコンの温度調整の難しさで体温調節のバランスを崩してしまい、夏風邪を引く方が非常に増えています。
外の暑さやエアコンの使用などで温度差があったりするので、この時期はどんな物を食べたら良いのか非常に難しいと思います。今回は東洋医学的な薬膳の知恵などを取り入れてこの時期ならではの食養生をご紹介したいと思います。
夏風邪や暑さでカラダに熱がこもったときの対策とは?
夏の養生は、なんと言っても暑さからくる「熱」対策が基本となります。今年のように暑い日が続くと、身体に余分な熱がこもって発熱や皮膚の赤み、胸苦しさ、不眠といった暑さによるさまざまな不調が現れます。さらに夏風邪で喉が炎症を起こしたり高熱になってしまったりすると更に熱がこもります。
また、身体にこもった熱は、多量の発汗で体力を消耗させたり、カラダが熱いので冷たい飲み物などをがぶ飲みし、胃腸の調子を悪くしたりして、結果的にカラダ全体の不調を招く大きな原因となります。日頃からのカラダのお手入れで熱をこもらせないようにする対策が必要です。
熱対策にオススメの食品は体の熱を取る『涼性』・ウリ科の食品
夏の暑さや発熱、咽頭炎などカラダに熱がこもっていたり炎症がおきているときは体の中の熱を冷ましてくれる『涼性』の食品がおすすめです。漢方薬だと清熱薬や辛涼解表と言われる方剤を使うような場合です。
◇カラダの熱を冷ます涼性の代表的な食材 すいか きゅうり 冬瓜 ゴーヤといったものが挙げられます。今の時期、なんといってもオススメなのが夏の旬のウリ科の野菜です。
これらのウリ科の野菜の東洋医学的な特徴は『清熱』と言ってカラダにこもった余計な熱を収める働きがあることです。
ウリ科の代表格とも言える『キュウリ』は清熱に加えて喉の渇きを収める『止渇』暑さで取りすぎたカラダの余計な水分を排泄する『利水』、腫れを冷やして解消する『消腫』という働きがあると言われています。
同じウリ科に属する冬瓜やゴーヤなどにも似た働きがあるので、サラダ、漬物、炒め物など暑い夏には積極的に取ると良いでしょう。
発汗と暑さでカラダの潤いを消耗したときの対策はトマトがおすすめ
また、夏は発汗や暑さによりカラダの潤いも消耗します。熱を冷ましてくれる食材と一緒にカラダに潤いを与えてくれる食材も積極的に活用しましょう。漢方薬だと補陰剤と言われるような方剤を使うような場合です。
カラダに潤いを与えてくれる食材 トマト レモン 梅干し 玉ねぎ 海藻類などがあります。
この中でも特に夏が旬のトマトは水分を補充し渇きを収める働きがあるといわれており、汗をたくさんかいてカラダの潤いが減ってしまったときなどは積極的に取りたい食材です。また昆布、ワカメなどの海藻類は汗で消耗するミネラル分も豊富なので、酢の物にしたり、麺類に入れたり、サラダに入れたりと毎日の食卓で活用しましょう。
体力と血液のもとになるタンパク質も積極的に!豚肉がおすすめ
野菜系を紹介してきましたが、夏の食事で注意したいのが野菜、麺類、豆腐などあっさりしたものばかりになり不足しやすいタンパク質、とくに動物性蛋白質です。魚や肉などの動物性タンパク質は体力の回復、汗の元である血液を増やす働きもあり、夏を元気に過ごすためにはとても大切な栄養素。
魚はもちろんですが、食肉の中では東洋医学的な分類だとカラダに余計な熱をこもらせにくく、潤す作用もあると言われている豚肉がおすすめです。冷しゃぶなどにしてさっぱりと食べると良いでしょう。
『食は命なり』という言葉があるように我々のカラダは食べたものでできています。猛暑の季節、毎日の食事を活用して元気に乗り越えましょう。エアコン等でカラダが夏冷えになってしまっている方は夏野菜の食べ過ぎにはご注意くださいね。
※参考文献:東方栄養新書(メディカルユーコン)
(早川 弘太/健康管理士)
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