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猛暑期には「生活用水2L増やす!」災害時の水備蓄1日5Lを!

JIJICO / 2018年8月17日 7時30分

猛暑期には「生活用水2L増やす!」災害時の水備蓄1日5Lを!

猛暑期には「生活用水2L増やす!」災害時の水備蓄1日5Lを!


8月の「水の日」「水の週間」に、あらためて災害時の生活用水を考える

昔は、ダムや給水設備が整っておらず、河川の渇水によって給水車が出動することがあり、貴重な水の資源開発が深刻な課題でした。そこで1977年(昭和52年)に、1年で最も水の使用量が多い8月の1日を「水の日」として、初日から1週間を「水の週間」と閣議了解により定められました。

そして、2014年(平成26年)に水循環基本法が施行され、8月1日は、国民に広く健全な水循環の重要性についての理解や関心を深める日となり、この夏も全国でさまざまなイベントが開催されています。

「水とのふれあいフォトコンテスト」SNS版は、誰でも投稿ができて面白そうです。
※締切は8/31まで。詳しくは、リンク先をご覧ください。
(独立行政法人水資源機構 水の週間実行委員会事務局主催)

まだまだ暑さが続きますから、今回は災害時の生活用水について、どのくらいの水が必要になるか、どのように保存するかを一緒に考えてみましょう。

日本人1人あたりが「1日に使う水」は200L以上

さて、わたし達は普段、1日何リットルの水を使っているでしょう?2013年調査では230Lで、世界平均の約2倍!(昨年2017年は、219L)
その内訳は、お風呂40%、トイレ21%、炊事18%、洗濯15%、そのほか洗顔など6%となっています。
(参照:TOTO株式会社ホームページ)

歯磨きの30秒でも、水道から流しっぱなしでは6L、シャワーを1回3分浴びるだけで36L、お風呂に貯める水は、140Lから200L使うことを考えると、生活での相当な使用量に、いまさらながら驚いてしまいます。水道が止まってしまったら…、いったい1日何リットルで生活できるでしょう。

災害時の備蓄には、飲み水だけでなく、生活用水の確保が必要です。3Lの目安であれば、そのうち2Lは飲料水で使い、残り1Lを生活用水と考えることになりますが…。

飲料水のほかに、食事や洗顔などの生活でも水を使います

例えば…

(1)飲み水と別の食事用:粉末ドリンク、フリーズドライ食品、インスタント食品など

1回200㏄×1日3食として=600cc以上は必要になるでしょう。

(2)調理用:ご飯パック、レトルト食品、缶詰を温める

お鍋に、約1Lは使います。(温めの用途のみなら毎日は換えなくても構いませんが…)

(3)生活用:顔を洗う

洗面器に入る量は、約1L。手ですくって顔にかけると、1回に80㏄。口を1回ゆすぐのに20㏄。1日3回として300㏄使います。そのほか、カラダを拭く、食器を洗う、洗濯する、トイレに使うなど、色々と思い浮かべてみてゆくと、明らかに1Lでは足りないことがわかってきます。

食事&飲料水で3L+生活用水2L=夏こそ1人「1日5L」準備したい!

この夏の35度以上の異常な暑さに、したたる汗を考えると、水の備蓄全体では、1人あたり1日5Lは欲しいところです。
ここで7日間の備蓄を考えましょう。
(※できれば10日分が望ましいですが、最低7日分として換算しました)

・1人=5L×7日=35L→2Lペットボトルでは、17.5本分(6本入り 3ケース準備)
・夫婦2人=10L×7日=70L→35本分(6本入り 6ケース準備)
・4人家族=20L×7日=140L→本分(6本入り 12ケース準備)

生活用水の貯水に関するワンポイント

水を用意するためには、

1.買い置きする 2.水を貯める

のどちらかです。

ペットボトルの価格は、最近とても安くなっていますから、1年くらいで賞味期限切れになることを承知の上で安く備蓄するか、空のペットボトルを洗って、水道水を詰めておくことでもよいと思います。

そして、水を貯めるには、5L・10Lなどのビニール袋や水タンクなどが市販されています。ご注意いただきたいのは、グニャグニャした柔らかなビニールの袋の場合、せっかく水を貯めても、移し替えるときに、倒してこぼしてしまうことにもなりかねません。蛇口がついたプラスチック製のタンクがひとつあると便利に感じています。

そのほか、活用できるアイデアをご紹介します。

(1)水を貯めるタンクやバケツがない場合:「ゴミ箱」「衣装ケース」などが役立ちます!

A.ゴミ箱
「バケツの代用」として、普段から内側をときどき洗っておくとよいと思います。(大きいゴミ箱は、洗うのも大変ですから、お風呂の時に、一緒に洗うのはいかがでしょう。)

B.プラスチックの衣装ケース
入っている洋服などさえ出せば、大量に水の保管ができます。

C.洗濯カゴや段ボール
サイズにあう大きめのビニール袋を二重にしてかぶせ、貯めておくことができます。
※水を貯める目的で、日ごろから「大きめのゴミ袋」の用意があると安心ですね。

<保管の際の注意>
直射日光が当たる場所、車の中など、温度が高くなるところに置くことは避けましょう。水の劣化につながります。

(2)水を汲みだす道具がない場合:「片手サラダボウル」「片手鍋」を活用!

貯めた水を移し替えるには、何か道具が必要です。お風呂で使う湯桶のほか、注ぎ口のある柄杓(ひしゃく)、水の継ぎ足しに大きめの「漏斗(じょうご)」もあると便利です。何もない場合は、キッチンのボウルや片手鍋で代用してみましょう。

(3)水を長持ちさせる!「抗菌剤」は便利なアイテム

水は、雑菌が繁殖すると、ぬめりや臭いが立ち込めます。特に夏場は、お気をつけください。そこで、市販の風呂用の抗菌剤、除菌剤もあわせて準備しておくと安心さが増します。

水を使わなくて済むアイテムも活用しましょう

「収納場所が狭くて、水の置き場がない!」とお困りの場合は、生活用水の代替品を多く取り入れて、量を最小限にすることもプランください。水を使わなくてすむように、ウェットティッシュ、清浄コットン、体ふきシート、水のいらないシャンプーなどの用意もおすすめです。最近、ウェットティッシュは、長期保存5年用や10年用が出まわっています。

それから、食事の食器には、小さなビニール袋をお茶碗や食器にかぶせる工夫もしましょう。食器を洗う水の節約に役立ちます。

※お皿の上にラップ敷いて…とよく耳にしますが、ラップは、ずれてしまいますから、ビニール袋のほうが楽に使えます。お皿や丼ぶりにあった、小さめのビニール袋が役に立ちます。

1か所にまとめず、各部屋に保管するほうが安心

収納場所については、キッチンや納戸にまとめず、各部屋に保管いただくほうが、より安心です。押入れやクローゼットの奥や隙間、机・ベッド・ソファの下や後ろ側を活用いただくと、思っていた以上に意外と収納できます。一度お試しください。

給水車が来た時のために考えておくこと

せっかく給水車がきているのに「お鍋しかない!」ということも考えられます。必要な分の水の供給を受けられるように、先にお伝えしたアイデアを活かしながら、

1.水を入れられる容器 2.運ぶ手段の準備 (カートやベビーカー、自転車など、水が重くても運べる手段)

もあわせて計画くださいね。

整理収納の仕事を通じて、お宅を拝見すると、押し入れやクローゼットには、想い出のモノや古く使わなくなった品々を大切に感じて「もったいない」としまい込んでいるいらっしゃる方が多いですが、できれば命を守ることを優先して、モノを少なくしてみませんか。

この猛暑で水がなくなったら本当に大変です。自分から準備することで乗り切りましょう。

(橘田 えみ/整理収納コンサルタント・防災備蓄1級プランナー)

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