コミュニケーション力こそがビジネス成功のカギを握る
JIJICO / 2018年12月26日 7時30分

コミュニケーション力こそがビジネス成功のカギを握る
ストレスのほとんどは人間関係が原因
平成最後の年末を迎えていますが、みなさんにとってどんな一年だったでしょうか。振り返るとさまざまな出来事があったと思います。私が痛感しているのは、去年よりもさらに世の中のビジネスモデルがどんどんと新しいカタチに進んでいるということです。
ITの発展により、より早く結果を求められる近年、また働き方改革が叫ばれて、テレワークなども珍しくない社会状況になってきました。しかし、実働時間は減っているように見えても、忙しさは増しているという声も多くあります。さて、そんな急速に変わっている働き方の中で、働く人の心が追いついているのか?と懸念しています。
2015年12月から、ストレスチェックの実施が義務づけられましたが、 現場ではこのストレスチェックがうまく機能しているでしょうか。実は、私たちのストレスのほとんどが「人間関係」と言われています。
この人間関係とは、自分と相手の関係、つまり相手があるということです。職場において、あなたが上司であれば部下との関係、部下であれば上司との関係、あるいはチームメンバー同士の関係です。
私はかねてより、関係性の質の向上が人材育成になり、ひいては組織の成長につながると提言してきました。では改めて関係性の質の向上のために、まず何をしたらいいのでしょうか?
それは、対面でコミュニケーションする時間を作るということです。ここであえて「対面で」と言ったのは、相手と共に時間を共有することに意味があるからです。つまり、共に「今」にいることなのです。
コミュニケーションの問題点
それでは、円滑なコミュニケーションを作り上げる秘訣は何でしょう。
私たちは相手を判断する時に、まず相手を観察しますね。私の場合は、どんな色が好きなのか?嫌いなのか?を参考に、口癖や行動パターンなども観察します。そして、質問しながら相手の話を傾聴していきます。会話の中から、私が観察したこと、そして私が感じたこと、これを合わせて「相手の情報」とするわけです。
「どんな色が好き?」というのは、あくまで会話のきっかけ作りに過ぎません。相手が話しやすい場を作るためのものです。それでは、相手はどうでしょう?相手も同じように私を観察し、そして感じたことを合わせて私の情報としていることでしょう。
さてここで、一つ考えてみてください。あなたが得た相手の「情報」は、100%正確なものだと思いますか?
私たちは、自分以外の人の心の中を正確には分かり得ないですね。そのため、相手がどう感じているか?は、おおよその予測であって、相手のことを取りあえず理解したつもりでしかないことになります。
そうです、「とりあえず」なのです。これがコミュニケーションの難しさと言えるでしょう。
「伝える」と「伝わる」ことの大きな差
コミュニケーションには、主に「言葉」を使います。ノンバーバルコミュニケーション(※)も大きな役割を持っていますが、ここでは言葉を伝えることと、伝わることについての大きな差をお話します。
たとえば「何度言ったら分かるんだ?!」「なんで分からないのか!」などと、腹を立てている人がいますが、これが「伝える」ことと、「伝わる」ことの大きな差です。
言葉は完璧ではなく、自分の心に描いたことを「不足した情報」として言葉に乗せて「伝える」ことしかできません。もともと不足しているわけですから、「伝わる」ためには相手の心の中でどんな化学反応が起こっているのかと、何度もお互いの情報を再構築することが必要になります。
つまり、一方通行のコミュニケーションでは、言葉の情報不足を補うことは不可能ということなのです。より濃密で質の高いコミュニケーションは、何度も不足している情報を補い合うことで生まれるということです。
※ノンバーバルコミュニケーションは、非言語コミュニケーションとも呼ばれ、言語以外の情報からコミュニケーションを取る方法です。
ビジネスを成功に導くにはコミュニケーション力が不可欠
世界の成功者の書籍にある成功への秘訣。これが意外にも「コミュニケーション力」だと言います。
なぜなら、自分の心に周囲の人々の知恵を吸収できる。自分の置かれた状況をすぐに把握できる。他人との誤解を解消できる。自分の考えを修正できる。人を動かすことができる。自分の目標達成のために周囲の協力が得られる。不利な条件下でも交渉をまとめられる…などなど。
みなさんも、コミュニケーションについてもう一度考えてみてはいかがでしょうか。相手の話を聴いている間は、自分の過去の考え方を持ち出すことなく、「今」を共有してみてください。また相互に不足している言葉を補う努力と、相手の気持ちになったように話を聴いてみると、必ずや関係性の質の向上につながると思います。
(内田 朱美/カラーセラピー・コンサルタント)
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