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草彅剛『罠の戦争』強烈すぎたセリフの意図は?『エルピス』の骨太ぶりと振り返る

女子SPA! / 2023年3月29日 17時48分

草彅剛『罠の戦争』強烈すぎたセリフの意図は?『エルピス』の骨太ぶりと振り返る

画像:関西テレビ放送 カンテレ『罠の戦争』公式サイトより

 草彅剛演じる議員秘書が、悪しき政治家に復讐を果たすドラマ『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系、月曜夜10時~)。3月20日に放送された10話では、鶴巻(岸部一徳)が政権維持に関するなかなかに過激な発言を口にした。また、2022年10~12月で同時間帯に放送された『エルピス』(カンテレ・フジテレビ系)でも、政権維持についてのセリフが出ている。

◆『罠の戦争』『エルピス』で飛び出した、忘れられない言葉

 『エルピス』と言えば、テレビ局に勤める浅川(長澤まさみ)と岸本(眞栄田郷敦)が、とある冤罪(えんざい)事件の真相を究明しようと奮闘する姿が描かれたドラマだった。冤罪事件だけではなく、現実で起きた様々な事件を作品内に盛り込んでおり、ただの“エンタメ”としての消費をさせないほどの熱量があった。

「自分たちが生きている世界で今なお起きていることが、ニュース番組のようにドラマとして今目の前に映し出されている」という危機感も同時に与える鬼気迫る内容で、今でもそのストーリーを鮮明に覚えている人は多いだろう。

 今回は、カンテレが手掛ける政治を軸にした両作品を題材に、作中で飛び出した“政権”においての発言に触れながら、勝手に制作側の意図を夢想したい。

◆「この国の人間は気分でしか政治を考えない」

 まず、『罠の戦争』だ。渾身のスキャンダルで鶴巻を追い込もうと目論む鷲津(草彅剛)だったが、もう少しのところでかわされてしまう。一応は鶴巻を引退させることに成功するも、それは“名誉の辞任”という印象を与えるもので、最大の敵役を潰すことには失敗する。さらには、当初は鶴巻潰しを支持し、鷲津を応援していた竜崎総理(高橋克典)からも裏切られる始末。

 そんな中、失意のどん底にある鷲津に対して、鶴巻は「私ほど政治を守ってきた人間はいないよ」と口にした後、「この国の人間は気分でしか政治を考えない。不満が溜まりすぎてガス抜きが必要になったら総理を代えてやる。それで意見が通ったと満足するわけだ、あの連中は」と続けた。

 政権を守ることが政治を守る、ひいては国民を守ることと言わんばかりの傲慢さを感じる。とはいえ、首相が交代した途端に支持率が回復するケースは珍しくない。“気分でしか政治を考えない国民”とは言い得て妙であり、風刺の効いたセリフと言える。



◆テレビの前で羞恥を覚えるシーンでもあった

 ただ残念なことに、深刻化する物価上昇に全く対処せず、旧統一協会と関係性のあった自民党議員への措置も不十分であるなど、成果という成果をあげていない岸田政権ではあるが、3月18、19日に実施された朝日新聞の世論調査によると内閣支持率は40%。首相が交代していないにもかかわらず、2月の調査結果(35%)から大幅に上昇している。

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