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夫の不倫相手に会って驚き。「あなたならいいわ」と39歳妻が許した理由/結婚人気記事BEST

女子SPA! / 2024年3月11日 15時47分

 中学時代、アオイさんは一時期、ひどいいじめにあっていた。そのとき声をかけてくれたのがカナさんだったのだ。彼女にとっては「恩人」である。顔を忘れるわけがない。

「カナちゃんだったんだ、夫の不倫相手と私が言ったら、彼女は卒倒しそうなほど驚いていました。『どう言ったらいいか』『お詫びのしようもない』とうなだれる彼女に、私は『カナちゃんならいいよ』と言ってしまったんです。理屈じゃなく、そう思って、口から言葉が出てしまった」

 いいよと言われてもカナさんも戸惑うしかない。その日はいったん別れたが、帰宅した夫にアオイさんは言った。

「カナちゃんとなら一緒になってもいいよ」

 そういえばカナちゃんは、いじめる子たちに食ってかかってくれたこともあった。そして最終的には、彼女が同じクラスの不良っぽい子たちを巻き込んでいじめる子たちと対決しようとしてくれたのだ。それは教師や学校の知るところとなり、アオイさんはいじめから解放された。

 その後、カナさんは親の都合で引っ越していったのだが、あとから聞いたら親の離婚だったという。

◆「彼女ならいいよ」と夫に伝えたら、とんでもない反応が

「それからずっとカナちゃんは、母ひとり子ひとりでがんばってきたらしい。そういう状態なら、彼女が夫と不倫をしてもいいんじゃないか、ふたりが結婚したいなら、それも考えてもいいと思うようになっていったんです」

 夫にその話をすると、夫の顔色が変わった。

「アオイは僕なんかもういらないのか」

 いらないわけではない。彼女に惹かれたのはあなたでしょとアオイさんは言い返した。

「カナちゃんには悪いけど、一生一緒に暮らす相手ではないと夫が言ったんですよ。それならああいう女性に手を出すなと私は夫をグーで殴ってしまいました。今思えば、夫の優しさがカナちゃんに向いただけなんでしょうけど、責任をもてないなら最初から関係を持つなと言いたかった」

◆話し合いを重ねた結果

 半年ほど夫と話し合った。カナさんと3人で会ったこともある。ただ、最後にはカナさんが言った。

「私は母親を抱えて結婚はできない。もとはといえば悪いのは私」

 それから1年、アオイさんとカナさんの友情は続いている。最初は逃げていた夫も、今では家にカナさんが来ることを歓迎するようになった。

「夫とカナちゃんが男と女の関係だったんだなと思うと、たまに複雑な気分にはなります。でも、それ以上に私はカナちゃんとのつきあいを切りたくない。夫にはたまにチクチク言ってますけどね」

 アオイさんは口角を上げてニコッと笑った。大人の女性らしい、何もかも呑み込んだような表情だった。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio

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