1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

いまや不倫男役が話題だが…10年前に監督が目撃していた39歳俳優の“たのもしい姿”「共闘できると思った」

女子SPA! / 2024年3月27日 15時45分

古厩:まず大前提として撮影が一番楽しいものです。撮影はライブです。脚本段階では、作品全体の7割くらいしか書けないものであった方がいい。

 撮影をともにする俳優さんから残りの3割をもらうことにしています。僕は俳優に対して演出を施すというより、「いいところはどこだろう?」、「もらえるところはどこだろう?」と探ることを心がけています。

 例えば、翔太は優しいけれど、とても受け身のキャラクターです。それは今っぽい若者の特徴だなと思いました。その受け身のキャラクター性自体は奥平君が見つけたもの。僕はそれを感じて、いいところとしてもらいます。

――『のぼる小寺さん』(2020年)の伊藤健太郎さんも受け身の人で、終始、工藤遥さんを眼差す側でしたよね。

古厩:そうでしたね。

◆「受けるということ」はものすごく映画的

――受けるということは、古厩作品の人々に共通することでしょうか?

古厩:見るという行為も受け身ですよね。映画を観るなど、受け身は楽しいものです。映画だと、客席の向こう側に光を出すものがあって、客席ではその光を受ける。夕日を浴びてる人が美しいように、受けてる人も美しい。

 ここで重要なことが。受け手にとっての光源である夕日そのものは、光っていてカメラでは撮れないんです。だから光を浴びてる(受けてる)ほうを撮ることで、夕日の美しさを表現するんです。

 フランスの映画監督ジャン=リュック・ゴダールが、「映画の真髄は何か」と聞かれて、「光のほうにキャメラを向けること」だと答えています。僕はこの言葉を光源と受け手との関係性だと解釈していますが、だから、受けるということにはものすごく映画的なことがあるんです。

――『のぼる小寺さん』では、まさに夕日の中でベンチに座る場面があって、どこからともなく映画的瞬間がやってくる感覚がありましたね。

古厩:あの日はうまくいきましたね(笑)。「こっちが西側で太陽が来ます」と照明技師と相談しながら、「明日、天気だから撮ろう」と現場で狙ってました。やはり狙わないと撮れないものですね。

◆『ホームレス中学生』当時の小池徹平

――小池徹平さんが日本アカデミー賞新人賞を受賞した『ホームレス中学生』冒頭場面でも木漏れ日が印象的でした。主人公が校門前で会話していると頭上に木漏れ日が差す。そうかと思えば、さぁっと雲間に隠れて、木漏れ日が差さなくなる。木漏れ日の変化で小池さんの魅力を引き出していたかのかなと思いましたが。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください