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Adoの国立競技場ライブに批判殺到。「顔出しNGでのライブ」にそもそも無理はないのか

女子SPA! / 2024年5月1日 8時47分

 確かに、素性を明かさず、影が踊り狂い、身体を捻(ね)じ曲げ、床に突っ伏して絶唱する光景には大きなインパクトがありました。けれども、その衝撃は瞬間最大風速的なものであり、物珍しさは次第に薄れていきます。

◆顔、姿、素性もわからない人の“ライブ”が意味するものは?

 では、急速に消費される珍奇さに勝る歌、そして時の流れに耐えうる楽曲がAdoにあるのか? これまた難しいところです。

 そもそも、顔、姿、素性もわからない人の“ライブ”とは、一体何を意味するのか。

 アーティストAdoにとって唯一のパーソナリティと言える歌声。それが崩壊した今回の一件は、このプレゼンテーション自体に持続可能性はあるのかを問うているのだと感じました。

<文/石黒隆之>

【石黒隆之】
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4

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