モラハラ毒父と絶縁したのに「今度は私がモラハラしてる…」29歳女性の悲鳴。“毒親の血”は連鎖するのか<漫画>
女子SPA! / 2024年6月13日 15時46分
実際、自分が受けていたことが良くなかった、許せないものだと理解していても、ストレスを抱えた時にどう振る舞えば良いのか、その代替手段を知らないために、被害者自身が加害者になってしまうような連鎖もよくおきます。イライラしたら物に当たるという親を見て育つと、イライラした時に、他にどんな手段でそれを緩和できるかがわからないということです。ダメだダメだと思いつつ、親と似たようなことを自分もしてしまっている……と絶望する方はたくさんいます。
◆愛情表現のつもりで家族を傷つけていることも
中川:また、これよりもさらに難しい連鎖は愛されていると受け取ったものを、愛しているつもりで他人に伝える際、それが加害や支配になるパターンです。普通のこと、当たり前のこと、自然なこと、家族だからこういうものだと思っていたことが、現代においては加害だということもよくあります。教育虐待などは典型だと思いますし、体型を馬鹿にしたり、「からかい」が実は人を深く傷つけるものだということがわからず、愛情だと思ってしまって、子どもを傷つけることになったりすることもあります。
しかし、どのパターンであっても、人は学び変わることができるため、連鎖もまた、起きることを前提とした上で、それを止めることもできると思います。連鎖という言葉が強すぎるのかもしれません。それは社会的学習、生まれ育った中で身につける人間関係のコミュニケーションのパターンであり、それを学習しない、それから影響を受けないということはありえない、と考えると当然のことであるとさえ思います。しかし、その学習を学び直すことは可能なのだ、ということが僕の思っていることです。
【龍たまこ】
3人の子どもを育てるマンガ家。1981年生まれのシングルマザーで、保育士の資格を持つ。ライブドア公式ブログ「新・規格外でもいいじゃない!!-シングルマザーたまことゆかいな子ども達-」をほぼ毎日更新中。著書に『規格外な夫婦~強迫症夫と元うつ病妻の非日常な日常~』(宝島社)、『母親だから当たり前? フツウの母親ってなんですか』(KADOKAWA)。X(旧Twitter):@ryutamako、Instagram:@ryu.tamako2
【中川瑛】
モラハラ・DV加害者変容に取リ組む当事者団体「GADHA」代表。妻との関係の危機から自身の加害性に気づき、ケアを学び変わることで、幸せな関係を築き直した経験から団体を立ち上げる。現在は加害者個人だけではなく、加害的な社会の変容にも取り組んでいる。著書に『孤独になることば、人と生きることば』(扶桑社)、『ハラスメントがおきない職場のつくり方 ケアリング・ワークプレイス入門』(大和書房)。X(旧Twitter):@EiNaka_GADHA
<構成/女子SPA!編集部>
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