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「おまえ、お荷物だって自覚ある?」部下を潰すパワハラ上司。家庭でも同じことを続けた“ヒサンな結末”<漫画>

女子SPA! / 2024年6月15日 8時47分

自分は子どもが3人いますが、親子関係おいては簡単に「支配」と「服従」の関係を作り出せることがわかっているからこそ、自分の言動をできるだけ振り返るようにしています。「よかれと思って」「正しいことを」していると思っているときこそ、危険だと実感しています。

◆適切な行動も、時代が変われば“不適切”になる

原作・中川瑛さん(以下、中川):親から子へ、そして大人から子どもへのハラスメントに関して、私の考えは少し複雑です。社会の常識や環境が変化していく中で、親が子どもに伝えるべきことや、子どもたちがどのように振る舞うべきかという観点も変わってくると思います。

例を挙げると、例えば新卒一括採用社会なのかどうかや、男女雇用機会が不均等なのかどうか、そういった環境次第で、どういった教育が適切かというか、子どもためを思うと良いか、というのは変わっていくと思います。その時々で、正しい教え、これで子どもが生きやすくなるはずだと信じてとった行動が、社会の変化に伴って違ってしまう、ということは容易に想像できます。

善悪とか、良し悪しというのは本当に変わっていきます。環境問題や社会の持続可能性を考えた時、私たちの現在の行動が未来世代にどのような影響を与えるか。今私たちが普通だと思っている行動が、将来的には疑問視され、批判されるかもしれません。例えば、食肉・畜産業や、飛行機の利用やプラスチック製品の使用、安価な服の購入などは、今は日常的な行動かもしれませんが、これらが地球の持続可能性を損なう行動として将来批判される可能性があります。

◆自分が正しいと思わずに、いつでも学び直しや相談を

中川:ハラスメントの多くは、悪意から行われていません。むしろ良かれと思って、それが普通・常識だと思って行われています。そして、その時々の普通を次の世代に引きつごうとするとき、後から見て加害的な振る舞いが許容されていることはよくあります。このような構造になっているように思います。

このように、その時その時で正しいと思って行うことが、後から見て問題があったとされることは、今後も起こり得ると思います。そのため、自分が正しいと信じて行動することの危険性を認識し、学び直しや相談を重要視する必要があると考えます。自分の時代はこうだったけれども、これからは違うのかもしれない……という不安や疑問を抱えながら、子どもと接することが重要です。

しかし、そのためには社会的な支援や相談ができる環境の整備も同じように必要です。個人にだけ責任を押し付けるのは無理があります。子育て支援に典型的なように、そういった不安を共有したり、相談したりできる場所を作っていく必要がありますし、政策的に支援される必要があるでしょう。

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