DVで妻が家出したのに「俺は悪くない」と怒る男。後日“同僚の話”に青ざめた<漫画>
女子SPA! / 2024年6月19日 8時47分
加害者目線で言うと、「人を傷つけても謝ったら許してもらえる」というよりも、「謝ることはできるけど、許してもらえるかはわからない」が正しいような気がしています。
原作・中川瑛さん(以下、中川):とにかく許さなくていい。誰にも許しは強要されてはならない。許さなくても幸せになれます。同時に、加害者もまた、直接の被害者に許されなくても、自他へのケアを通して、幸せになってよいと考えています。
◆子育てや教育の“最適解”は、いつまでも最適解ではない
――今回、もうひとりの加害者として、鳥羽の同僚である北見という人物が登場します。彼は時代が変化していることに気づかず、自身のモラハラを正当化して泥沼に陥ってしまいます。「自分が若い頃にされてきたことだから」と踏襲してしまうのは我々もやりがちなことです。常に時代は変化していますが、その際に気をつけるポイントや北見について思うことなど教えてください。
龍:北見さんもある意味では被害者と言えますよね。彼は自分が先輩から学んできたことを部下にも同じようにしているだけなのですから。今の時代になるまではそれで上手くいっていたわけなので、ある程度年齢を重ねてからやり方を変えるのは簡単なことではありません。この作品においては異質なキャラクターに思えるかもしれませんが、わたしたちの周りに北見さんみたいな人はたくさんいると思います。
わたしが子育てをしている中でいつも考えることがあって、それは「今の時代にはこれが正解とされているけど、この子達が大きくなったときにも正解のままとは限らない」ということです。
自分は今この時代に母親として生きているので、できるだけこの時代の最適解とされる育児をしようとするわけですが、その最適解はいつまでも最適解ではないということ。それが原因で子どもたちから非難される可能性があるということ。それを受け入れる覚悟が必要だなと思います。
変化を受け入れ、「これが正しい」と固定化するのをやめて、柔軟に生きて行ければと思います。
◆人は本当に困るまで、反省もしないし学びもしない
中川:やはり加害の定義は変わっていくという厳然たる事実というか、歴史的な現実だと理解することが重要だと思います。良かれと思ってやっていること、普通だと思ってやっていることの多くは、自分自身もされてきたことです。それを疑うということは、幸福とは何か、善悪とは何かといった、人間の基本的な世界の感覚を疑い続けることであり、とっても疲れることだし、しんどいことです。
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