DVで妻が家出したのに「俺は悪くない」と怒る男。後日“同僚の話”に青ざめた<漫画>
女子SPA! / 2024年6月19日 8時47分
自分はできない、自分はもう古い人間だ、だから仕方ない、と開き直った方がずっと簡単だし、なんなら生きやすい可能性さえあります。人を傷つけながら、それでもいいんだと居直ることだってできるからです。
実際、人は本当に困らない限りなかなか変わることはできないと思います。別居・離婚といった出来事があるからこそ自分の加害性を認めてGADHA(モラハラ・DV加害者変容に取リ組む当事者団体)に参加する人はよくいます。それと同じように、職場の加害も、ハラスメントで実際に自分に問題が起きるまでは、これが普通だという感じで、大して反省もしないし、学びもしないものです。
◆「自分たちの世代から急にダメなんて……」と驚く加害者たち
中川:だからこそ、実際に困るような環境を作ることはとても大切です。学びましょう、といっても人は学びません、学べません。そんなに簡単に人は自分を変えようとは思えません。だから、困ってもらうことが重要だと思います。
ハラスメント防止法などによって実際に処罰されるようになったら人は変わろうとします。最近も映画監督の性加害や、お笑い業界の性加害、アイドル業界の性加害などが続々と取り沙汰されるようになりました。これまでのたくさんの被害者の方を思うと言葉も出ないほどの悲しみ、傷つきの蓄積があると思いますが、それでもなんとか向き合っていく。
この時に、加害者たちは突然自分たちがやっていることが悪だと断罪されることに驚いていると思います。上の世代は普通にやっていたのに、自分たちの世代から急にダメなんて……と。部活で顧問や先輩にしごかれていた世代が、後輩をいびろうと思ったらそれはダメと言われるような感覚というか、そういった不平等感を感じ、自分たちは貧乏くじを引いたと思っているかもしれません。
◆「あなたは間違っています、はいさようなら」で終わらせない
中川:こうした状況をまずは作った上で、その人のことを見捨てずに、関わっていくことが大切だとも思います。あなたは間違っています、はいさようなら、とされてしまっては、人は学ぶ気にはならないでしょう。憎しみをいだき、恨み、そちらの方こそ間違っていると頑なになり、あるいは自分はもう時代に合わないからと学び反省することもなく、また身近な人間関係においては加害を続けながら、生きていってしまうでしょう。
そうではなく、そこから学び変わることができるということを示し、共にやっていこうよと、生きていこうよと、間違えることもあるけれど、そこから始めることができることもあるよと、そういって手を取ってくれる人が、この世界には必要なんだと思います。
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