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高橋一生と電撃結婚の飯豊まりえ、生の舞台で全身から発していたパワーとは?渡辺謙と結婚前の女優も同じものが

女子SPA! / 2024年5月21日 8時44分

この数年、飯豊まりえの俳優としての力量がじわじわと顕在化している。現在、『ハムレットQ1』(PARCO劇場)で彼女が演じているオフィーリアはある種の到達点かもしれない。泣かずにはいられない身の上の悲劇のヒロイン・オフィーリア。その演技がとても輝いていて、筆者は胸を打たれ、見入ってしまった。

映像での飯豊まりえは主演ドラマ『何曜日に生まれたの』(テレビ朝日系)も、こもり人からじょじょに脱していく役を情感豊かに演じていて素敵だったし、着々と表現力をあげているのは感じていた。が、経験の浅い舞台でもこれほどとは。

吉田羊演じるハムレット(女性が男性のハムレットを演じる趣向になっている)と恋仲であったオフィーリアが、彼の心変わりによって「尼寺へ行け!」となじられる有名な場面は胸を打った。

ハムレットはとある事情によりメンタルをやられた振りをしてオフィーリアと苦渋の別れをするのだが、事情を知らないオフィーリアのショックは大きい。ふたりのそれぞれの辛さが泣けてくる。これまで何作も『ハムレット』を見てきた筆者だが、この場面で泣いたことはなかったのに、不覚にも泣いてしまった。

飯豊は名優・吉田羊にひけをとらない演技をしていた。たぶん、お互いがお互いを引き立たせ合う、繊細で思慮深い演技によるものであろう。その後、悲しみのあまり精神に異常をきたすシーンも、飯豊の声の魅力が際立った。

◆飯豊は重要な役を一気にふたりも。キャスティングにやられた

飯豊の俳優としての勢いを感じさせたのは、オフィーリア役のほかにもうひとり重要な役も演じていたことだ。次世代を担う若い王子フォーティンブラス。短い出番ながら重要な役で、これも従来男性が演じるが、飯豊が凛々しく演じたことは、サプライズ的だった。

フォーティンブラスが出てきたとき、このキラキラ輝いている軍服の似合う少年は誰? と思ったら、飯豊。このキャスティングにやられた。

そもそもほんのちょっとしか出ないフォーティンブラスがあまりに新人だと、どんなにがんばっても埋没してしまうもの(成功例として小栗旬がいる)。ヒロインを演じるほどの俳優がやれば、やっぱりオーラが違うのだ。しかも、耐え難い悲しみのなかで死んでいったオフィーリアが転生したようにも見えて、救いにも感じられた。

名作『ハムレット』の重要な役を一気にふたりも演じるとは、飯豊まりえ、絶好調じゃないかとやけに印象に残っていたところで、結婚報告のニュースがあり、なるほどなあと合点がいった次第。

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