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ヤバい「巫女養成スクール」生徒を酒席の“接待要員”としてタダで動員。セクハラ被害も

女子SPA! / 2024年5月23日 15時46分

「巫女舞をはじめて見たのは、七五三の祈祷(きとう)のときですかね。巫女さんがとても素敵で、自分も踊ってみたいとずっと思っていたんです。それを習うことができるなんて、本当にうれしい!」

神への奉納として舞うそれには種類があり、神社庁が定めるものもあれば、それぞれの神社独自のものもある。しかしいずれも歴史と文化の移り変わりを経て受け継がれてきた、伝統ある舞である。

ところが、スクールで教えている舞は、そうした伝統的な舞とはまったくの別モノだった。

「運営の人脈で、振付師のような人にお友だち価格で作ってもらった、なんちゃって神楽なんですよね。一般的に、伝統的な巫女神楽は、講師に依頼して習うことはできます。でもそれなりの金額がかかりますから……コストダウンのためにスクールが創作したと言えるでしょう」

スクールで教えるそれはスタンダードな巫女舞ではない、という絹江さんの説明を聞き、教え子は肩を落としていた。さらに「舞を習いたかっただけなのに、なぜバーで男性客の相手をしているんだろう」とも……。

一次が万事、説明不足で不親切なのだ(詐偽と言ってもいいかもしれない)。

運営の神道系新宗教は神社庁に所属していないので、教えるものは独自解釈も含まれること(冒頭で紹介した「お祓いができる」も同様である。神社庁の管轄下で行うことはできない)。一般の寺社で活動するために有利になる要素は、少ないこと(運営母体である新宗教での手伝いはできる)。

つまり、あくまで“その団体が考える巫女”として認定される、カルチャースクール的なものでしかないということだ。

◆巫女について学びたい人たち

世間一般に「巫女に関する情報を学べる・体験できる」というサービスは多々ある。

でもそれらはざっと見るかぎり「仕事に有利」とまでは風呂敷を広げていないのが、大きな違いかもしれない。

奉職に至らずとも、文化や作法を学び体験するという講座は有名な神社でも行っているし、外国人観光客の多い東京・浅草あたりでは「日本文化体験」として、手軽に巫女体験できるサービスも存在する。

◆見せかけの神秘性

スクールの活動は海外メディアでも紹介されており、そうした発信も「信頼できる」「素敵な」スクールのイメージを後押ししているだろう。スクールが取り上げられた海外の番組を見ると、歴史がありそうな立派な神社で、巫女たちが奉仕する神秘的な光景が映し出されていた。

しかしその実態は、あくまでメディア用の撮影であり、実際に奉仕しているわけではない。

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