1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

子どもに中学受験をさせない「2つの決定的なデメリット」。東大卒の人気家庭教師に聞いた

女子SPA! / 2024年6月8日 8時45分

 昔であれば受験しなかった家庭も次々と中学受験にチャレンジしているといいますが、そもそも中学受験をするメリットとはなんなのでしょうか。

「元も子もない話ですが、今は私立の中高一貫校で勉強したほうが、その後の大学受験で有利すぎる状況があるので、受験に向いてないだろうなという子でも頑張っておいたほうがいいと思います。これはハッキリ言って、日本の教育現場における大きな問題点です。

 私立の中高一貫校が取り入れる先取り教育に比べ、公立中学の学習内容が簡単すぎるんです。私立中学は公立中学が3年かけて学ぶ内容を1年ほどで履修し、難しい高校の勉強をゆっくりと学びます。こうした学習スピードの違いは大学受験に大きな影響を及ぼします。受験に向いてなさそうな子も、経済的に許すなら中学受験にチャレンジしたほうがいい理由はここにあります」

 長谷川さんが中高一貫校を推す理由は他にもあります。

「もう一つは、高校受験がないのでしっかりと学びに費やすことができる点です。例えば『渋谷教育学園渋谷中学高等学校』や『女子学院 中学校・高等学校』など、多くの中高一貫校では、高2の受験ギリギリまで、毎週理科の実験があるといいます。実験って学校側としては準備が大変なので、これは本当にすごいことだし、子どもたちにとって良い環境だと思います。

 あとは、私立中学校は努力してきた者同士が集まる場なので、友人のレベルも高くなりやすいです。以前『麻布学園 麻布中学校・高等学校』に行った教え子がいましたが、彼はスポーツに打ち込んでいたため、勉強がやや苦手でした。すると友達が『部活を休まれたら困るから』といった理由で、毎回勉強のフォローをしてくれたそうです。育ちの良さもあるかもしれませんが、本当に賢い子の多くは、困った人に手を差し伸べる優しさを持っているなと感じますね」

◆中学受験の未来予想図

 とはいえ、この加熱具合に親としてどうすべきかと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。数年続く中学受験ブームを少し俯瞰し、今後、中学受験市場の動向はどうなっていくか、長谷川さんが考える未来予測図を教えてもらいました。

「今後の受験率は高まり続けるとは思いますが、若年人口は減っていますから、全体の受験人数は増えない状況になると思います。しかし、今後は“完成度の高い受験生”は増えていくことになります。

 現在もすでにそうですが、10年前ならトップ校に入れる500人くらいの完成度の高い子が、今は1500人くらいに増えています。その証拠に、昔は開成や麻布といった難関学校に楽勝で受かりそうな子が、ここ数年で落ちまくっています。こうした競争の激化は今後も進み、結果としてトップ校からレベルが落ちる学校にも、優秀な子がゴロゴロ入る状況になると思います」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください