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夫が心を病んだらどうする? 夫婦で悩んでわかったこと/犬山紙子

女子SPA! / 2024年7月31日 8時46分

うつというとガラリと雰囲気が変わると思っていたけど、その人のパーソナリティの延長線上に症状が出る人もいるんだなって。症状はさまざまで、ひと括りにできないんですね。

――劔さんがうつだと思ったとき、本人にはすぐ知らせたんですか?

犬山:いや、夫にはめちゃめちゃ言いにくかったです。ただでさえ自己否定感がすごいのに、「あなたはうつかも」と言うことによって余計悪くなるんじゃないかと怖かったですね。

――劔さんは薬を飲まれたりと治療を始めていくなかで、改善していく実感はありましたか?

劔:少しずつ元気になっていったのかなと思います。本当にそんな感じの認識しかないのですが。

犬山:効果を感じるまで多少時間はかかったよね。でも、体が重くて全然動けないという日は明らかに減っていったし、自分を責め続けてどうしようもなくつらそうにしている時間も減ったように思います。

最初に行った“ハズレ”とは別のカウンセリングにも行き、「俯瞰で自分の感情を認知する」こともやれるようになってきました。たとえば、「あぁ、今自分を責めちゃってるな」とまず認知する。そうすれば対処もできるという“知恵”もついてきて。

私もカウンセリングを受けたことによって以前よりも怒りにくくなったし、「怒ってるから別の部屋行かなきゃ」とすぐ対処できるようになったり。

劔:確かに妻は怒らなくなりましたね。ありがたいです(笑)。

◆私が追い詰めたんじゃないか、という罪悪感があった

犬山:ずっと「私がうつに追い詰めたんじゃないか」って罪悪感があったんです。心療内科の先生に「そうではない」と言われているし、自己否定も私と付き合う前からあったとわかっている。それでも、自分が悪化させてしまっているんじゃないだろうかと……。

カウンセラーの先生にその気持ちを聞いてもらい、それは違うよと否定してもらえたのは助かりました。

劔:とはいえ、非常に落ち込みやすかったり自分を責めてしまうという僕のパーソナルな部分とは、いまだに戦い続けている感じですかね。

犬山:セロトニン不足は先天的なものもあるそうですが、カウンセリングや認知行動療法などエビデンスのある対処はしてゆけます。ですので今後もアプローチも続けていこうと思います。

劔:本当にこれは自分の性格なので。今でも自分のことが苦手というか。いいところがひとつも見つからないという気持ちはいまだにあります。

犬山:なので「治った」というよりは、徐々に徐々に焦らず「よりよくしよう」としている状況ですかね。長期戦です。とはいえ日々幸せだなあとお互いに言ってます。

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