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「声が出ない…」ネットで追い詰められて不安症になった私と、夫の支え/犬山紙子

女子SPA! / 2024年8月7日 8時46分

――2度目の治療は具体的にどうやって行ったんですか?

犬山:服薬治療と、カウンセラーさんに話を聞いてもらったことで、4か月くらいで大丈夫になりました。SNSの通知を切ったりと脳を休ませる方法も勉強したりして。

そのときは夫も自分を責めている状態だったから、夫に不安をぶつけたくないなあという気持ちがあったんです。そんな気持ちもカウンセラーさんに聞いてもらってましたね。

劔:性格的に彼女は喜怒哀楽がすべて表に出るほうなので、つらいんだろうなというのは僕も感じました。かわいそうでしたね。でも自分は何もしてあげられないんじゃないか、むしろ自分が悪いんじゃないかって気持ちになっていて……。

――そのころ、劔さんはどんなしんどさを感じていたんですか?

劔:僕はデフォルトでダメなのがしんどかったですね。彼女はいいとき悪いときがあるのに、自分はずっとダメ。「不平等だな、自分は役に立たないな」という感覚はありましたね。そこでちゃんと彼女を助けられたら自分にとってもプラスになると思うんですけど……。

◆「生きててくれてありがとう」

犬山:でも、夫はとても優しくて気も遣ってくれるし、顔を見るだけで癒されるんですよ。育児や家事を頑張ってくれて、私が休むことに集中できる環境を作ってくれる。だから感謝しかないわけですが、感謝の気持ちを伝えても……。

劔:僕は全然そういうのが響かないんですよ。

犬山:お互いが不安定なときも愛情は変わらずありました。綺麗事じゃなく心底大好きで、尊敬していて。それはこれまでの彼の優しさや思いやりの積み重ねのおかげですね。だから離婚したいともほぼ思いませんでした。

唯一、離婚したほうがいいのではと思ったのは、私のせいで夫がうつになっているんじゃないかと自分を責めたとき。「自分が夫に対して悪であるならば、大好きだけど別れるしかない」と。まぁそれもカウンセラーさんに話して否定してもらい、すぐ正気に戻りました。

劔:仲はめちゃくちゃ良いんですよ。

犬山:お互い状態が悪くても、ただそこにいてくれたら嬉しい感じです。「生きててくれてありがとう」みたいな気持ちがあって。それは揺るがないものだなと。

◆お互い、心の病になって得たものがある

――つまり、ふたりの間に大きな愛情や信頼関係があったからこそ、乗り越えられた、と。

犬山:ただ、これは程度だったり症状による部分もあるので、あくまで「私たち夫婦の場合は」という話かと思います。でもやっぱり、いざというときにお互いを信頼したままでいられるのはそれまでの日常が本当に大切なんだよなと。これが夫に毎日「なんで家事全然しねーんだよ!」みたいにキレてたら違っていたかもしれません。

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