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42歳で乳がん宣告された私が「おっぱいの再建」をしなかったワケ。平らな胸で銭湯に行ってみると

女子SPA! / 2024年8月26日 8時45分

 私はとにかく痛いのが嫌いなので、そんなにリスクがあるなら、このまままっ平でいいわ! と諦めました。万が一夫以外の人と恋愛して、裸を見せることになったら考えます。そのときには胸だけではなくたるみきった身体全体を何とかする必要がありそうですが。

 ただ、洋服を着るときにはどうしてもブラジャーがないと変な感じになります。全摘した人用のブラもありますが、どうも高い上に好みじゃない。なので私はカップが硬めのブラトップやスポーツブラ、パッドが足せるものを探して使っています。なかなか需要に合うものがなく、一時期は全摘に使えるブラ研究家のようになっていました。

 9人に1人がかかると言われる乳がん。一般のアパレルメーカーでも、乳がんの人でも使える仕様のブラができればいいなといつも思っています。パッドさえしっかりしていれば、ブラの中身はスカスカですが、全然わからないと思います。わたしの胸をマジマジと見る人もそうそういないと思いますしね。

◆スーパー銭湯にも行ってみた!

 乳がんで胸を失った人は行きにくいとされている、スーパー銭湯のような公衆浴場にも行ってみました。ネットで事前に調べると、入浴時に術側の胸を隠す下着が売られていました。けれどこの下着が世の中に広まっているわけではないので、この下着をつけて入浴するほうが奇異に見えてしまいそうなのでやめました。

 私は自分が片胸ない姿が恥ずかしいわけではないですが、やはり見た人はビックリしてしまうのではと思い、どうにかストレスなく入浴する方法を考えました。

 その結果、浴場に入るときには胸全体をタオルで隠し、洗い場はできるだけ右端に座る。湯船に浸かるときにはギリギリまでタオルで隠し、さっと浸かる。胸まで浸かってしまえば良く見えないので意外と平気です。

 洗い場では皆さん自分の身体を洗うことに集中しているのであまり気づかれないとわかりました。何度もスーパー銭湯や温泉に行っていますが、今のところジロジロ見られた経験はありません。工夫次第で、今までの生活と同じようにやれるものだなと思っています。

 多少の後遺症や不便があるものの、なんだかんだでぱっと見は普通の人の生活を送れるようになりました。毎年1回、反対側の胸の検査と、周辺に転移がないかの検査だけはしていますが、これも10年経ったら完了します。

◆できるだけ素の自分でいられるように

 このように治療は大変でしたが、わたしはこの経験をして良かったと心から思っています。それはこの乳がん治療をきっかけに、人生観が大きく変わったから。

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