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YOASOBIが歌うNHKパリ五輪テーマ曲に「薄すぎる」の声。批判が的外れである理由

女子SPA! / 2024年8月2日 8時46分

YOASOBIが歌うNHKパリ五輪テーマ曲に「薄すぎる」の声。批判が的外れである理由

 連日の熱戦にわくパリ五輪ですが、YOASOBIが歌うNHKのテーマソング「舞台に立って」の評判がいまいちです。“歌詞に余白がなく言葉が流れてしまう”とか、“ヒリヒリとした戦いの場の音楽として薄すぎる”との批判的な意見が多く聞かれます。

◆過去にはゆず、ミスチルの感動やエネルギーを伝えるテーマソング

 過去のオリンピックでは、2004年アテネ大会の体操の着地シーンで流れる「栄光の架橋」(ゆず)や、2008年北京大会の「GIFT」(Mr.Children)などの、メッセージ性の強い壮大な曲が強い印象を残してきました。そうでないケースでは、1996年アトランタ大会の「熱くなれ」(大黒摩季)のように、ほとばしる汗をそのまま音楽にしたような曲があります。

 いずれにせよ、これまでのオリンピックテーマソングは、スポーツノンフィクション的な感動か、スピード感やエネルギーを伝えるのが主なアプローチでした。

 でも今回の「舞台に立って」は明らかに異なります。

 まず、とても軽い曲だと感じました。とはいえ、決して悪い意味ではなく、オリンピックだからといって気合が入りすぎていないのですね。盛り上げよう、泣かせようという仕掛けがない。スポーツに対する姿勢がカジュアルだと感じました。

 ただ、それだけではない要素もある。歌詞がとても内省的なのです。

◆アスリートのメンタルヘルスに切り込む歌詞は完全に新しい

<不条理を前に立ち尽くすこともあった 他人は好き勝手ばっかり言うし 

 もう何のために戦ってんだろ って分かんなくなって> 

 これは音楽で選手を応援したいとか、スポーツのダイナミックさを演出したいといった意図とは明らかに異なります。昨今問題になっているアスリートのメンタルヘルスに切り込んだ批評的なフレーズだからです。

 この一点だけでも、「舞台に立って」は完全に新しいスポーツのテーマソングだと言えるのです。

◆聞く人それぞれの共感を呼ぶ、黒子に徹した姿勢

 同時に、作者のAyaseはこの曲をスポーツだけに限定せず、聞く人それぞれの暮らしの中での戦いに置き換えられる言葉を選んでいます。

<勝ち負けがはっきりある世界は 好きだけじゃ生き残れない

 いつも結果と成果 遊びじゃない そんなこと分かってる>

 キャリア実現の夢、ビジネス、受験、部活。様々なシーンで共感を呼ぶコンセプトです。見方によっては、あまりにもわかりやすすぎるので、作詞に工夫がないと感じるかもしれません。

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