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「そんな正論、聞きたくない!」娘が40℃発熱でも病院に連れて行かずキレる“自然派”妻。極端なオーガニックにハマった末路とは

女子SPA! / 2024年8月21日 15時45分

しかし平穏に軌道修正……とはならなかった。ダイスケさん妻は、いままで大切にしていたものを、極端に憎むようになってしまったのだ。

沼が転じてアンチになるのも、よく見る現象ではある。

昔ながらの育児。環境に配慮したオーガニック生活。自然を通じて内面と向き合う取り組み。悩みを共有し、寄り添い合うコミュニティ。そうしたものを罵倒し、家事育児の一切も放棄し、自暴自棄な生活を送るようになった。

「あれだけ手をかけたのに、思ったような成果が得られなかった失意が大きいようです。いまはもう人生に何も期待しない、早く死にたいと頻繁に大暴れし、子どもも巻き込んでいます。子どもはもう小学生なので、周囲に暴力被害を訴え、各所からたびたび問い合わせが来ています。

育児のストレスと人間関係のこじれ、そして精神的な病が原因であり、オーガニックなどが直接関係しているわけではありませんが、状況を悪化させる一因ではあったのではないでしょうか」

◆「寄り添い」を大事にしていたのに

行政の協力もあおぎ、なんとか医療につなげようとするダイスケさんだが、妻はカウンセリングを伴う“寄り添い”的なものを極端に嫌悪している。もちかけると「それで何が救われるんだ!」と悪態をつく。

「ママ友たちと魂の対話とか潜在意識のなんちゃらワークとか、あれだけ好んで取り組んでいたのに、もうそうしたものと関わり合いたくない、対話も寄り添いも私に何ももたらしてくてくれない、一切の期待をしないと、頑なに拒否しています。素人のそれと医療のものは、また違うと思うのですが、聞く耳を持ちません。

いまはかつての妻とは真逆に、推し活に全振りしています。自分は妻の対応と心情を専門家と一緒に考え、ワンオペ状態で3人の子どもの世話をする毎日です」

◆妻は、何になりたかったのか

何者かになりたかった母たちと、巻き込まれる家族たち。

自己実現の模索のなかで、子どもによりよいものを与えたいジレンマもあるだろう。程度の差はあれど、多くの人が足を踏み入れる可能性のある沼なのかもしれない。

<取材・文/山田ノジル>

【山田ノジル】
自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru

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