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松本まりかの“暴走する復讐サレ妻”は何位?夏ドラマ「怖い女」ランキング!朝ドラ&月9からも

女子SPA! / 2024年8月21日 8時46分

それだけでも恐ろしいが、美智留の怖さがとくに際立つのは、いとこの恭子(松井玲奈)との関係。

中学時代、恭子の難病を治療するため美智留が骨髄を提供したことをきっかけに、恭子は美智留に傾倒していく。そして美智留を虐待していた父親を恭子は事故に見せかけて殺してしまうが、実はそれは美智留による誘導。学校で恭子がいじめられていたのも、美智留が裏で仕掛けていたことだった。

次第に美智留の恐ろしさに気づき始めた恭子はその支配から逃れようとするが、ことごとく見破られ、美智留から逃げられない。美智留の悪事に加担することにまっとうな罪悪感を抱いていたはずの恭子は、第4話ではすっかり美智留のよきパートナーに……。

他人の心理を意のままに操作し、破滅させていく美智留はまさに稀代の悪女であり、絶対に関わりたくない「怖い女」だろう。

◆1位 如月みのり(松本まりか)テレビ東京系『夫の家庭を壊すまで』/その女、危険につき――純愛の裏返しにある怖さ

学生時代から交際していた夫との、純愛を貫いた幸せな家庭。しかしそれは幻想で、夫・勇大(竹財輝之助)は結婚前から理子(野波麻帆)というシングルマザーとも交際していて、理子の息子・渉(野村康太)と3人で「もうひとつの家庭」を築いていた――。

17年も前から裏切られていたことを知った主人公・みのりによる復讐劇だが、ただの夫の不倫ではないところがミソで、みのりとの結婚には愛はなく、ただの財産目当て。しかも、みのりに常に優しかった義母・裕美(麻生祐未)も息子の不倫を容認し、「もうひとつの家庭」で楽しくやっていた。

これだけの地獄にあって、みのりの復讐は視聴者から応援されるものではあるが、同時にみのりの“暴走”もすごい。高校生の渉が通う塾に講師として現れて急接近したり、理子の勤める美容室をそしらぬ顔で訪れて指名した理子にプレッシャーをかけたりと、ものすごい行動力を見せていく。

◆松本まりかの怪演がもたらす「復讐する女」としての説得力

第1話終盤、ずっと騙(だま)されていたことを知ったみのりがフォークで夫の写真を刺していく“泣き笑い”の場面からして、“怒らせるとヤバい女”であることもわかる。

第1話では親友から「昔から被害妄想強すぎ」と指摘されていたが、この妄想癖もたびたび発揮され、第2話では鬼の表情でハサミを夫に突き立てる妄想シーンも。

ホラーとコメディのきわどい境界を酔歩するような独特の演出の中で、やはり際立つのは松本まりかの演技。

泣くときはまさに「号泣」という表現が合う泣きっぷりで、鼻水が垂れるのもいとわない。怒りや悲しみ、さまざまな感情が爆発した第4話の序盤のシーンは圧巻で、まさに怪演というべきこうした演技が、ただの「サレ妻」で終わらない「復讐する女」としての説得力を持たせる。

勇大は開けてはならない扉を開けてしまった――思わずそう思ってしまう「怖い女」だ。

<文/新城優征>

【新城優征】
ドラマウォッチャー。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

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