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夏休み明けに命を絶つ子どもたち……親が気付ける“心のSOSサイン”を児童精神科医に取材

女子SPA! / 2024年9月1日 8時45分

――子どもが夜遅くまでゲームをしたり漫画を読んだりするのは、不安を感じて寝付けないせいという場合もあるのでしょうか。

さわ:そういうケースもあると思います。「学校に居場所がない」と感じている子どもの中には、漫画やゲーム、インターネットの世界に心の居場所を求める子どもが一定数います。そういう子どもたちに対して、理由を聞かずに真っ向から漫画やゲームを否定してしまうと「唯一の心の拠り所さえも奪われてしまった」ということになりかねません。なぜ、それが必要なのか、その子にとってどういうものなのか、耳を傾けてあげないといけないと思います。

◆「学校に行く」以外の選択肢を示してあげてほしい

――夏休み明けに、子どもが「学校に行きたくない」と言い出したときは、どんな対応が望ましいのでしょうか。

さわ:「何言ってるの、行きなさい!」とすぐに子どもの言葉を否定して登校を促すのではなく、「どんなことが不安なの?」「何が嫌なの?」と具体的に対話をすることがとても大事です。

ただ、子どもは大人よりも気持ちを言語化することが苦手です。人間の脳は年齢とともに発達していくので、小中学生の子どもはまだまだ未発達。うまく言えないことが多いので、できるだけ表情からも心の不調を察してあげてほしいと思います。

子どもは「学校は行かなければいけないもの」と思っているために、「行けないから死ぬしかない」と思ってしまうことがあります。「学校に行く以外の選択肢もあるんだよ」と教えてあげてください。教育支援センターやフリースクールなど、学校に行けない子どもたちの居場所が今はたくさんあります。定められた要件を満たしていれば出席扱いになることもありますよ。

また、「しんどくなったら2限目で帰ってきてもいいんだよ」とか、「給食だけ食べに行こうか」と言ってあげるのもいいと思います。低学年のうちは、親御さんが付き添い登校をするのもいいでしょう。子どもは大人より、こういった選択肢が思い浮かびにくいので、いろんな選択肢を示すことが大切です。

◆頭ごなしに怒ることが習慣になっている家庭は要注意

――小学校高学年や、思春期の中学生に対する接し方のアドバイスはありますでしょうか。

さわ:ある程度自分の気持ちを話すことのできる小学校高学年以上の子どには「何か困っていることある? あなたのこと助けたいと思ってるよ。お母さん(もしくはお父さん)にできることはある?」と聞くように親御さんに伝えています。

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