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「うつ病だった私が…」傍聴に通った24歳女性が“袴田事件は人生そのもの”と語るワケ

女子SPA! / 2024年10月12日 8時44分

――たくさんの方々に影響を受けて、そばで見守るご両親からも「変わった」と言われそうです。

なかがわ:明るくなったと言われます。寛解とまではいかないんですけど、うつ病だった私が接客のアルバイトへ行けるようになったほどで、変化には自分も驚いています。うつ病で一番ひどかった当時は、まともに起きられなかったし、気持ちも真っ暗な中で、将来にずっと不安を抱えていたんです。でも、袴田事件に関わって目の前の世界が明るくなったし、様々な背景を持つ支援者の方々とのふれあいを通して、長い人生で「好きなことを追い求められたら」と前向きになりました。

――現在は24歳ですが、ご自身と同世代の方々に伝えたいメッセージはありますか?

なかがわ:実名で堂々と意見を主張するのは、素晴らしい何かをなしとげたひと握りの方にしか認められていない印象もあったんです。でも、私のような何もなかった人でも、主張する勇気を持てましたし、「誰でも自由に発信していいんだよ」と伝えたいです。

――ライフワークである袴田事件への思いも、最後に伺いたいです。

なかがわ:支援活動や裁判を通して、袴田事件を生で見てきた者として、同世代に伝えていきたいこともあります。文章や講演で、下の世代にも「これほどの事件があった」と語り継ぎたいですし、同世代を支援活動に巻き込んでいきたいです。

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 このインタビュー後、10月8日には検察が控訴を断念し、袴田さんの無罪が確定した。その一報を受けて、なかがわさんは「早く巌さんの手を握って『おめでとうございます』と言いたい」とコメントを寄せてくれた。

 しかし同日、最高検察庁の畝本直美検事総長が事件の一連の流れへの見解を示した「検事総長 談話」については「正直、人の心があると思えなかった」と憤り、「これほどひどい人権侵害への謝罪を『長きにわたって法的地位が不安定な状況に置かれてきたことについて、申し訳なく思っている』というよく分からない、曖昧な日本語で表現していたのは驚きました。巌さんにしっかり謝罪してほしい」と願う。

 たぎる思いを抱くなかがわさんは「袴田事件を『よかった』の一言で終わらせないことが、若い世代としての使命とも思っていますし、司法制度改革、冤罪被害者救済の活動にも力を注ぎたいです」との決意を胸に、信念を貫き続ける。

<取材・文/カネコシュウヘイ>

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