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性被害にあっても言えなかった母が、子どもに伝えたい「NOを言う力」の付け方

女子SPA! / 2024年12月13日 8時46分

 そんな内容が動画で語られています。嫌な人を無理に誘わないこと、自分の意思をちゃんと伝えることを教えていくことが重要です。

◆両親が対等な関係なのか、子どもは見ている

みたらし加奈(臨床心理士):私たち大人が思っているよりも、子どもは大人の関係性を見ています。たとえば両親がいるご家庭の場合、片方の親がどちらかを強くなじっていたり、小馬鹿にするような態度を見せたりしていると、子どもはそのパワーバランスをそのまま受け取ってしまうのです。そして、その不均衡な関係性を、自分自身に当てはめてしまうこともあります。

「自分もパートナーを強くなじってもいいんだ」とか「パートナーから強く言われても我慢しなきゃいけないんだ」というようなインプットになってしまうのです。

 コミュニケーションのひとつひとつを子どもは敏感に察知しているので、日頃から保護者が、理不尽なことにNOと言えている姿、またそのNOが尊重されてる姿を見せてあげるのが、非常に大事だと思います。どうしてもそれが難しい場合、2人きりになったときに「本当なら尊重されるべきなんだよ」「あなたはNOと言っていいんだよ」と伝えるのも1つの手かなとは思います。

◆性的同意は、ふだんの生活と地続き

みたらし加奈:性的同意はセックスのときだけのものと思われがちですが、実は日常生活と地続きなのです。たとえば友達とランチに行くときに、「本当はパスタを食べたくないけれど、相手が食べたいと言ったから、とりあえず合わせてみた」、こういう積み重ねでNOと言いづらくなっていくのです。

 性教育は、セックスのことだけを教えるというよりは、日頃からその子にとっての快、不快が尊重されることが大事だと教えてあげることや、NOと言いやすい環境を作ってあげることでもあります。

 だから、たとえば子どもに恋人ができてその話を自分にしてくれたときに、「相手に対して、嫌なことは嫌って言ってもいいんだよ」「少しでも相手にモヤモヤしたり、言いにくいことがあったら、いつでも私に相談してきていいんだからね」と伝える。こういう関わりも性教育なのです。

◆NOと言われても不機嫌にならない大人でいること

犬山:保護者が学びつつ、その姿を見せることの重要性を感じます。パートナー同士でまずはNOと言い合えるようになる、そしてNOと言われても機嫌を悪くしない、尊重し合う姿を見せる。

「NOって言うけどあなたのことが嫌いって意味じゃないよ」「NOって言っていいんだよ。それで不機嫌にならないし、あなたの意見を尊重するし、NOって言われたから嫌いになったりしないからね」って語りかける。

 保護者ができることがたくさんあります。

<文・イラスト/犬山紙子>

【犬山紙子】
1981年生まれ。エッセイスト、コメンテーター等としてTV出演も多数。著書に『私、子ども欲しいかもしれない。』『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』など。2014年に劔樹人さん(ベーシスト、漫画家)と結婚。長女の誕生を期に、2018年、児童虐待防止チーム #こどものいのちはこどものもの を発足。近著に『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』 
@inuningen 
@inuyamakamiko

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