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「“ただドラマをやる人”で終わっちゃうと思った」朝ドラ出演の57歳俳優が芸人活動を再開したワケ

女子SPA! / 2024年12月17日 8時47分

――ちなみに、43歳のときに何かきっかけがあったんですか?

田口:厄年になって、自分自身があんまりいい方向に行ってないなって気がしたんです。「何かやらなきゃ」と考えたときに、「若い頃はガツガツ東京で生きてきたけど、地元の博多を一回振り返ってみてもいいのかな」っていう気持ちにすごくなって。

とにかく僕と何かしらの関係がある福岡出身の仲間たちと地元で何かやろうと。僕はすぐ先輩風吹かせるので、いろんなところで「じゃ手伝いーね」とか言いながら協力者を募って、博多弁の歌を歌う『8343(やさしさ)』ってバンドを作ったりしたんですよね。

いまだにそのバンドは続いてるし、今後もやれる時期にポツンポツンとやっていきたいなと思ってます。

◆“ただドラマをやる人”で終わっちゃう

――俳優の田口さんだけを知っている方たちにも、「『8343』を観にきてほしい」みたいな思いはありますか?

田口:もちろん。舞台とかドラマを観てくれる人たちっていうのは、その作品のキャラクターで僕を知ってくれているわけじゃないですか。ただ、それは人が書いたセリフであって僕が発してる言葉ではないから、テンションでも何でも、どこかのタイミングで興味を持ってもらって相乗効果で知ってもらうのが一番嬉しいです。

だけど、一本道ではないから、いまいち浸透しにくかったりしますよね。山の頂上を目指すなら一本で行ったほうがいいけど、僕のやり方は何本もクネクネと回り道しながらでなかなか上がっていかない。ただ、そういうのも全部含めて僕なんですよね。やっとこの歳になって「このままでいいじゃん」って思えるようになりました。

だって、ドラマを見てる人たちは僕が嫌な役をやったら、ずーっと僕のことを「嫌なやつ」って思ったりするんですよ? 昔だと、「振られ役」「デブキャラ」「汗かいてる」みたいなイメージのまま。僕20年前ぐらいからずーっと体重は落としてるのに、いまだに「やせましたね」とかって言われるし(笑)。だから、シンプルに“普通の人間”になりたいんですよ。

――地元・福岡に目を向けるようになったのも、そういうところが大きそうですね。

田口:若い頃は、「博多弁しゃべれるよ」みたいなことをちょっとでも自慢したくなかったんですよ。まったくイメージがないまま博多弁をポンっとネイティブにしゃべって、「うわ、博多の人だ!」って思われたほうが役者としては得じゃないですか。

でも、初めて『8343』のライブをやったときに、「ここであと何本やれるんだろう」と思って。仮に2年に1回の活動で70歳前までやると考えたら、あと十数本しか自分の表現できる回数が残ってないんですよね。

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