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「M-1」新審査員の“審査傾向”を分析…“9人体制+若返り”が追い風になるコンビ名

女子SPA! / 2024年12月20日 15時45分

また、柴田と若林はテレビ番組で、周囲の調和を大切にするバランサーとして活躍することが多い。それだけに、シビアな審査ができるのか注目したい。

とはいえ、3人も新規の審査員が加入したことで大荒れになりそうで、おもしろい大会になることは間違いなさそうだ。

◆今回の審査員の顔ぶれで、有利になるコンビは誰?

さて、今回の審査員の顔ぶれを見て、どのコンビが有利だろうか?

まず、新規の審査員が3人いることで、トップバッターが不利になる可能性が大。3人とも手練れの芸人だとはいえ、トップバッターの点数付けは迷うところ。

昨年の令和ロマンは、トップバッターとして優勝を果たしている。とはいえ、過去の成績を見ても「基準点」を作られるだけに、最初の出順が不利なのは間違いない。しかも、柴田、山内、若林は人生で初めての『M-1グランプリ』での採点なだけに、すんなりいくはずもない。そうなれば、高い得点よりは低めの得点になる可能性が大だ。

また、個別に見ていくと、石田明は今年10月に漫才論を詰め込んだ『答え合わせ』(マガジンハウス)を発売するなど理論派として有名。今回の審査員の中で、「ハマるか」が最も大きくなりそうで、得点にバラツキが出るかもしれない。

その点、石田を尊敬している髙比良くるまを擁する令和ロマンは、石田の目指す漫才に近いものを持っている。『答え合わせ』を読んだ印象で言えば、王道の良さを取り入れつつ進化している漫才を石田は好むように思う。

そういった意味で、石田が審査員にいることで王道と進化の両面性を持つ令和ロマンの2連覇はグッと近づいたような気もする。

◆審査が荒れそうな中、台風の目はダークホースの新人

その令和ロマンだが、2連覇が取り沙汰されていることで、審査が大荒れになる確率を上げている。予選を見る限りでは令和ロマンの仕上がりが高いだけに、審査員も警戒しているだろう。審査にもバイアスがかかる可能性は否定できない。

それだけに、得点付けは過去になく難しくなっている。大荒れになりそうだと推測するのだが、そうなると目新しく勢いのあるエバース、ジョックロック、バッテリィズに加え、敗者復活を勝ち上がる1組が有利になるのではないか?

中でも、メディアでの活躍や注目度が低いジョックロックが台風の目になると考える。どれだけ多彩なネタをジョックロックが用意できるかが問題になるが、臭い芝居と絶叫系のツッコミを繰り広げるコント漫才はパンチ力が高い。

また、ツッコミの福本ユウショウはファイナリスト記者会見で、自身の特徴的なツッコミポーズがCMに使いやすいと発言し、大暴れできるハートの強さを持っている。大会が荒れるほどに力を発揮できそうで、2連覇の令和ロマンに挑むダークホースのジョックロックという展開を見てみたい。

◆M-1グランプリ史上初の話題性のある大会に

さて、ここまで勝手に審査員を批評したが、これだけ話題性があるのは20回の歴史の中でも初。それだけに、優勝コンビだけでなく大会そのものがどんな盛り上がりを見せるか楽しみだ。

審査員がどんな得点を付けるかまで注目して、記念すべき『M-1グランプリ2024』の生放送を見ることにしたい。

<文/ゆるま小林>

【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆

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