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シリコンバレー発「子ども向け学習アプリ」が日本で人気沸騰しているワケ。日本法人に話を聞くと

女子SPA! / 2025年1月21日 8時46分

 また、開発の中で夫妻は障害を持つ子どもに限らずもっと多くの子どもに、一人で学べる教材が必要だと考えるようになります。

「夫妻は就学時にアルファベットと数字の区別がつかない子どもが一定数いることに気づきました。授業では『この程度の学力があるだろう』と想定して学習が進められますが、その想定に届かず授業についていけない子どもたちは、一度取り残されると、その後も学校の授業についていけなくなってしまいます。こうした子どもたちが大人の助けを借りずに一人で学べる教材が必要だと考え、開発したアプリがその課題を解決できるのではないかと考えたそうです。我が家でも子ども3人が取り組んでいますが、私が全然タッチしていなくても、子どもたちが自分から勝手に学習しています」

 さらに夫妻は、教育のインフラが整っていなかったり、経済的な理由で勉強ができないなどの理由で学びの機会を得られないという世界共通の課題にも目を向け、2012年、アメリカのシリコンバレーで会社を設立したといいます。

◆タンザニアで学習効果を検証

 前述したように、学校教育では、決められたカリキュラムがあるので理解に時間がかかる子どもは取り残されてしまうことがあります。このような問題を解消するため、トドさんすうでは、スモールステップで学べるよう工夫されています。

「1で終わる説明を10に分けて説明するくらい、細かく内容を分けて少しずつ理解できるように設計しています。また、言葉だけでは理解が難しい子どもたちのために、直感的に理解できるように工夫しています。親しみやすいキャラクターやユニークな動きをするゲームを通じて、抽象的な概念を具体的にイメージできます。それから、1つの概念に対して、いくつかのパターンのゲームがあるので、反復して学習しても飽きにくいですし、その子に合う方法で学ぶことができます。例えば、『数の位』という概念に対して、1個、10個、100個のブロックのかたまりを理解したり、ロケットの燃料に例えたりしたゲームなどですね。ブロックのゲームで理解できなくても、ロケットのほうでわかるようになったり、繰り返しアプリで遊ぶうちに自然と学ぶことができるんです」

 子どもたちに対するアプリの学習効果は、どのように検証されてきたのでしょうか。

「まだトドさんすうを開発して間もない頃に、イーロン・マスク氏が後援する『Global Learning XPRIZE』という教育ソフトウェア開発コンテストに出場しました。タンザニアで教師のいない環境で、読み書き計算のできない子ども達に15か月間使用してもらうことで、効果を検証してもらったんです。準備期間などを含めると5年かかり、端末のメンテナンスなどのためにアフリカへ渡航するためかなりの費用がかかりましたが、『私たちが解決するべき問題だから』というCEOの説得で、会社のリソースを投資して取り組みました。その結果、2019年にもっとも学習効果の高いアプリとして、198チームの中から共同優勝しました」

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