「93歳でYouTube始めたら、楽しみ100倍だっぺ」茨城の最強ばあちゃんから学ぶ、元気に長生きする秘訣
週刊女性PRIME / 2024年3月2日 7時0分
畑仕事、料理も一人でこなす、子ども5人、孫7人、ひ孫5人、玄孫4人の5世代家族の茨城県在住のおばあちゃんが、93歳のときに始めたYouTubeチャンネル『最強ばあちゃんときどき玄孫』が知らず知らずのうちに大人気。元気に畑仕事をする日常と、ときどき顔を出す玄孫たちとのやりとりが好評を得て、チャンネルを開設して3年ほどで、チャンネル登録者は10万人を突破。2024年2月には動画から派生した書籍も発売された。「年をとって新しい楽しみができた!」と喜ぶ最強ばあちゃん・ちよさんと、動画の管理・運営をしているひ孫・ゆいさんにYouTubeを始めたきっかけと、95歳を迎えてもまだまだ元気な秘訣を聞いてみた。
「こんなに素敵な高祖母がいたことを忘れないでほしい」
「私がテレビ(YouTube)に出るようになったのは、ひ孫のゆいのアイデアだな。最初は、内容がわからないので、『そうかい』って別に何とも思わなかったよ。それであとになって見せてもらって、まさか自分がテレビに映ると思わないからびっくり。何とも言えねえけど、嬉しかったなぁ」(ちよ)
ゆいさんはちよさんのひ孫にあたるが、普段は「ばあちゃん」と呼んでいるとのこと。ゆいさんが動画を撮り始めた理由は……。
「YouTubeを始めた理由は、いくつかあります。そのひとつは私の子どもたちをはじめ、ばあちゃんの玄孫たちのことがきっかけです。まだ幼い彼らに、『こんなに素敵な高祖母がいたことを忘れないでほしい』という思いがありました。
もうひとつは、やっぱり、元気に畑や料理をして、自立して暮らすばあちゃんの姿を多くの方に見てもらいたいという思いがあり、ホームビデオ感覚で始めました。番組は台本も演出もなし、ばあちゃんの日常を切り取るように、その自然体を撮影して公開しています。お気に入りの動画はたくさんあって選べません」(ゆい)
私のこと知らない人が見て何が面白いんだか(笑)
動画を見ていると、朝から畑仕事をしたり、料理も洗濯も一人で元気にこなす姿になんだか癒される。ちよさんと、ゆいさんの子ども(玄孫)とのやりとりは微笑ましい。こんなに人気動画になるとは予想外のことだったようで、YouTubeを始めて変わったことなどはあるのだろうか。
「撮影はゆいが電話(スマホ)でしてくれているみたい。それで日本や世界中の人が見ることができるんだから、人間のアタマってすごいんだなって感心するよぉ。私のこと知らない人が見て何が面白いんだか(笑)わかんねえけど、ありがたい話です。
見ている人からの感想をひ孫たちから聞いたことがあるけど、『動画を見て元気になる』って言われると、こっちも元気になるな。近所の人にも『YouTube、見たよ! おばあちゃん! すごいね〜』なんて言われたりしたな。
YouTubeを始めて変わったことは、なんとなくだけど気持ちが明るくなったと思う。撮影することも、見た人の反応などいろいろ楽しみも増えたよ」(ちよ)
「動画を初めから順に見ていくと、玄孫の成長が見られ、ばあちゃんがみんなから愛される理由や、長生きの秘訣がどんどん見えてきます。それは意図しなかったこと。続けてみて、そういう楽しみ方があるんだなと気づきました。視聴者の方もそういう見方をしてくれる人がいて、なかには『2週間で一気に見終わった』という方もいました。
はじめは、こんなに多くの人に見てもらえると思っていませんでした。今ではたくさんの人が楽しんでくれていることが、とても嬉しいです。コメント欄にも応援の声をたくさんいただいています。これからも、私たちの日常を嘘偽りなく映し出すことを心がけていきたいと思っています」(ゆい)
畑仕事、料理が趣味というちよさん。記憶力も確かで、95歳になっても心身ともに健康だ。毎日の生活で何か気をつけていることは?
私の今の夢は100歳まで生きること
「これまで大きな病気、ケガといえば、一週間入院した骨折と今は薬をのんで寛解したリウマチだけ。本をまとめるときに子ども、孫、ひ孫に元気なワケを聞いてみたら、
1.毎日、体を動かす
2.なんでもよく食べる
3.小さいことは気にしない
4.好きなことをする
5.家族とよく話す という声があったな。
自分の心の基本は『我慢』かもしれねぇな、と思っています。戦争中から戦後、国民みんなが我慢を強いられた時代があって、そのあとも旦那の介護があったり、つねに楽しい生活をおくってきたわけではねぇからなぁ。つらいこと、厳しいことが降りかかると、いつもじっと我慢だった。今の人たちは『我慢』って言葉が嫌いかもしんねぇけど、我慢のあとはきっと良いことがあると思うんだ。厳しい冬のあとは、温かい春が来るようにな。
そんな『我慢』の気持ちを持っているからこそ、なんでも前向きになれるんだと思うよ」(ちよ)
「よく視聴者の方から、『なぜ、“最強”ばあちゃんなの?』と聞かれることがありますが、いつも同じ答えを返しています。
『どう考えても最強だからです(笑)!』
答えになっていないように思いますが、ばあちゃんのそばにいて、いつも思うんです。いくつになっても、畑仕事もして自立して暮らしていて、記憶力もすごい。何でも自分でできるし、我慢強くて、物を大切にし、料理がとても上手。どう考えても“最強”です。
とくに尊敬しているところは、この歳になっても料理作りに手を抜くことがないところです。健康に配慮したバランスの良い献立はもちろんのこと、料理一品一品の彩りのバランスもこだわって食事の支度をしています。私も子を持つ母親として見習いたいお手本です」(ゆい)
ちよさんの楽しみは、5世代にわたる大家族が集まって近況報告やら昔話やら、ごはんを食べながらワイワイと盛り上がる時間。そんなちよさんの、これからの夢は?
「私の今の夢は100歳まで生きること。玄孫たちが物心つくまでは元気でいたいなぁ。それまでは玄孫たちと遊びながら、見守っていくつもりだぁ。いつまで気を若くしていられるかわからないけど、そのために一日一日を大事に暮らしたいと思います」(ちよ)
写真/海保竜平
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