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「横綱経験者の半数がトラブル」元白鵬も“失墜”、名力士が名親方になれない角界の特殊事情

週刊女性PRIME / 2024年3月12日 16時0分

宮城野部屋の存続も危ぶまれる。元横綱・白鵬の宮城野親方

「申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 2月23日、部屋の前に集まった報道陣に神妙な面持ちで謝罪した元横綱・白鵬の宮城野親方(39)。部屋所属の幕内力士・北青鵬(22)が、同部屋の力士に暴力行為を行い、その監督責任などを日本相撲協会から問われていた。北青鵬は引退届を提出し受理され、宮城野親方には年寄への2階級降格と、3か月間の報酬20%減俸という処分が下された。

横綱経験者の半分以上がトラブル

 名力士と謳われた宮城野親方の威光が失墜した瞬間だった。振り返ってみれば、引退して親方になった名力士たちの不祥事が散見される。'22年に弟子2人の暴力行為が発覚した、元横綱・旭富士の伊勢ヶ濱親方(63)。'21年には緊急事態宣言下にキャバクラに通っていたことが報じられた朝乃山(30)の師匠、元大関・朝潮の錦島親方も同じく飲み歩いていたとして、協会を退職……。

 ほかにも元横綱・貴乃花(51)など協会内のいざこざで協会を去ったケースもある。なぜ、指導者の立場になると、そろいもそろって“ポンコツ”になってしまうのか? 相撲ライターの西尾克洋さんは、

「横綱経験者の半分以上がトラブルを起こしているというデータもあるんです」

 と苦笑いしながら、こう続ける。

「現役中に地位が上がると、誰も諫める人がいなくなります。気がついたら周囲は“イエスマン”で固まってしまう。そして横綱や大関など相応の知名度と実績のある力士ほど、部屋持ちの親方になることが多いんです。誰からも注意されなければ、自分の考えだけで動きますから“暴走”しやすいですよね」

問われるのは「人間としての資質」

 また、相撲界の伝統的な構造も関係しているという。

「相撲界のピラミッド構造というか、幕下と十両では、明確な主従関係があります。幕下以下は“使われる者”、十両以上が一人前で“使う立場”です。最近はコンプライアンスの点から、この構造を変えなくてはいけないといわれます。でも、力士全員を平等にしてしまったら、相撲の面白さをスポイルしてしまうという問題もあるんです」

 相撲はスポーツではなく、伝統を守ってきた国技といわれる。その根底を支えてきた力士間の身分の違いを否定してしまうと、相撲の世界観が崩れてしまう。横綱だから認められる特権もあり、幕下だからこそ下積みで頑張ることで、成り上がれるのだ。西尾さんは「慎重に扱わなければいけない問題」としつつ、

「力士個人の、人間としての資質が問われることになります。相撲界のピラミッド構造を認めつつも、下の人間に対する思いやりを持ち続けること。上に立つ人間だから、何をやっても許されるといった考えを改めることです。

 協会も問題が起こるたびに研修という形で力士の教育を行っています。こうした研修会を開く頻度を上げ、下位の力士も1人の人間として尊重するコンプライアンスを、徹底して学ばせることが求められるのでは」

 10年前に比べると、格段に角界の状況はよくなっている、と西尾さん。後はその中にいる人間が、地位が上がっていく中で、自分自身を律することができるかにかかっているのだろう。

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