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【寿がきや VS 凄麺】奈良「天理ラーメン」カップ麺を徹底比較 よりウマいのはどっちだ!?

Jタウンネット / 2024年12月22日 17時0分

マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界

第百四十八回 寿がきや食品「全国麺めぐり 奈良天理醤油ラーメン」とヤマダイ「凄麺 奈良天理スタミナラーメン」

文・写真:オサーン


カップ麺ブロガーのオサーンです。

「ご当地カップ麺」連載の第百四十八回目となる今回は、奈良・天理のご当地麺「天理ラーメン」を再現した定番カップ麺2つを比較レビュー。

寿がきや食品の「全国麺めぐり 奈良天理醤油ラーメン」とヤマダイの「凄麺 奈良天理スタミナラーメン」です。

「全国麺めぐり」と「凄麺」はともに全国のご当地ラーメンを再現するブランド。「天理ラーメン」の他にも「富山ブラック」で両者が競合しています。

奈良・天理のご当地ラーメンをカップ麺で再現!

奈良のご当地ラーメン「天理ラーメン」は、天理市を中心に供されるご当地ラーメンで、「スタミナラーメン」として全国的にもおなじみ。

醤油味ベースのスープにニンニクや辛味を効かせ、具として炒めた白菜やニラ、豚肉などが合わせられているのが特徴です。


元祖のお店は「彩華ラーメン」で、現在も天理ラーメンの人気店。

チェーン店「天理スタミナラーメン」とともに、天理ラーメンの2大巨頭して君臨しています。

奈良県の人々は「彩華派」と「天スタ派」に二分され、普段から寺社仏閣に触れて心穏やかな人ですら、彩華と天スタの論争になると急激に熱が入るとか。


一般的には、「彩華」は味が濃くて辛味やニンニクも強い傾向なのに対し、「天スタ」はベースの豚骨がマイルドで、炒め白菜がシャキシャキしているのが特徴といわれます。

筆者は両方のお店で食べたことがありますが、確かに「彩華」は味が濃く、「天スタ」はマイルドで白菜の食感が目立っていました。

「彩華」と「天スタ」どちらとも、以前にカップ麺化されていました。

前者はサンヨー食品製、後者はエースコック製で、今回の2品とは違うメーカー。

多くのメーカーが天理ラーメンに関わっていることがわかります。

「全国麺めぐり」と「凄麺」の内容物

別添袋は、「全国麺めぐり」が2つで「凄麺」が3つ。

両者ともカップにあらかじめ入っているのは麺のみです。

先入れの「かやく」を麺の上に開けると、両者の違いは一目瞭然でした。

「全国麺めぐり」には細かいタイプのかやくがたくさん入っているのに対し、「凄麺」はフリーズドライブロックの野菜がドカン!

麺の太さも両者で違いがあり、「全国麺めぐり」がやや太め。

麺量は65グラムと60グラムで「全国麺めぐり」の量が多くなっています。

ちなみに両者の定価は、前者が税別274円で後者が255円となっており、安さにおいては「凄麺」に利があります。

ニンニクしっかり油脂もこってり

まずは、寿がきや食品の「全国麺めぐり 奈良天理醤油ラーメン」。

寿がきや食品は早くから「天理ラーメン」に着目しており、2009年に「全国麺めぐり 奈良天理醤油ラーメン」という現在とまったく同名の商品が出ていました。

当時の価格は税別218円だったので、現在の価格と比べると隔世の感がありますね。

スープは鶏豚ベースの醤油味で、ニンニクや辣醤(ラージャン)で刺激を加えています。

ラージャンと聞いて怖い顔でブンブン殴ってくる金色のモンスターを思い浮かべた人も多いかもしれません。「辣」という漢字も使われていていかにも辛そうですが、今回のスープはニンニクや辛味よりも醤油味重視の印象。ベースの鶏豚だしも太く感じられます。

味の濃さとコク重視で、スタミナ系としては刺激少なめでした。

とはいっても、ニンニクのパンチはしっかりあり、スタミナ系のラーメンらしい仕上がりです。

スープ表面の豚脂系の油脂が多めで、こってり感も強め。

辛さはピリ辛程度でちょっと物足りないと思われるかもしれませんが、ニンニクの効いた濃い味のスープはスタミナ系と名乗る資格を十分に有しているでしょう。

惜しみなく投入された白菜に感動

麺は中太程度のノンフライ麺。

メーカーサイトでは「細めん」と説明されていますが、筆者にはそんなに細くは見えませんでした。

縮れがついた丸麺形状で、「天スタ」より「彩華」の麺に近い形状です。

濃い味のスープに対し麺も太めで主張が強く、両者のバランスが取れていました。

具は、白菜、ニラ、唐辛子。最近はスーパーで白菜を買うとすごく高くて困るのですが、このカップ麺では惜しげもなくたくさん入っています。

肉系の具がないのはさみしいものの、これだけたくさん白菜が入っていると「天理ラーメン」らしさを強く感じることができました。

あっさりなのに刺激しっかり

続いては、ヤマダイの「凄麺 奈良天理スタミナラーメン」。

「凄麺」からは現在、ご当地麺だけで28種類も商品が出ており、今回の「奈良天理スタミナラーメン」もそのひとつ。

中にはなりマニアックなご当地麺も再現されており、天理ラーメンはその中ではメジャーな部類となります。

こちらは2017年に初登場した商品なので、2009年生まれの「全国麺めぐり」天理ラーメンに比べると歴史は浅いですが、それでも十分にロングセラー商品です。

スープは豚骨ベースの醤油味で、ニンニクや豆板醤で刺激を加えてスタミナ系の味に仕上げています。

ベースはやや白濁で豚骨強め。

非常にあっさりしていて醤油味も穏やかで、もっと黒くて醤油味もだしも強かった「全国麺めぐり」とはかなり異なった味となっています。

豆板醤や唐辛子の辛味、そしてニンニクのパンチは「全国麺めぐり」に比べて強めで、あっさりベースながらパンチのある味。辛さは中辛~辛口程度といったところです。

この白菜がすごい2024

「全国麺めぐり」はベース部分の濃さと油の多さで「彩華」の味に近く、「凄麺」はあっさり味で豚骨ベースなので「天スタ」の味に近いようにも思えますが、辛味やニンニクの強さは「凄麺」の方が「彩華」に近い印象で、ねじれた構図です。

麺は中細でストレート形状のノンフライ麺。

縮れのついた「彩華」よりストレートの「天スタ」に近そうですが、お店に比べて細いです。

あっさりベースのスープに対して細めの麺は相性が良く、スープを引き立てつつ麺の甘みもそれなりに主張できていました。

具はフリーズドライブロックの白菜とニラ。

白菜の量が多い上にカットが大きくてシャキシャキ食感。お店のような炒め感はないものの、食感は「天スタ」の白菜に近いです。

「全国麺めぐり」の白菜も良かったですが、「凄麺」は量が多くて大切りで食感も素晴らしく、さらに上を行っていました。

具に加えて、「後入れかやく」に唐辛子が入っています。

スープだけでも十分辛いですが、唐辛子を加えることでその辛味に唐辛子の立体的な風味を加えて説得力を持たせていました。芸が細かいですね。

強みは「凄麺」に多いが両者甲乙つけ難い

スープの色や醤油、豚骨の強弱だけで見れば、「全国麺めぐり」が「彩華」、「凄麺」が「天スタ」を意識しているように映ります。

ただ、そんなに単純な話ではなく、ニンニクや辛味の強さはあっさりの「凄麺」が勝っています。


味が濃くてこってりしているのは「全国麺めぐり」、基本あっさりで豚骨がマイルドながらニンニクや辛味が強いのは「凄麺」。

そして両者ともに白菜がたくさん入っており、FDブロックで大切りの白菜が楽しめる「凄麺」がより充実している印象でした。

さらに価格の面でも、「凄麺」が安価でコスパが勝っています。


では「凄麺」の方がオススメかと問われると一概にそうとも言えません。個人的には「全国麺めぐり」の濃いスープが好みでした。

つまり......どちらも間違いなく良品。皆さんも両方食べて、自分のお気に入りを決めていただければと思います。

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