「単純所持」処罰規定に危うさ...児童ポルノ禁止法改正案が可決

東京ブレイキングニュース / 2014年6月16日 18時0分

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 児童買春・児童ポルノ処罰法改正案が衆院法務委員会で可決された。参議院でも可決すると、児童ポルノの単純所持が禁止され、自己の性的好奇心を満たすための所持者は処罰されることになる。ただ、どのようなケースが処罰対象になるのか。審議過程からみると、危うさも見え隠れする。

 児童ポルノの所持の処罰対象については、三号ポルノ、つまり「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、性欲を興奮させ又は刺激するもの」が曖昧との批判がされていた。そのため、「自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至ったものであり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)」に限定した。また、盗撮も対象に入れた。また、施行までは成立後一年間は猶予があることは附則に入った。

 三号ポルノについては「性欲を興奮させ又は刺激するもの」については、これは個別具体的な人の基準ではない。児童ポルノ愛好者の基準でもない。警察庁の刑事局長は自民党の土屋正忠委員の質問に「構成要件は、一般人を基準にしている」と答弁した。そのため、Facebookなどで子どもの写真をあげている人がいるが、普通の笑顔写真を愛好者は性的好奇心を持つかもしれない。その意思を持って所持したとしても処罰対象ではない。

 民主党の枝野幸男委員は4日の法務委員会で「単純所持全般が処罰対象ではない」ということを法案提出者と政府側参考人に答弁させ、言質を取る質問をしていた。「立件対象となる所持の時点での認識の要件」で、「処罰範囲に限定をかけるもの」で、時期や経緯を証拠により立証しなければならないということだ。

「自己の意思に基づいて」について、たとえば、メールで児童ポルノ画像が送りつけられて所持となった場合、あるいは鞄に放り込まれた場合、自分のロッカーに入れられてしまった場合は、「自己の意思に基づいて」ではない。しかし、送りつけられた画像を児童ポルノと認識した上、積極的な利用が前提で保存した場合は、「自己の意思」となる可能性があるとの答弁がされた。ただし、そもそもパソコンと動作ミスで保存してしまうこともあり、それとの区別をどう判断するのか。そこまでの質疑はなかった。

 かつて児童ポルノの製造、売買、譲渡は違法ではかった。形式的には児童ポルノとなるようなものが映画や雑誌にはある。そうしたものを図書館、アーカイブス、雑誌社の倉庫に保管されている可能性がある。家探しをする必要はないかと質すと、提案者は「『自己の性的好奇心を満たす』とは考えにくいので構成要件を満たさない」、または性的搾取や児童虐待を許さないというのは一般的理念であり、「廃棄、削除の義務を課すものではない」ともした。

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