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韓国で静かに展開する「生物テロ」との戦い

KOREA WAVE / 2024年5月3日 11時0分

昨年7月、仁川地域のあちこちで発見されたテロの疑いがある郵便物=仁川消防本部提供(c)news1

【KOREA WAVE】韓国で昨年7月、「正体不明の小包」で大騒ぎになった。注文もしていない小包が一軒一軒配達され、小包を受け取った市民らは「毒物が入っている」「ガスが入っている」と警察に通報した。小包を受け取った市民の一部は、めまいや呼吸困難を起こし治療を受けた人もいた。全国から寄せられた通報だけでも3428件に上った。

当局が確認した結果、これらの小包は中国で発送され、台湾を経て韓国に入ってきたものだった。しかし、検査した国防科学研究所によると、この小包に危険物質は入っていなかった。韓国を恐怖に陥れた正体不明の小包事件は、幸いにも単純なハプニングで一段落した。

韓国国民が正体不明の小包一つに怯えざるを得なかった理由は、まさに生物テロの可能性のためだ。

生物テロはウイルス、細菌、カビ、毒素などを使って人に病気を引き起こしたり、大量破壊を目的としたりする恐ろしいテロだ。

実際、2018年の米国防総省には、毒性物質であるリシンが含まれていると疑われる小包が配達されたことがあった。このリシンは0.001gの極少量でも人命を奪う。

2001年9月11日の同時多発テロ以降、米国全域では炭疽菌が入った郵便物で22人が感染し、このうち5人が死亡した。傷ついた皮膚から感染する皮膚炭疽の場合、抗生物質で治療が可能だが、呼吸器炭疽は致死率が非常に高く、発病後早期に治療しなければ致命率は97%に達し、テロに悪用される代表的な生物テロ病原体だ。

生物テロは、国家安全保障戦略とも大きな関連性がある。生物テロが国の存立を揺るがす強力な武器になり得るからだ。

韓国も生物テロ感染症から安全な国家を作るために、以前から静かな戦争を繰り広げてきた。

疾病管理庁のチョン・ユンソク高危険病原体分析課長は「炭疽、ペスト、ボツリヌス症、エボラウイルス病などの生物テロ感染症は、高い致命率と集団発生の恐れがある。生物テロの疑いがある状況が発生すれば、原因病原体を迅速に検出して効果的に対応し、拡散を防止しなければならない。このために韓国で作られたのが『生物テロ対応国内実験室ネットワーク』だ」と説明しる。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News

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