尹大統領の起訴で事件が終わるわけではない……「これだけある」検察・公捜処の残る捜査
KOREA WAVE / 2025年2月5日 12時0分
【KOREA WAVE】韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が内乱の首謀者として起訴された後も、検察と高位公職者犯罪捜査処(公捜処)は「非常戒厳」に関する捜査を続けている。残る捜査の焦点は、戒厳前に開かれた国務会議(閣議)の出席者に対する処分、警察や国防省調査本部などが関与したとされる主要人物の逮捕部隊疑惑、またイ・サンミン前行政安全相による報道機関への電力・水道供給停止指示などにある。
特に、ユン大統領の違法な非常戒厳布告に同調・黙認・助長した国務委員(閣僚)を共犯として扱うかどうかや、選挙管理委員会および主要人物の逮捕作戦に投入された現場指揮官らの処分に注目が集まっている。
検察の非常戒厳特別捜査本部と公捜処の非常戒厳タスクフォースは、旧正月の連休直後から非常戒厳に関する未解明の疑惑の捜査を進めている。
検察は、非常戒厳布告前にユン大統領または大統領室の付属室を通じて国務委員が召集され、約5分間開かれた国務会議の状況を再構成している。検察がすでに起訴した内乱重要任務従事者に関する起訴状では、当時の国務会議について、非常戒厳の議案が適切に提出・上程・審議・議決されなかった「瑕疵のある国務会議」と規定している。
一部では、当時の国務会議に出席した者(大統領・首相を除く9人および国家情報院長などの陪席者)は、事前に戒厳布告計画を知らされておらず、ユン大統領が一方的に布告したため、彼らの関与責任を問うのは難しいという見方もある。しかし、キム・ヨンヒョン(金龍顕)前国防相がユン大統領の弾劾審判で「戒厳布告に同意した者もおり、政府部処の協力要請を準備した」と証言したことから、事実関係の解明が求められている。
検察は、国防省調査本部と警察庁国家捜査本部が、国軍防諜司令部の主要人物逮捕部隊の編成や逮捕試行に関与した疑惑についても調査を進めている。警察と国防省調査本部は、防諜司令部の逮捕計画を知りながら、人員や物資を支援したのではないかとの疑いを持たれている。
警察は、防諜司令部の支援要請を受け、現場案内の役割として永登浦(ヨンドゥンポ)警察署の刑事10人の名簿を提出したものの、実際には彼らは防諜司令部と接触しておらず、また、防諜司令部から最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表や与党「国民の力」代表だったハン・ドンフン(韓東勲)氏が逮捕対象であるとの説明を受けたこともないと主張し、疑惑を否定している。
一方、公捜処は、イ・サンミン前行政安全相が戒厳当時、文化放送やハンギョレなどの報道機関に対し、電力・水道供給の停止措置を指示した疑惑について捜査を進めている。
公捜処は1月14日にホ・ソクゴン消防庁長、16日にファン・ギソク・ソウル消防災難本部長、17日にイ・ヨンパル消防庁次長を参考人として召喚し、事情を聴取した。
ホ庁長は国会行政安全委員会の懸案質疑において、イ・サンミン氏からの報道機関の電力・水道供給停止指示について「特定の報道機関に関して警察から協力要請があれば応じるよう指示を受けた」と証言している。
さらに、公捜処は、情報司令部による中央選挙管理委員会関係者の逮捕部隊運用に関与したキム・ボンギュ、チョン・ソンウク、コ・ドンヒの各大佐についても、刑法上の内乱および職権乱用の容疑で捜査を継続している。
キム・ボンギュ、チョン・ソンウクの両大佐は、ノ・サンウォン前情報司令官の構想により、戒厳司令部合同捜査本部の下に設置される予定だった「第2捜査団」に名を連ねた人物だ。チョン大佐は、捜査機関の取り調べに先立ち、選挙管理委員会関係者の逮捕に向けた物資を準備していたことを「良心の告白」として明らかにした人物でもある。公捜処は、これらの捜査を終え次第、事件を国防省検察団に移送する。
また、検察と公捜処は、戒厳軍首脳部の指示に基づき、国会や選挙管理委員会への侵入および逮捕作戦に関与した現場指揮官らに対し、内乱罪を適用するかどうか慎重に検討している。
刑法第87条の内乱罪では、首謀者、謀議への参加者・指揮者・その他の重要任務従事者、そして「付和遂行者」(特定の主義・主張を持たず、他者の主張に従って行動した者)に分類し、それぞれ処罰する規定となっている。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News
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