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そんな時代もあったね? バブルの象徴的存在「国産高級セダン」5選

くるまのニュース / 2019年3月18日 6時10分

昭和の終わり頃、「シーマ現象」とも呼ばれ社会現象になるほど高級志向が高まり、クルマも高価な高性能サルーンが登場しました。そんな昭和から平成に移り変わる時代のセダンを紹介します。

■昭和の最後に起こった「シーマ現象」とライバル車

 昭和の終わり頃、バブル経済によって高級志向が高まりました。日産「シーマ」の売れ行きは“シーマ現象”とも呼ばれ社会現象となるほど。国産高級パーソナルサルーン人気に火を点けた日産「シーマ」と、そのライバル車たちを紹介します。

●日産初代「セドリック シーマ」「グロリア シーマ」FPY31型(1988年-1991年)

 1988年、青函トンネルの開業や東京ドーム開場などで「好景気」と日本人の誰もが思っていた頃、海外ではソウルオリンピック開催、イラン・イラク戦争停戦などさまざまな催しや記念毎が行われていました。

 日産は、高級セダン「セドリック」「グロリア」の上級仕様として、初代「セドリック シーマ」と「グロリア シーマ」(以降、シーマ)が発売。

 スタイルを重視した3ナンバー専用の4ドアピラーレスハードトップのボディーに、3リッターV型6気筒DOHCエンジンを搭載した「シーマ」は、NAモデルでも200ps、ターボモデルでは255psの高出力を誇りました。バブル景気や、1985年頃からの人々の中流意識の高まりから生まれた「ハイソカーブーム」の流れに乗って大ヒット作となるのです。

 全長4890mm×全幅1770mm×全高1380mmと、国産車離れした欧州車を思わせる流麗な外観を持つ、パーソナルオーナー向けの最高級4ドア車でありながら、ターボエンジン搭載車は車両重量1640kgのボディーに当時としては驚異的な加速を生み出します。

 日産「シーマ」のヒットによってトヨタ「ソアラ」、「クラウン」、「マークII」、ホンダ「レジェンド」など、他メーカーからも高級志向と高性能を兼ね備えたクルマたちが登場し、自動車市場は“シーマ現象”とも呼ばれました。

 なお、シーマはモデルチェンジを重ね、日産および海外のインフィニティブランドのフラッグシップモデルとしてハイブリッドシステムを備えた5代目「シーマ」を販売しています。

●トヨタ8代目「クラウン」S13x型(1987年 – 1991年)

8代目「クラウン」

 1955年の発売から、オーナードライバー向けの高級乗用車として代を重ねてきた「クラウン」は、時代の流れとともにボディーサイズや排気量を拡大。

 しかし、主力販売グレードは2リッターエンジン搭載車だったことから、5ナンバーサイズのボディーサイズに収められ、排気量の大きい3ナンバー車は前後のバンパーを大きくすることなどで外観上の差別化を図っていました。

 1987年に登場した8代目「クラウン」では、4ドアハードトップにドアやフェンダーまで専用部品となった3ナンバー専用の「ワイドボディー」をラインナップ。

 以前から、クラウンを嗜好する層が高級志向であったことや、一目で判る見た目の違いにより、3リッター直列6気筒DOHCエンジンを搭載する「ロイヤルサルーンG」が人気車種となります。

 1989年のマイナーチェンジでは、4リッターV型8気筒DOHCエンジンを搭載した「4000ロイヤルサルーンG」も追加され、後に登場する「セルシオ」や9代目「クラウン マジェスタ」に繋がる、トヨタの大排気量高級車路線を切り開きました。

■現在まで販売が続くロングセラーも

●トヨタ初代「セルシオ」XF10型(1989年-1994年)

トヨタ「セルシオ」

 トヨタ「セルシオ」は、1989年に登場したオーナードライバー向けの高級車です。オーナー自身は運転しないことが前提だった「センチュリー」と「クラウン」の中間に位置するクルマです。

 アメリカ市場を主要マーケットとして立ち上げた高級車ブランド「レクサス」の「LS」としても販売し、日産「シーマ」に対抗して「クラウン」では満足できないユーザーを獲得しました。

「クラウン」の4リッターエンジン車と同様に260psを発揮する4リッターV型8気筒DOHCエンジンを搭載し、全長4995mm×全幅1830mm×全高1410mmのボディーサイズ。驚くべきはその静音性で、高速道路を走行しても静かさゆえに速さを感じないほどです。

 2代目、3代目とモデルチェンジを行い、日本国内でのレクサスブランドの参入にともない、4代目からは「レクサス LS」として販売されています。

●ホンダ初代「レジェンド」KA1/2/3/4/5/6型 (1985年-1990年)

アキュラブランドで当時した「レジェンド(1987年)」

 ホンダ初の3ナンバー登録車となったフラッグシップカーである「レジェンド」は、アメリカ市場を主要マーケットとして立ち上げた高級車ブランド「Acura(アキュラ)」の車種として1985年にデビューしました。

「高級車」の開発経験がなかったホンダがイギリスの「ブリティッシュ・レイランド」社と共同開発したモデルで、当初は4ドアセダンのみでしたが、1987年に2.7リッターエンジンを搭載。ボディーサイズは全長4775mm×全幅1745mm×全高1370mmです。

 高級車であることを演出する天童木工製「本木目パネル」の使用についてもブリティッシュ・レイランドの指導を受け、トップグレードには100%ウールモケットシートを装備するなど、内外装ともにヨーロッパの品のいい上級4ドアセダンのように仕上がりを見せています。

「レジェンド」は、日本初となった運転席用SRSエアバッグの搭載やサイドドアビームなど、安全装備の面でも充実しました。

 2015年に登場した5代目となる現在の「レジェンド」は、システム最高出力382psを誇る3.5リッターV型6気筒直噴i-VTECエンジンと3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を搭載し、高級車としての道を歩み続けています。

●トヨタ初代「アリスト」 JZS14x型(1991年 – 1997年)

米国市場向けに登場したレクサス「GS300」

 1991年、「クラウン」のモデルチェンジ時に登場した上位車「クラウン マジェスタ」と同時に「アリスト」がデビューします。

「クラウン マジェスタ」と「アリスト」はシャーシが共通ながら、「クラウン マジェスタ」は3リッター直列6気筒DOHCエンジンと4リッターV型8気筒DOHCエンジンを搭載した、日本人の価値観における「高級車」だったのです。

 対して、「アリスト」は当時のトヨタ最速マシンだった「スープラ」と同じ280psを発揮する3リッター直列6気筒DOHCツインターボエンジン搭載グレードを用意。「アリスト」は国産最速セダンの名をほしいままにし、昭和の終わりから続いていた日産「シーマ」の人気を奪いました。

 1993年からはトヨタの高級車ブランド「レクサス」からも米国市場向けに「GS300」として登場、1997年に発売された2代目「アリスト」の米国版向けでV型8気筒エンジンを搭載する「GS400」がアメリカでレクサスの人気を不動のものにしていきます。2005年からは、国内でも「レクサス GS」として現在に至っています。

 近年、セダンの人気が落ちているといわれていますが、最近の調査では今回紹介した当時の高級セダンモデルの中古車に、若年層の注目が集まっているなど、いまなお心奪われるなにかがあるのかも知れません。

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