ランクル、サファリ、マービー…嗚呼懐かしのクロカン四駆5選
くるまのニュース / 2019年4月8日 6時10分
いまから20年以上前のことですが、日本でSUVが流行したことがありました。それはRVブームと呼ばれ、とくに高価なクロカン4WD車が大人気となります。そこで、RVブームのころに人気のあったSUV5車種をピックアップして紹介します。
■RVブームを牽引してきたクロカン四駆
近年、世界的に好調なセールスを続けているクルマといえばSUVです。ここ数年で国内外の各メーカーは、新たなSUVをラインナップしています。
日本でもSUVは、ミニバンやステーションワゴンからの乗り換え需要もあり、売れているクルマではありますが、いまから20年以上前にもSUVが売れていたことがあります。
それが1990年代のRVブームです。RVとはレクリエーショナル・ビークルのことで、レジャーやアウトドアを楽しむためのクルマという意味です。
このRVブームを牽引してきたのが、クロスカントリー4WD(以下、クロカン車)でした。
クロカン車は本格的な悪路も走れるヘビーデューティーなモデルで、日本ではほとんど性能を発揮する機会はありませんでしたが、若者を中心に人気を博しました。
そこで、RVブームのころに人気のあったSUV5車種をピックアップして紹介します。
●トヨタ「ランドクルーザー」
いつの時代もキングオブオフロードであり続けた「ランドクルーザー」
世界中で信頼性や走破性の高さから絶大な評価を得ているトヨタ「ランドクルーザー」は、60年以上もの歴史を持つ、日本を代表するクロカン車です。
なかでも現行最上級の200系モデルは、砂漠も走れるラグジュアリーカーとして、国内外で高い人気を誇っています。
そのランドクルーザー200系のふたつ前の80系が、まさにRVブームのころに販売されていたモデルでした。
1989年に発売されたランドクルーザー80系は5ドアのワゴンタイプのボディで、3列シート乗用車のワゴンと、2列シート商用車のバンがありました。
パワートレーンは年式、グレードで異なりますが、4リッターと4.5リッター直6ガソリンエンジンと、4.2リッター直6ディーゼルを搭載。トランスミッションは4ATと5MTが組み合わされ、当時はまだ駆動系の電子制御化は進んでおらず、悪路ではドライバーの腕が試されました。
なお、ランドクルーザー80系は北米では初代レクサス「LX」として販売された記念すべきモデルです。
●日産「サファリ」
消防車にも使われるほどタフなクルマだった「サファリ」
日産はトヨタ「ランドクルーザー」に対抗すべく、大型クロカン車「サファリ」を1980年から発売しました。
1987年には2代目にモデルチェンジし、RVブームで人気が上昇。ラインナップは2ドアのショートと、4ドアのロングがあり、初期は商用車のバンのみでしたが、乗用車のワゴンが追加されます。
エンジンは4.2リッター直6のディーゼルとガソリンを搭載(後に2.8リッターディーゼルが追加)。トランスミッションは4ATと5MTが組み合わされました。
丸みをおびてスマートな印象だったランドクルーザーに対して、サファリは直線基調なデザインでしたが、その無骨さが逆にかっこいいという評価もありました。
当時は同時期に「テラノ」と「ミストラル」というクロカン車もあり、いま思うと贅沢なラインナップです。
サファリは1997年にフルモデルチェンジを行ない3代目となりましたが、このモデルをもって日本での販売は終了してしまいました。
●マツダ「プロシードマービー」
マツダも硬派なクロカン車「プロシードマービー」をラインナップしていた
現在のマツダは「CXシリーズ」というSUVラインナップがありますが、どれもクロスオーバータイプのライトなSUVです。
しかし、マツダもかつてはクロカン車を販売していたことがあります。それが1991年に発売された「プロシードマービー」です。
プロシードマービーはピックアップトラックのプロシードのはしご型フレームに、ワゴンタイプのボディを載せた乗用車で、この手法は日産「テラノ」やトヨタ「ハイラックスサーフ」と同様でした。
ボディは3列シート7人乗りの3ナンバー専用とし、パワートレーンは2.6リッター直4ガソリンエンジンと2.5リッター直4ディーゼルエンジンを搭載。トランスミッションは4ATと5MTがあり、全車副変速2段のパートタイム4WDとなっていました。
サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン、リアがリーフリジッドとピックアップトラックによく採用された形式です。頑丈な作りとなっておりクロカン車には最適なサスペンションでした。
■軽自動車初のクロカン車とRVブームの火付け役
●スズキ「ジムニー」
いまよりも小ぶりで軽量な車体でクロカン車としても優秀だった「ジムニー」
軽自動車初のクロカン車として1970年に初代「ジムニー」は発売されました。
当初は360cc直3の2サイクルエンジンを搭載していましたが、軽自動車の規格が変更となり、550ccの2サイクルエンジンに。1981年発売の2代目も2サイクルエンジンを搭載していましたが、環境対応が厳しくなり1984年には全車4サイクルのターボとなりました。
さらに1990年に再度の軽自動車規格変更で、全車660ccに排気量アップされます。また、当初は商用車でしたが、後に乗用車に変更されます。
ボディ自体は550cc規格時代のまま(全幅は1395mm)だったので、決して快適な室内空間ではありませんでしたが、むしろ狭い林道や、オフロードコースでは重宝されました。
2代目ジムニーのデザインは現行モデルにも踏襲された直線基調なので、いまも高い人気を誇っています。
●三菱「パジェロ エボリューション」
迫力ある見た目だけでなく走りの性能も高かった「パジェロ エボリューション」
1980年代から90年代の三菱は、モータースポーツへ積極的に参加して、ブランドイメージを高めていました。とくに世界ラリー選手権(WRC)に「ランサーエボリューション」を投入して、パリ-ダカール・ラリーのような長距離ラリーでは「パジェロ」が活躍していました。
そのパジェロは1982年に初代がデビューし、1991年に2代目にフルモデルチェンジ。2代目パジェロはRVブームの火付け役ともいわれています。
ボディは3ドアのショートと5ドアロングの2種類で、ショートには後部座席部分と屋根がキャンバストップの「Jトップ」がありました。
このショートボディをベースに1997年「パジェロ エボリューション」を発売します。
エンジンは3.5リッターV6ガソリンで、280馬力を発揮。トランスミッションは5ATと5MTが選べました。
ボディも空力特性とオフロード性能の両立するように、大型フィン付リヤスポイラー、ステップ付サイドエアダムの採用や、車体の剛性アップ、アルミボンネットなどによる軽量化も図られていました。
ほかにも専用デザインのバンパーと、大きく張り出した前後フェンダーは「エボリューション」の名にふさわしい迫力を演出。
三菱はこのパジェロエボリューションをベースに1998年のパリ-ダカール・ラリーに参戦し、2位の成績を収めました。
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