あまり売れなかったけど実は名車!? もっと評価されても良かった車5選
くるまのニュース / 2020年5月17日 6時10分
これまで販売されたクルマのなかには、短命に終わったモデルやフルモデルチェンジせずに一代限りで消滅したモデルがあります。しかし、そうしたクルマはダメなモデルばかりではありません。そこで、もっと評価されても良かったと思えるクルマを5車種ピックアップして紹介します。
■再評価されても良いクルマを振り返る
これまで販売されたクルマのなかには、人気がなく短命だったモデルや、フルモデルチェンジせずに一代限りで消滅したモデルがあります。
しかし、そうしたクルマすべてが、ダメなクルマだったわけではありません。そこで、当時の評価は微妙だったけれど、いまなら評価されても良かったと思えるクルマを5車種ピックアップして紹介します。
●三菱「コルト ラリーアート バージョンR」
かなり作り込まれたホットモデルだった「コルト ラリーアート バージョンR」
かつて販売していた三菱のコンパクトカー「コルト」は2002年に発売された世界戦略車で、1.3リッターから1.5リッターエンジンを搭載する5ドアハッチバックです。
このコルトをベースに、当時、三菱のモータースポーツ活動を担っていた「ラリーアート」の名を冠したスポーツモデル、「コルト ラリーアート バージョンR」が、2006年に追加ラインナップしました。
外観は専用デザインの前後バンパーやオーバーフェンダー、リアスポイラーが装着されてスポーティに演出されています。
搭載されたエンジンは1.5リッター直列4気筒ターボで、最高出力154馬力を発揮。組み合わされるトランスミッションは5速MTとCVTが設定されていました。
シャシはスポット溶接の増し打ちと補強により、ねじり剛性をスタンダードモデルに対して約30%向上させ、足まわりも強化スプリングの装着やショックアブソーバーの減衰力を最適化することで、高い旋回性能を発揮。
このようにコルト ラリーアート バージョンRは、三菱の本気度が伺える内容のホットハッチでしたが、フルモデルチェンジすることなく2012年に生産を終了してしまいました。
●マツダ「ビアンテ」
ミニバンのなかでもかなりアグレッシブなデザインの「ビアンテ」
2008年に発売されたマツダ「ビアンテ」は、ライバルの人気に追随すべく「プレマシー」をベースに新開発されたミニバンです。
ビアンテ最大の特徴は、ヘッドライトからAピラーにつながる有機的なフロントフェイスのデザインで、全長4715mm×全幅1770mm×全高1835mm(2WD)の3ナンバー専用ボディにより、広い室内空間を実現。
内装では、2列目シートの足元に前後長863mmの広々としたスペースを確保して、開放感を高める「リビングモード」、2列目シートを左右に分割する「ウォークスルーモード」、そして荷物を満載に積み込むことができる「ラゲッジモード」など、多彩なシートアレンジが可能でした。
搭載されたエンジンは最高出力144馬力の2リッター直列4気筒直噴と、165馬力の2.3リッター直列4気筒の2種類を設定。
ビアンテはライバル車に対して決定的に劣る部分はありませんでしたが、マツダが2017年にミニバン市場から撤退すると宣言したため、同年にビアンテの生産を終了しました。
●日産「シルビア」
トレンドを追いかけたのが不評につながった「シルビア」
1988年に発売された日産5代目「シルビア」は、優れたデザインと手ごろな価格のFRスポーツとして大ヒットを記録しました。
この5代目のヒットを受けて1993年に登場した6代目では、当時のトレンドだった3ナンバーサイズにボディを拡大。
搭載されたエンジンは、トップブレードに最高出力220馬力を発揮する2リッター直列4気筒ターボが設定され、熟成されたサスペンションセッティングと相まって、5代目よりも走行性能が格段にアップしました。
しかし、精悍な印象だった5代目とくらべ、大型化して丸みを帯びた6代目の外観は不評で、販売台数が低迷。
1996年にフロントフェイスをシャープなデザインに変更しますが、販売の回復には至らず、1999年に7代目へとバトンタッチされました。
■出るのが早すぎた!? 不人気となってしまった2台のSUVとは
●スバル「インプレッサ グラベルEX」
意外とスタイリッシュな印象の「インプレッサ グラベルEX」
1992年に登場したスバル初代「インプレッサ」は、コンパクトなセダンとステーションワゴンをラインナップし、高性能な「インプレッサWRX」が話題となり、「レガシィ」に続いてヒット作になしました。
そして、1995年に「インプレッサスポーツワゴンWRX」をベースに、オフロードテイストを散りばめたクロスオーバーSUVの「インプレッサ グラベルEX(エックス)」を発売。
当時のRVブームで大ヒットしていた本格的なクロスカントリー4WD車をモチーフに、フロントにグリルガードが装着され、リアにはスペアタイヤを備え、最低地上高は185mmに上るなど、かなり手が加えられています。
また、WRXベースのためエンジンは220馬力を発揮する2リッター水平対向4気筒DOHCターボを搭載し、高い走行性能を誇っていました。
しかし、安直にRVを真似ただけではニーズがなく、販売が低迷したため、1996年のモデルチェンジで廃止となり、2010年に登場した「インプレッサXV」が実質的な後継車といえます。
●ホンダ「クロスロード」
スタイリッシュな3列シートのクロスオーバーSUV「クロスロード」
ホンダは初代「CR-V」が発売される以前、英国のローバーグループや、いすゞからOEM供給されたRVを販売しており、その1台がランドローバー「ディスカバリー」をベースとした初代「クロスロード」です。
1993年に発売された初代クロスロードは、3.9リッターV型8気筒エンジンを搭載した本格的なクロスカントリー4WD車ですが、人気が低迷したため1998年に販売を終了。
それから9年後の2007年に、2代目「ストリーム」をベースにしたクロスオーバーSUVとして、2代目クロスロードが発売されました。
2代目クロスロードは全長4285mm×全幅1755mm×全高1670mmと、比較的短い全長ながら広い室内だったことから、3列シート7人乗りを実現。
エンジンはストリームと同じ最高出力140馬力の1.8リッター直列4気筒もしくは150馬力の2リッターを搭載し、駆動方式はFFと4WDが設定されました。
スタイリッシュな外観で、手頃なサイズの7シーターSUVであるなど、いま思うと売れない要素は見当たらないのですが、販売が低迷したため2010年に生産を終了。出るのが早すぎたモデルだったのかもしれません。
※ ※ ※
自動車メーカーは新型車の発売スケジュールを、開発期間から逆算して数年前には決定しています。
もし、人気カテゴリーが一変してしまったり、社会情勢の変化があったら、出す時期を見誤ってしまうことになりかねません。
そうならないためにも、慎重にリサーチしたうえで新型車を企画し、時には開発の中止という判断をするケースもあります。
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