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車はデートの必需品!? バブル絶頂期に絶大な人気を誇った名車5選

くるまのニュース / 2020年6月29日 6時10分

国産車にとって1989年は、現在に続く名車が数多く登場した1年でした。昭和から平成へと移り替わっていくこの年の前後に登場したクルマには、どのようなモデルがあったのでしょうか。5台ピックアップして紹介します。

■バブル期のアウトドアブームをけん引した人気車

 1980年代から1990年初頭のバブル時代には、クルマは個人の価値観を表現する大切なパートナーでした。

 なかでも1989年前後は、現在のクルマに多大な影響を与えるコンセプトや性能を持った名車が一気に誕生した特別な年といわれています。

 バブル絶頂期に登場した名車を5台ピックアップして紹介します。

●トヨタ「ハイラックスサーフ」

 バブル期は、クルマで乗り付けられるオシャレなレストランやカフェが大流行し、いいクルマは女性にモテるためのマストアイテムでした。

 そして同じ頃、都会でオシャレなお店に行くのとは真逆のアウトドアブームも到来。クルマも本格四駆ではなく、カジュアルにアウトドアも楽しめるクロスカントリーモデルとして、トヨタ「ハイラックスサーフ」(2代目)が1989年に登場しました。

 ハイラックスサーフは、もとはピックアップトラックとしてアメリカ市場向けに誕生した「ハイラックス」です。

 取り外し可能なシェルボディを乗せた、初代ハイラックスサーフが1983年にデビュー。日本では1984年に4ナンバー(ライトバン扱い)でデビューしましたが、1986年には5ナンバーのワゴンが追加されています。

 1989年に登場した2代目ハイラックスは、初代より乗用車感覚のインテリアと、全長4470mm×全幅1690mm×全高1745mm(SSR リミテッド)と、街乗りに適したサイズでした。

 エンジンは、2リッターガソリンと2.4リッターディーゼル(商用車のバンは2.8リッターディーゼル)を搭載。当時はクロカンにガソリンエンジンを搭載しているモデルが少なく、ディーゼル特有のガラガラという音がしないクロカンとして大人気になりました。

 オフロードタイヤや張り出したオーバーフェンダー、少し高めの着座位置など、街乗りでもアウトドア感が満喫できるとあって、軟派な大学生やヤンエグ(ヤングエグゼクティブ)などからデートカーとして人気を獲得しました。

 直接のライバル関係にあった日産「テラノ」とともに、オフロードも走れる走行性能とオンロード性能や普段使いでの高い快適性を両立させた点で、現在のSUV人気の礎を築いたクルマと評価できる名車のひとつです。

●スバル「レガシィ/レガシィ ツーリングワゴン」(初代)

 1980年代のスバル(当時は富士重工業)は、他社との吸収合併や倒産まで噂されるほど危機的状況に陥ったことがありました。

 そんなスバル最大のピンチを救った大ヒットモデルが、1989年に登場した「レガシィ/レガシィ ツーリングワゴン」です。

 当時のスバルは、古い体質の組織を再編させると同時に、1966年から20年以上も改良しながら使い続けていた古いプラットフォームと決別。

 時代の要求をクリアするプラットフォームを新設計し、スバル伝統の水平対向エンジンと、乗用車「レオーネ」仕込みの4WD機構を組み合わせ、さらにウェッジシェイプ(くさび形)のスポーティなデザインでまとめた、初代レガシィ/レガシィツーリングワゴンが登場します。

 バブル期のスキーブームでは、オシャレで雪道に負けない走行性能の高いクルマが求められていたのも、レガシィ誕生には良いタイミングでした。

 米国・アリゾナ州フェニックスでおこなわれた10万km耐久走行テストでは、デビュー前のレガシィセダン「RS」が時速223.345kmもの平均速度を記録。世界記録を樹立するほど高性能であることを大々的にアピール。

 1.8リッターNAエンジンと、2リッターターボ(EJ20型)という2種類の水平対向エンジン、全長4600mm×全幅1690mm×全高1500mm(ツーリングワゴン GT)の5ナンバーサイズという、扱いやすさと経済性で大人気になります。

 スバルの経営危機を救った立役者として、まさにレガシィ(遺産)な存在となりました。

●スズキ「エスクード」(初代)

 バブル期のクーペやワゴンに並ぶ人気ジャンルに、クロスカントリーがありました。

 三菱「パジェロ」を筆頭とする本格的なオフローダーなど、個性的なクルマが多数ありましたが、現在のSUVのスタイルとサイズにもっとも近いのが、スズキ初代「エスクード」です。

 1970年から生産されている「ジムニー」は軽規格でありながら本格オフローダーとして、根強い人気があるなど、スズキはクロカンのノウハウを持っていたことから、当時ライバルが存在しなかった1.6リッタークラスに初代エスクードを投入しました。

 1988年のデビュー当時は、3ドアのコンバーチブルとハードトップの2車種のみ。実用性を考慮して開発された5ドア版の「ノマド」の登場は1990年になります。

 全長3560mm×全幅1635mm×全高1665mmのボディサイズから「ライトクロカン」とも呼ばれ、82馬力を発揮する1.6リッターガソリンエンジンを搭載し、駆動方式は4WDのみの設定でした。

 直線基調でスッキリしたデザインと乗用車感覚のインテリアを併せ持ち、本格的なオフロード性能を発揮しながらも、見た目のライト感と手頃な車両価格で大ヒットモデルになります。

 しかし、内装はアウトドアでも使いやすそうではあるけれど、全体にプラスチックのような内装で、女子ウケはイマイチでした。

 しかし2015年に登場した現行エスクード(4代目)まで一貫して扱いやすいライトクロカンのコンセプトは揺らぐことなく、その姿勢に惚れ込んだファンも多いクルマです。

■バブル期はスタイリッシュなクーペがモテ車だった

●ホンダ「プレリュード」(3代目)

 バブル真っ盛りの1989年は、クルマは実用性より見た目重視で、ほかのクルマに負けないセールスポイントがあれば売れた時代。クルマはデートの必需品で、スタイリッシュな2ドアクーペが大人気でした。

ホンダ3代目「プレリュード」ホンダ3代目「プレリュード」

 そんななか「スペシャリティカー」と呼ばれるジャンルが大流行します。その代表格ともいえるのがホンダ「プレリュード」(3代目)です。

 ライバルの日産「シルビア」がターボエンジン搭載のFRで走りの良さもアピールしていたのに対し、プレリュードは大人なクーペの立ち位置でした。

 全長4520mm×全幅1695mm×全高1295mmという低くスマートなルックスで、当時全盛だったリトラクタブルヘッドライトやフェラーリより低いと噂されたボンネットなど、洗練されたデザインが人気でした。

 当時は珍しかったサンルーフを装着した白いプレリュードなどは、女性から「デートで誘ってほしいクルマ」ナンバー1といわれたものです。

 エンジンは2リッターのNAエンジンのみ。量産乗用車としては世界初となる「機械式4WS」を採用していました。

 その後、バブル崩壊前に4代目へとフルモデルチェンジしますが、肉厚でマッチョなボディラインを採用したスポーツクーペに変遷。

 しかし、そのあとすぐにバブルが弾けてクーペブームも終焉すると、プレリュードは1996年に3代目と同様のスマートなクーペ路線へと回帰した5代目が発売されましたが、人気は再熱せず2001年で生産が終了してしまいました。

●日産「プリメーラ」(初代)

 1980年代の日産は、クルマは豪華さにこだわり、運転の本質である走りや操作感といった部分での質が足りないと評価されていました。

 そこで日産は「901運動」というキャッチフレーズを掲げ、「1990年代には世界一のハンドリングを実現させる」と明言。走りの質を高める技術の開発を進めます。

 そんな経緯を踏まえて、FFでもしっかりした乗り心地と優れたハンドリングを併せ持つセダンを開発。「プリメーラ X」の名前で1989年のモーターショーで発表され、高評価を獲得しました。

 当時、中型セダンは欧州生まれの輸入車が人気を集めていましたが、その人気輸入車に対抗できるような国産セダンはあまりなかったのです。

 そんななか、1990年2月にデビューしたプリメーラは、優れたパッケージングと空力にも優れた全長4400mm×全幅1695mm×全高1385mmの比較的コンパクトなサイズで登場。

 さらに、新開発されたマルチリンクサスペンションによって、「欧州車のハンドリングを超えた」とまでいわれ、日本だけでなく欧州からも高い評価を得ました。

 プリメーラの戦略で正解だったのは、1.8リッターと2リッターのSR型エンジンのみの搭載で、ターボの設定がなかったことです。

 ハイパワー競争には参加せず、ハンドリングの良さで勝負をかけ、デザインやパッケージングの良さも相まって、ファミリーユースにプラスαを求める層から絶大な支持を集めました。

 プリメーラの高い質感の走りを実現させたマルチリンクサスペンションは、スカイラインGT-R(R32型)にも搭載された「アテーサET-S」や「Super HICAS」などとならび、「技術の日産」のイメージを印象付けるのに、大きく貢献しました。

※ ※ ※

 1989年といえば、昭和から平成への過渡期でした。クルマの技術的にもまだまだ「伸びしろ」があり、だからこそ新機能を盛り込んだニューモデルに、クルマ好きは一喜一憂したものです。

 最近では「ネオクラシック」として、1980年代から1990年代のクルマが再評価されており、当時のクルマの魅力は色あせていないようです。

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