本当に必要? SUVの3列目シート 居住性で劣るも3列シートSUVが選ばれるワケとは
くるまのニュース / 2020年12月6日 10時10分
多人数乗車できるクルマの定番としてミニバンがよく知られていますが、それ以外の選択肢として、3列目シートを備えたSUV(3列シートSUV)があります。3列目シートの乗降性や居住性ではミニバンに劣るケースが多いですが、3列シートSUVがラインナップされる理由とはいったい何なのでしょうか。
■3列シートSUV どんなところが魅力?
近年、世界的に人気が高まっているSUVですが、ある程度大きいボディを持つSUVのなかには、荷室部分に格納式シートを配した3列シート仕様を設定しているモデルも存在します。
多人数乗車ができるクルマとして3列シートSUVのほかにミニバンが存在しますが、ミニバンではなく3列シートSUVを選ぶユーザーは、どこに魅力を感じて選んでいるのでしょうか。
2020年12月現在、国産自動車メーカーでラインナップされている3列シートSUVとしては、トヨタは「ランドクルーザー」「ランドクルーザープラド」、日産は「エクストレイル」、ホンダは「CR-V」、マツダは「CX-8」が挙げられます。
このなかで、CX-8以外は2列・5人乗り仕様を設定しており、仕様にあわせて2列・5人乗り仕様と3列仕様を選択するかたちです。
なお、もっとも乗車定員が多いのは2+3+3のシート配置で8名乗車が可能なランドクルーザーで、ほかのクルマは2+3+2の7名か、2+2+2の6名乗車となります。
3列シートSUVとミニバンを比較したとき、大きく異なるのが3列目シートの乗降性と居住性です。
2020年12月現在、国産ミニバンで後席ドアにヒンジ式ドアを採用しているのはトヨタ「プリウスα」(7人乗り仕様)のみですが、2021年3月末で生産終了することが2020年12月1日に発表されたことから、国産ミニバンは今後すべて後席両側スライドドアを装備したクルマのみになります。
後席両側スライドドアを採用すると、隣のクルマにドアをぶつける心配が無くなるだけでなく、3列目シートへの乗降性が大きく改善されることから、近年のミニバンでは定番装備化していました。
しかし3列シートSUVは後席ドアにヒンジ式が採用されていることから、ミニバンと比べて3列シートに乗り込みやすいとはいえず、多人数乗車ができるクルマとしては弱点といえるでしょう。また、室内高もミニバンほど稼げず、居住性もミニバンを超えることは難しいです。
それでは、3列シートSUVを選択するユーザーはどこに魅力を感じて購入しているのでしょうか。トヨタの販売店スタッフに聞いたところ、次のように話します。
「弊社で扱う3列シートSUVについて、ミニバンの箱型ボディを避け、『デザインをはじめクルマとしての魅力があるので、あえてSUV』というお客様にご好評いただいている印象です。小さいお子さまを持つ家族の方に検討いただくことも多い印象です。
ただ2列仕様と3列仕様を比較したとき、3列仕様の方が5名乗車時の荷室容量が小さい場合があるなどの違いもあるので、2列仕様にもメリットはあります」
■3列シートSUVを廃止したメーカーも
また、2018年にミニバン市場から撤退したマツダの場合、CX-8はファミリー層への受け皿という面もあります。
CX-8の発表時にマツダは、「CX-8は、マツダらしい走りやデザイン・質感を備えながら、3列目まで大人がしっかり座れるパッケージングを実現した新型クロスオーバーSUVであり、多人数乗車とともに上質さをお求めになるお客さまへ向けた、マツダの新しい提案です」と説明。
マツダ「CX-8」(3列シート仕様)
マツダSUVのフラッグシップモデルとして、マツダらしさを表現しながら多人数乗車を可能としたCX-8は、独自のポジションを築いているといえます。
※ ※ ※
一方、3列シートSUV市場では新たな動きも出てきています。
三菱は2020年秋にガソリン仕様の「アウトランダー」を生産終了したと発表しました。
アウトランダーはそれまで3列・7人乗りのガソリン仕様と2列・5人乗りのプラグインハイブリッド仕様のふたつがありましたが、プラグインハイブリッド仕様に1本化されたことで、三菱から3列シートSUVが消滅したことになります。
同社の車種ラインナップのなかでも貴重な多人数乗車可能な車種でしたが、現在販売店ではどのように案内しているのでしょうか。三菱の販売店スタッフは次のように話します。
「3列目シートを持つガソリン仕様のアウトランダーはなくなってしまいましたが、いまは『デリカD:5』を案内しています。SUVの3列目シートは、どうしても居住性が高くない傾向にあるので、3列目シートを頻繁に使うファミリーの方ならデリカD:5の方が快適に過ごせると思います」
デリカD:5の現行モデル(5代目)は2007年に登場。三菱唯一のミニバンで、2019年にはビッグマイナーチェンジを受けています。
特徴は“SUVミニバン”とも呼ばれる高い悪路走破性で、全車4WDを採用。
また最大トルク380Nmを発揮する2.4リッターディーゼルターボエンジンが全車に搭載されているのも特徴です。ちなみに、国産3列シートSUVでほかにディーゼル仕様を設定しているクルマとしては、ランドクルーザープラドとCX-8があります。
※ ※ ※
ファミリーカーの素質も持ちながら、SUVらしさやアウトドア感を感じられる前述のクルマたちは、クルマ選びにこだわりを持っている人々に支持されているといえるでしょう。
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