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超高回転の咆哮こそホンダエンジンの真骨頂! VTECを搭載したスポーツモデル5選

くるまのニュース / 2021年1月21日 6時10分

現在、高性能車ではターボエンジンが主流ですが、かつては高回転まで回る自然吸気エンジンを、各メーカーがこぞって開発していた頃があります。そんな高性能自然吸気エンジンの頂点に立っていたのが、ホンダのVTECエンジンです。そこで、VTECエンジンを搭載したホンダ車のなかでも、とくに印象に残るモデル5車種をピックアップして紹介します。

■かつてホンダ車の真骨頂だった高回転エンジンの咆哮

 国産車の性能向上は1980年代に一気に進みましたが、その立役者になったのがターボとDOHCエンジンの普及です。どちらも決して新しい技術ではありませんが、市販エンジンに普及したのがちょうど1980年代で、メーカー間の馬力競争が勃発したことで次々と高性能車が登場しました。

 現在、高性能車ではターボエンジンが主流ですが、かつては高回転・高出力を目指した自然吸気エンジンも数多く存在し、各メーカーがこぞって開発をおこなっていました。

 この高回転・高出力な自然吸気エンジンの頂点に立っていたのが、ホンダのVTECエンジンです。

 VTECとは「Variable valve Timing and lift Electronic Control system」の略で、「電子制御式可変バルブタイミング・リフト」と訳され、エンジン性能を司るバルブ開閉機構を可変制御するというものです。

 そもそも高回転型の自然吸気エンジンは、高回転域のトルクを稼ぐために低回転域のトルクが犠牲にならざるを得ないというのが、エンジン開発のジレンマでした。

 レーシングカーのように常に高回転域を維持できれば、低回転域のトルクが犠牲なっても構いませんが、発進停止を繰り返す市販車ではドライバビリティが悪化してしまいます。

 そんな相反する性能を両立したのがVTECで、可変バブル機構によって低回転域のトルクを犠牲にすることなく、高回転域のトルクを確保するというものでした。

 ホンダのVTECエンジンは自然吸気エンジンの頂点に君臨し、いまでは伝説的となった高性能モデルに搭載されてきました。

 そこで、VTECエンジンを搭載したホンダ車のなかでも、とくに印象に残るモデル5車種をピックアップして紹介します。

●ホンダ「インテグラ タイプR」

FFスポーツカーの地位を不動のものにした初代「インテグラ タイプR」FFスポーツカーの地位を不動のものにした初代「インテグラ タイプR」

 ホンダ「インテグラ」は、1985年から2007年まで4代にわたって発売されたホンダのスポーティモデルです。そして1989年にVTECエンジンを初めて搭載したのもインテグラでした。

 今回取り上げる1993年に登場した3代目モデルでは、ハッチバックタイプのクーペとセダンの2タイプが存在し、発売当初は丸目4灯式のフロントデザインが個性的すぎたためか、販売は好調とはいえませんでした。

 そこで、1995年のマイナーチェンジでヘッドライトをオーソドックスな横長形状に変更。同じタイミングでインテグラでは初となる高性能モデルの「タイプR」グレードを、クーペとセダン両方に設定したところ、これがカンフル剤となって一躍人気車種となりました。

 タイプRは1992年にスーパースポーツカーの「NSX」に設定され、標準状態でメーカーがチューニング済みというスポーツ性能を大幅に高めたグレードで、そのままサーキットに持ち込んでの走行が可能という触れ込みが話題でした。

 インテグラ タイプRではピストンやシャフト、吸排気系までエンジン内部の多岐にわたって手が加えられており、1.8リッターでありながら驚異的な200馬力という高出力を達成しています。

 またエンジンのみならず車体にも徹底的にチューニングと軽量化が施され、さらにレカロ社製のバケットシートや迫力のある大型リアスポイラーなども装備し、内外装もエンジン性能にふさわしいモデファイがおこなわれました。

 こうしてインテグラ タイプRは一躍FFスポーツカーの頂点に登りつめ、ここからタイプRシリーズが普及する流れを作りました。

●ホンダ「シビック タイプR」

高性能なタイプRを身近なものにした初代「シビック タイプR」高性能なタイプRを身近なものにした初代「シビック タイプR」

 1972年に発売された初代「シビック」は、ホンダの新時代を担う大衆車としてデビューしました。

 その後、3代目からDOHCエンジンを搭載すると、シビック=スポーツコンパクトカーというイメージが定着し、1995年に登場した6代目では、インテグラ タイプRに続くタイプR第3弾として「シビック タイプR」が設定されます。

 シビック タイプRは1.6リッターVTECエンジンを搭載し、最高出力185馬力を8200rpmという量産車として類まれな高回転で実現。

 1トン強の車体には充分過ぎるパワーでしたが、VTECエンジンならではの低回転域のトルクも確保されており、乗りにくさはありませんでした。しかし、サーキット走行を前提にした足まわりは街乗りではかなり厳しい乗り心地でした。

 内外装も「タイプR」専用のパーツを採用し、エアロパーツやホイール、レカロ製シート、チタン製シフトノブなど、個々のパーツも走りに相応しいものを装備。

 この初代シビック タイプRはシリーズ最初で最後の1.6リッターエンジン搭載車ということで、いまも人気があり、法外ともいえる価格で取り引きされています。

 現行モデルで唯一となっているシビック タイプRは5代目にあたり、「FF世界最速」を開発コンセプトに掲げて登場。

 2リッターのVTECターボエンジンは最高出力320馬力を誇り、運動性能も非常に高くなっていますが、走行モードの切り替えによってコンフォートな走りと乗り心地を可能にした、まさに調和の取れた超高性能車です。

●ホンダ「S2000」

究極のFRオープンスポーツカーとして開発された「S2000」究極のFRオープンスポーツカーとして開発された「S2000」

 ホンダは1948年に創立された比較的新興の企業で、1999年に創立50周年を記念した事業のひとつとして発売されたのが、高性能なオープンスポーツカーの「S2000」です。

 S2000の駆動方式は1970年に生産を終えた「S800」以来となるFRを採用。これに2リッターながら8300回転で250馬力を絞り出す、S2000専用に開発された超高回転型VTECエンジンを搭載し、加えてトランスミッションは6速MTのみとされるなど、同車の開発にあたる気合の入れようは並大抵のものではありませんでした。

 もはや市販車というよりレーシングカーの領域に到達したS2000ですが、VTECの搭載があったにせよ、神経質な運転フィーリングが色濃い部分がありました。

 そこで、モデル中盤となる2005年のマイナーチェンジでは、エンジンの排気量を2.2リッターに変更。より低回転域でのトルクを厚くして使い勝手を向上させましたが、最高出力と許容回転数が下がってしまったため、この変更については当時賛否両論が湧き起こることになります。

 発売から10年を迎えた2009年にS2000は惜しまれつつ販売終了してしまいましたが、S2000のような個性の尖ったモデルは他に類がなかったため、販売終了後にじわじわと人気が再燃。

 そして、発売から20年を記念した2020年6月には、サスペンションパーツや、新たにデザインされた外装パーツが、ホンダアクセスから発売されて、再び注目されました。

■違いがわかるオトナのための高性能モデル2車種とは

●ホンダ「プレリュード タイプS」

原点回帰してエレガントなスペシャリティカーへと変貌した「プレリュード タイプS」原点回帰してエレガントなスペシャリティカーへと変貌した「プレリュード タイプS」

 ホンダ「プレリュード」は、かつてホンダが販売していたノッチバックタイプのクーペです。1978年に発売された初代モデルは、国産車として初めて電動サンルーフを標準装備(グレードにより設定)したという、ホンダらしいチャレンジングなクルマでした。

 そんなプレリュードの最終型となる5代目は1996年に発売。先代の4代目がスポーティさを強調する若々しいものであったのに対し、5代目モデルの姿は一変して落ち着きや上質感を漂わせるデザインとなり、かつてデートカーとして人気を博した3代目に原点回帰したようなスタイリングとなりました。

 この5代目の最上位グレード「タイプS」に搭載されていたエンジンは、2.2リッターの直列4気筒VTECエンジンです。

 見た目でも気持ちを高揚させる赤いヘッドカバーを装備しエンジンは、リッターあたり100馬力となる220馬力の出力を発揮。タイプRほどハードなチューニングではありませんが、高回転時に奏でる甲高いエンジンの咆哮は健在でした。

 さらにシャシまわりでもATTS(アクティブ・トルク・トランスファー・システム)という、左右の駆動力を自動で配分する機能を装備することで、FFでありながら高い旋回力も誇っていました。この駆動力を制御して旋回力を上げるというシステムは、後に同社の高級セダン「レジェンド」のSH-AWDに生かされていきます。

 クーペ人気の低迷により、スペシャリティカーとして名を馳せたプレリュードの歴史もこの5代目をもって幕を下ろしました。しかし、このタイプSに搭載されたエンジンや、落ち着いた雰囲気のデザインなど、いま一度再評価されるべきモデルといえるのではないでしょうか。

●ホンダ「アコード/トルネオ ユーロR」

高性能ながら使い勝手も良好なスポーツセダンに仕立てられた初代「アコード ユーロR」高性能ながら使い勝手も良好なスポーツセダンに仕立てられた初代「アコード ユーロR」

 ホンダ「アコード ユーロR」と「トルネオ ユーロR」は、前述の「プレリュード タイプS」にも採用された220馬力の2.2リッターエンジンと5速MTを中型のファミリーセダンである「アコード」と「トルネオ」に搭載したスポーツセダンです。

 この両車は姉妹車であり、その違いは基本的に外観にとどまっており、グリルやヘッドライト、テールライトの形状を除いて、性能自体はまったく変わりありません。

「ユーロR」は「タイプR」のようにサーキットを目的とするモデルではなく、あくまでも公道での走行において、刺激的かつ楽しめるというコンセプトで、日常での使い勝手も重視されるなどすべての面で高次元にバランスのとれたスポーティグレードです。

 アコード/トルネオ ユーロRともに人気を獲得しましたが、2002年のモデルチェンジの際に車種整理がおこなわれ、アコードに統合されることになりました。

 この次期モデルとなった7代目アコードにもユーロRが設定され、車体が大きくなったのに反して、ダウンサイジングされた新世代の2リッターエンジンを搭載。

 トルクフルな2.2リッターエンジンか、より高回転化を実現した2リッターエンジンか、甲乙つけがたい魅力がありましたが、さらに次の世代である8代目アコード以降はユーロRが設定されず、高性能モデルは消滅してしまいました。

※ ※ ※

 近年、ターボエンジンの性能向上は目覚ましいものがあり、かつて若者が乗って走りまわっていたシビック タイプRも、現在では世界の名だたる高性能車を相手にする、高額なモデルとなってしまいました。

 誇らしくもあり寂しくもありますが、ターボとなったVTECエンジンでも爽快感や運転の楽しさは不変です。

 VTECのスポーツ性を未体感 の人はいきなり最新モデルといかずとも、まだ価格高騰が顕著ではないアコード ユーロRなどの良質な車両を探して、体感 してみるのも良いのではないでしょうか。

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