たった数千円で旧車のミュージック環境を整える! FMトランスミッターは意外と使える
くるまのニュース / 2021年2月6日 17時10分
快適なサンマルライフを送るには、クルマの機関系が好調であることはもちろんのこと、オーディオやナビなどの環境も整えることが必要。そこで、E30M3でこれまでに試してきたオーディオ&ナビ環境をレポートしよう。
■試しに買ったら意外と使えたFMトランスミッター
1980年代だけでなく、1970年代から1990年代のクラシックカーとまではいかない、ちょっと古いクルマのオーナーに向けて、E30M3で試してきたオーディオとナビの変遷を紹介しよう。これからこの時代のクルマを購入する際、もっとも予算をかけずにお手軽に、そして純正のよさをキープするのに役立つ情報である。
2020年4月にポルシェからリリースされた、「PCCM(ポルシェ・クラシック・コミュニケーション・マネージメント)」のニュースは、ポルシェ以外のネオクラシックカーのオーナーには羨望を持って受け入れられたに違いない。かくいう私も、1DINなら当時の欧州車ならたいてい同じ規格なので、サンマルにもインストールできるのではないかと考えたくらいだ。
しかし、ここはやはり純正にこだわりたいので、BMWが出しているのならいざ知らず、ポルシェのパーツを組み込むのは見送ることにした。
さて、これまでE30M3では、2つのインダッシュナビを装着して使っていたが、さすがに地図情報が古くなってしまって使い勝手が悪くなったということもあり、オーディオも純正に戻そうという気分になったのである。
しかし、当時の純正ヘッドユニットはカセット。わが家にはカセットテープはすでに1本も残っていない。そこで考えたのが、煩わしい作業がなく、E30M3を一切加工しないで、普段聴いている楽曲を車内でも楽しめるというものだ。
ミュージックソースは、iPodを使用。ちょっと古いタイプのiPodだが、車内で操作するにはこれくらいのサイズの方がベストであったりする。
このiPodをFMトランスミッターとペアリングして、純正ヘッドユニットでFM受信して楽曲を聴く、という簡単な方法である。
●FMトランスミッターを使ってみる
最近のFMトランスミッターは性能も良く、iPodのサウンドでもまったく問題なし。私が選んだトランスミッターは、ブラックが基調色となっており、オレンジが差し色になっている。デジタル表示もオレンジ系の色。アンバーの照明色であるBMWにぴったりの組み合わせだ。カーボンっぽいあしらいも、スポーティな雰囲気でそれも気に入っている。
しかも、この時代のシガーソケットにもしっかりささるという点が、素晴らしい。
ただひとつ問題は、ラジオを聴こうとすると、このFMトランスミッターの電波が強力すぎて、まともにラジオを聴くことができないという点だ。しかし、ラジオを聴くときは、シガーソケットからFMトランスミッターを外せば大丈夫である。
USBソケットはふたつ付いているので、ミュージック用のiPodと、それにiPhoneの充電に使用することができる。USBメモリーに楽曲データを入れておけばそれから音楽を聴くこともできるが、iPodのような検索能力のない点がマイナス要因である。
では、ナビはどうしているのかといえば、iPhoneのナビアプリを使用することにしている。ここで問題になるのが、iPhoneをどのようにして固定するかである。
インテリアを加工したり、粘着性のもので固定したりするのはNG。今後、純正のインテリアパーツも手に入りにくくなるので、オリジナルにすぐに戻せるようにすることが肝心なのだ。
そこで、エアコン吹き出し口に差し込むタイプのマグネット式ステーを使用することにした。これならば、加工も一切必要なく、簡単に取り外すことも可能だ。
こうして、純正ヘッドユニットを使用してのナビ・オーディオ環境がひとまず整った。この組み合わせですでに2年間使用して、不満はない。あるとすれば、純正ヘッドユニットかスピーカーの調子が悪いようで、助手席側のスピーカーから音が出ないことがあることだ。
余談になるが、使っているFMトランスミッターは、iPhoneと繋いでおけばハンズフリーで会話することも可能。そもそもクルマを運転中にハンズフリーで誰かと話すことがないので使ったことがない機能なのだが、知り合いが運転するクルマの助手席に乗っているとき、ストレスなくハンズフリーで会話していたので、なるほど便利だなぁ、と思った次第である。
ちなみに、2年前にアメリカ・グランドサークルぐるっと一周弾丸ツアーの取材の時も、レンタカーのBMW X3にこのFMトランスミッターとiPhoneステーを持ち込み、iPodで好きな邦楽を聴きながら、iPhoneのGoogleマップ(日本語表記)を頼りに、道に迷うことなく旅することができたのであった。
■社外ナビで格闘した歴史を紹介
E30M3のヘッドユニットは1DIN。このスペースにモニターが開閉するナビを装着するところから、社外ナビの変遷は始まった。ダッシュボードに別体となるモニターを貼り付けるだけは、NGであった。
車内で操作しやすいように、ちょっと古いタイプのiPodに音楽データを入れて使っているが、もちろんスマートフォンをBluetoothで繋いでもよい
最初のインダッシュナビは、パナソニックのストラーダをチョイス。HDD本体はグローブボックスに収納してインストールした。イルミネーションカラーはブルーが基調だったが、そこは我慢。ナビ画面を収納しても、ちょっとセンターコンソールで浮いてしまっていたのも我慢。
そして次にセットしたのがエクリプスだ。これは1DINサイズでHDD本体からすべてオールインワンの優れものだった。そのため、グローブボックスのスペースを再び使うことができるようになった。
イルミネーションはアンバーではなくレッドであったが、それでもE30M3の照明と同系色になったので違和感は解消された。ただし、ナビ本体がかなり飛び出してしまった。
ところで、これらのインダッシュナビをセットする際に邪魔になるのが、ワイパーレバーである。画面がせり出す際に、ワイパーレバーと画面が干渉してしまうのである。
そこで、ワイパーレバーをショート化することで対応。ウインカーと違って、ワイパーは頻繁に使うものでもないので、まったく不都合はなかったのだが、純正オーディオに戻した際に、ワイパーレバーももとの長さに戻している。
ストラーダにしてもエクリプスにしても、ナビの問題は高速道路がアップデートしないことにあった。都内なら首都高速C2、横浜に近いところでは外環自動車道、それに新東名……、古いナビだったため、まったく使い物にならなかったのである。
Googleマップを始めとするナビアプリならば、そうした不都合は一切ない。前述しているが、海外のレンタカーでも日本語で検索できるので、非常に便利だ。
ところで、E60あたりからのiDrive装着のBMWは、ナビをどうするか本当に悩みどころだと思う。80年代のBMWはその点、むしろシンプルな故に、いまとなっては多くを望まないところがいいのかもしれない。
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