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50年前に登場した名車に迷車とは? 2021年が50周年の車5選

くるまのニュース / 2021年3月20日 6時10分

日本の自動車製造は100年以上の歴史がありますが、近代的な量産体制が整ったのは第二次世界大戦後で、現在まで数多くのクルマが誕生してきました。そこで、2021年に誕生50周年という大きな節目を迎えるクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

■数々の名車だけでなく迷車も誕生した50年前を振り返る

 日本で本格的な自動車製造が始まったのは大正時代で、すでに100年以上もの長い歴史があります。

 一方、近代的な量産体制が整ったのは第二次世界大戦後で、ホンダやスズキ、スバルなど新興の自動車メーカーが誕生しました。

 現在まで国産メーカー各社から膨大な数のクルマが発売されましたが、今から半世紀前にはどんなクルマが登場したのでしょうか。

 そこで、2021年に50周年という大きな節目を迎えるクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ4代目「クラウン」

前衛的すぎるデザインで販売は低迷してしまった4代目「クラウン」前衛的すぎるデザインで販売は低迷してしまった4代目「クラウン」

 1955年に発売されたトヨタ初代「クラウン(トヨペットクラウン)」は、誕生した時点から高級車として歩み始めました。

 その後代を重ね、1971年に4代目が登場。それまでの国産高級車とは一線を画する斬新なデザインのボディは、賛否を呼んだほどインパクトがあったといわれています。

 外観は3代目から一転して曲面のパネルで構成されたフォルムで、それまでメッキが当たり前だったバンパーをボディ同色とするなど、当時としてはかなり先進的でした。

 ボディタイプは4ドアセダンのほかに、2ドアハードトップ、ステーションワゴン、ライトバンを設定。トップグレードにはシリーズ初の2.6リッター直列6気筒エンジンを搭載するなど、高級車としての存在感を主張。

 また、現在はすべてのクルマが搭載する電子制御燃料噴射装置が装着されるとともに、電動リクライニングシート、アイドリングストップ機能など当時の最先端技術が惜しみなく投入されています。

 しかし、4代目の前衛的なデザインは保守的なユーザーから敬遠されてしまい、販売は低迷。後に「クラウン史上最大の失敗」という烙印が押されたほどです。

 結果、4代目の発売からわずか3年後の1974年に、直線基調で重厚感のあるデザインに一新された5代目を発売し、販売台数は回復。

 4代目クラウンは見た目から「クジラクラウン」の愛称で呼ばれ、現在は歴代クラウンのなかでも高い人気を誇っています。

●日産「ブルーバードU」

「サメブル」の愛称で親しまれた「ブルーバードU 2000GTX」「サメブル」の愛称で親しまれた「ブルーバードU 2000GTX」

 すでに日産のラインナップから消滅してしまった「ブルーバード」は、1959年に初代が誕生しました。それまで前時代的だった日産車から一転して、一気にモダンなクルマへと変貌を遂げた記念すべきモデルです。

 1967年に登場した3代目はアメリカでの販売が大成功を収め、日産の世界進出への足がかりとなったほどです。

 そして1971年に、4代目が登場。車名も「ブルーバードU」に改められ、デザインも3代目のボクシーなスタイルから、流麗なフォルムへと一新されました。

 このブルーバードUは搭載するエンジンによって大きくふたつのラインナップに分かれ、ひとつは2リッター直列6気筒SOHC「L型」エンジンの「2000GT」シリーズで、もうひとつが1.6リッターと1.8リッター直列4気筒SOHCのL型エンジンを搭載するシリーズです。

 全体的なフォルムは共通ですが、ボンネット長などボディサイズが異なり、フロントフェイスも4気筒モデルが比較的オーソドックスなデザインに対して、6気筒モデルはアグレッシブなデザインを採用。

 この6気筒モデルはフロントまわりの意匠から「サメブル」の愛称で呼ばれました。

 その後、1976年に5代目が登場しましたが、保守的かつ重厚感のあるデザインに一新され、4代目は歴代ブルーバードのなかでも、かなり異端な存在となっています。

●スバル初代「レオーネ」

乗用車4WDの元祖となった初代「レオーネ」乗用車4WDの元祖となった初代「レオーネ」

 現在、スバルが提唱する水平対向エンジンと4WDシステムを組み合わせた「シンメトリカルAWD」の源流は、1971年に東北電力の巡回用に僅かな台数が生産された「ff-1・1300Gバン4WD」です。

 そして、ff-1の技術を昇華させ、同年に発売されたのが初代「レオーネ」です。ボディタイプは2ドアクーペ、セダン、ライトバンが設定されました。

 いまも名車と呼ばれる「スバル1000」の後継車というポジションで、発売当初は1.1リッターと1.4リッター水平対向4気筒OHVエンジンを搭載し、後に最大1.6リッターまで排気量が拡大されました。

 駆動方式は2WDのFFのみでデビューしましたが、1972年にはライトバンに4WDが加わり、1975年にはセダンにも4WDが設定され4WD乗用車の先駆けとなり、いわゆる「生活四駆」の元祖といえるモデルです。

 その後、レオーネは1984年に3代目が登場しましたが、前時代的なOHVエンジンが残されるなどライバルに大きく遅れを取り、スバルの経営状況も厳しくなりましたが、1989年に初代「レガシィ」が登場したことで回復。

 レオーネは一部のモデルがレガシィと併売され、1992年に歴史に幕を閉じました。

■短命だった軽自動車と若者を虜にしたスポーツモデル

●ホンダ初代「ライフ」

「シビック」の生産に注力することで短命に終わってしまった初代「ライフ」「シビック」の生産に注力することで短命に終わってしまった初代「ライフ」

 ホンダは軽自動車でありながら広い室内空間と高性能なエンジン、低価格によって大ヒットを記録した「N360」シリーズの後継車として、1971年に初代「ライフ」を発売しました。

 360cc直列2気筒空冷エンジンだったN360から、水冷エンジンにスイッチしたことが大きな特徴で、エンジンの騒音が抑えられ、ヒーターの性能も良くなるなど人気を博します。

 ボディは丸みを帯びたフォルムの2BOXスタイルで、1972年に発売された初代「シビック」に通じるデザインとなっています。

 ボディタイプは当初4ドアのみでしたが、追って3ドアハッチバックの商用バンとワゴンを追加ラインナップ。

 前述の水冷エンジンはバランサーシャフトを装備して振動を低減し、最高出力は31馬力(グロス、以下同様)を発揮。1972年にはツインキャブを装着して36馬力までチューンナップされた、2ドアの「ツーリング」シリーズが登場しました。

 駆動方式は全車FFで、トランスミッションは4速MTと3速ATに加え、ツーリングのGSグレードは5速MTが奢られました。

 また、ライフをベースにした軽スペシャリティカーで水冷モデルの「Z」と、1972年には派生車として「ライフ ステップバン」、1973年には「ライフ ピックアップ」という2台のユニークな商用モデルが加わります。

 しかし、ホンダはシビックの生産に注力するため、1974年に軽トラックの「TN」シリーズを除くライフやZなどの生産を終了。ライフはわずか3年と短命に終わりました。

 その後、1997年に軽トールワゴンとしてライフが復活して代を重ね、「N-WGN」の前身となりました。

●マツダ「サバンナ」

ロータリーエンジン専用車でありスポーツモデルの「サバンナGT」ロータリーエンジン専用車でありスポーツモデルの「サバンナGT」

 1967年にマツダは、世界初となる量産ロータリーエンジン搭載車の「コスモスポーツ」を発売。その後、マツダはロータリーエンジンを主力の座に据えて、搭載車の拡大を図りました。

 そして、1971年に登場した初代「サバンナ」は、軽量コンパクトで高出力なロータリーエンジンの特徴を生かしたスポーティカーとして開発されたモデルです。

 ボディタイプは当初2ドアクーペと4ドアセダンが設定され、後に5ドアステーションワゴンを追加。フロントフェイスは中央が尖ったフロントノーズの下に大きく開けられたハニカム状のフロントグリル配置し、丸型4灯式ヘッドライトと相まって力強さをアピールしました。

 全車、最高出力105馬力を誇る491cc×2ローターの「10A型」ロータリーエンジンを搭載した高性能モデルながら、比較的安価な価格設定で若者を中心に人気を獲得。

 さらに1972年には、最高出力120馬力を誇る573cc×2ローターの「12A型」ロータリーエンジンを搭載した「サバンナGT」を追加ラインナップするなど、ライバルに対してアドバンテージを築きました。

 1974年のマイナーチェンジでは逆スラントノーズに改められ、さらに眼力の鋭さがアップするなど、硬派な印象を強めています。

 サバンナはツーリングカーレースでも活躍し、常勝だった日産「スカイラインGT-R」の牙城を崩したことも、人気に拍車をかけました。

 その後、1978年に後継者である「サバンナRX-7」へとバトンタッチし、サバンナの系譜は2003年まで続くことになります。

※ ※ ※

 1971年というと、日本で排出ガス規制の強化が始まる前で、数多くの高性能モデルが隆盛を極めていた時代です。

 その後、1973年には一気に高性能モデルが消えるかパワーダウンを余儀なくされますが、技術の進歩も目覚ましく、1980年代には環境対応と同時に再び高性能化していきました。

 いまから50年ほど前は、まさに国産車にとって大きな転換期となった時代といえそうです。

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