日産「スカイライン」新型開発中止? 60年以上の歴史に幕? 国内向けセダンを次々廃止する訳
くるまのニュース / 2021年6月15日 7時10分
日産が「スカイライン」をはじめとする国内向けのセダンの次期型を開発しないという報道がありました。セダン市場が縮小するなか、国産メーカーは今後セダンをどう扱っていくのでしょうか。
■日産「スカイライン」「フーガ」「シーマ」廃止でセダンが絶版?
日本経済新聞は「日産はセダンとして『スカイライン』は次期型の開発をおこなっておらず、現行型で絶版になるという」と2021年6月12日に伝えた。
日産からの公式コメントが出ていないものの、これは当然の流れだと思う。何よりスカイラインより長い歴史を持つトヨタ「クラウン」も次期モデルはセダンを止めるとされている(スカイラインは現行モデルで13代目。クラウン同15代目)。
さらにスカイラインと兄弟関係になる日産「フーガ」も次期型の開発をしていない。スカラインの競合車だったトヨタ「マークX」はすでに絶版してしまった。
なぜセダンが次々と消えていってしまうのだろうか。
それは世界的規模でのセダン離れが進行しているためだ。そもそも欧州市場は「セダン=高級車」というイメージ。プレミアムブランド以外は市場無し。
アメリカの場合、10年くらい前までセダン市場が残っていた。日本では風前の灯火状態になっていたスカイラインながら、アメリカでは日産の高級車ブランドであるインフィニティから「Q50」として販売されており、現行モデルのターゲット市場もアメリカ。むしろ「Q50を日本でも販売する」というイメージです。
フーガや最上級セダン「シーマ」だって、プラットフォームを共通するインフィニティ「Q70」のため生き延びていた格好です。
そのアメリカも5年くらい前から市場規模が急減。Q50もQ70も採算ベースに乗らないほど販売台数は落ちてしまった。
同時期のトヨタを見ると、レクサスのミドルサイズセダンである「GS」の次期型開発を凍結。スカイライン/Q50の競合モデルとなるレクサス「IS」は新規開発を止め、現行モデルの大きなマイナーチェンジで延命する方法を選んだ。
次期型スカイラインは日本とアメリカの販売状況を考えたら赤字確実です。シーマやフーガを含め、絶版を決めたんだと思う。当然の選択です。
日産はすでに日本で「シルフィ」の生産を終了しており、ついに日本市場における日産のセダンが無くなることを意味する。日産に限らず、日本で買える日本ブランドのセダンは急激に減っていくだろう。
■今後のセダン市場は一体どうなる?
トヨタで次期型が決まっているのはレクサス「LS」とアメリカや中国で人気の「カムリ」や「カローラ」くらい。クラウンとISも開発中止。「MIRAI」は次期型がどうなるか不明です。
ホンダは次期型「レジェンド」の開発をしていないようだ。「シビック」と「アコード」についていえばアメリカ市場と中国市場で人気のため残るという。
マツダは「マツダ3」と「マツダ6」、スバルは「インプレッサG4」とおそらく「WRX」を残すといったイメージ。
15代目となるトヨタ現行「クラウン」
今度セダンはどうなるか。中国やタイに代表される新興国にセダン市場は残るけれど、衝突安全性やパワーユニットなど日米欧市場と相違点が多い。
中国や新興国向けのクルマを日本で販売しようとしたら、相応の変更をしなければならないことからセダンの販売規模だと難しいだろう。
実際、中国では新しい世代のシルフィがベストセラーセダンになっている。カローラセダンの対抗馬として日本に持ってくることも可能ながら、その場合、右ハンドル仕様作りに始まり、衝突安全性対応や燃費対応(電気自動車版であればハードル低い)などおこなわなければならない。このような投資をしてまで日本市場へ導入する意義は薄いと思う。
この流れはセダンに限らない。ホンダは、レジェンドや「クラリティ」などとともに、ミニバンの「オデッセイ」も2021年12月で生産終了するようだ。
いままでは販売低迷を受けて「新型で挽回だ!」という方向性だったが、ここにきて「ダメならやめる」という方向になっている。生産終了や次期型の開発凍結のニュース、今後も増えていくような気がします。
その代わり、電気自動車に代表される新しい世代のクルマが出てくるだろう。「昔の名前のクルマ」を電気自動車にするよりネーミングから新しくしようということなんだと思う。
ただ遠からず「昔の名前のままの電気自動車」など出てくる気がします。車名の認知には時間と宣伝コストを掛けないとならない。昔の名前を引き継ぐメリットも大きいと思う。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
日産「次期スカイライン」は? 1000万円級「NISMO仕様」は今夏発売! 逆に“通常仕様”はどんな人が買うのか
くるまのニュース / 2024年3月15日 7時10分
-
日産「次期スカイライン」公開?新型「高級スポーティセダン」展示! 黄金強調の斬新デザイン採用、日本でも展示!? 販売店に寄せられた声は?
くるまのニュース / 2024年3月11日 12時10分
-
トヨタの「最高級セダン」がスゴかった! 「クラウン超え」の超豪華な“新フラッグシップ”に「全世界」が震撼? 35年経過しても評価される理由とは
くるまのニュース / 2024年3月7日 12時30分
-
なぜ「セダン」不人気になった? かつては“定番”も今では「ほぼ壊滅」… メリット薄れたセダンは「復活」できるのか
くるまのニュース / 2024年2月27日 17時40分
-
次期「スカイライン」初公開!? 日産の新型「スポーティセダン」が超カッコイイ! 斬新“ゴールド”&流麗デザイン採用の「Qe」加で実車公開
くるまのニュース / 2024年2月22日 14時10分
ランキング
-
1運動ナシで-17㎏できた51歳が食べてた昼食って?「しっかり食べて痩せただけでなく更年期障害も…」
女子SPA! / 2024年3月18日 8時45分
-
2自然といい人が寄ってくる……「周りに恵まれる人」の特徴とは? 気付いたら人が離れていく人との違い
オールアバウト / 2024年3月18日 22時5分
-
3「野茂英雄に俺の気持ちは伝わらなかった」元近鉄監督・鈴木啓示氏が落合博満氏に語った当時の思いとは?
マイナビニュース / 2024年3月19日 7時30分
-
4存在感スゴイ! 新型「超スポーティ“ワゴン”」初公開! 斬新光るグリル&テールライト採用! 3リッター6気筒エンジン搭載の「E53」欧州に登場へ
くるまのニュース / 2024年3月18日 22時10分
-
5「知らなかったー!」サイゼリヤの絶品メニュー、実は100%リトアニア産だった...!駐日大使も絶賛の味。
東京バーゲンマニア / 2024年3月18日 18時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください