新型「ノアヴォク」「ステップワゴン」ほぼ同時! 近々日産「セレナ」も!? ライバル車なぜ一斉に登場? 国内新車市場のナゾ
くるまのニュース / 2022年6月28日 9時10分
2022年はミニバンのフルモデルチェンジが相次いでおり、1月のトヨタ「ノア/ヴォクシー」に続き、5月にホンダ「ステップワゴン」が新型になりました。なぜ同じジャンルの新型車が同じようなタイミングで登場するのでしょうか。
■ミドルサイズミニバンが続々フルモデルチェンジ!
フルモデルチェンジや新規投入によって新型車が登場すると、ライバル車も同時期に切り替わることがあります。
例えば2020年には、2月にコンパクトカーのトヨタ「ヤリス」とホンダ「フィット」、年末には日産「ノート」とスズキ「ソリオ」が新型になりました。
2021年にも7月にはトヨタ「アクア」、8月には日産「ノート オーラ」と新型車の投入が続くなど、短期間でコンパクトカーの主力車種が刷新されました。
さらに2022年は、1月にトヨタ「ノア/ヴォクシー」、5月にホンダ「ステップワゴン」がフルモデルチェンジし、年末から2023年にかけては日産「セレナ」がそれに続くのではないかといわれており、ミドルサイズのミニバンが一斉に新型に切り替わるのです。
このほか2021年から2022年には、SUVタイプの電気自動車として、日産「アリア」、トヨタ「bZ4X」/スバル「ソルテラ」も登場しました。
軽自動車は、2017年にスーパーハイトワゴンのホンダ「N-BOX」とスズキ「スペーシア」が現行型にフルモデルチェンジし、2019年にも、同じくスーパーハイトワゴンのダイハツ「タント」、2020年には日産「ルークス」/三菱「eKスペース/eKクロススペース」が新型になっています。
なぜ示し合わせたように、ライバル車同士が、同時期に新型へ切り替わるのでしょうか。
この点をメーカーの商品企画担当者に尋ねると、以下のような回答でした。
「ミニバンやコンパクトカー、軽自動車などは、いずれも国内市場の販売比率が高いです。
同じお客さまに向けて商品開発をしているので、同じ時期に、同じようなことを考えて、新型車が登場するのでしょう」
今の日本車メーカーは、海外市場の販売比率が80%以上に達します。
例えばトヨタは、2021年の販売総数のうち、85%を海外で売りました。国内比率はわずか15%です。
つまり日本車メーカーにとって、国内は副次的な市場になりつつありますが、ミニバン/コンパクトカー/軽自動車は、先のコメントの通り国内比率が高いです。とくに軽自動車は国内専用です。
その結果、軽自動車で人気の高いN-BOX、スペーシア、タントなどは、すべて全高が1700mmを超えるスライドドアを備えたスーパーハイトワゴンになり、軽乗用車の過半数を占めています。新型車の投入時期も近付くのです。
過去を振り返ると、タントが初めて左側にスライドドアを装着したのは、2007年12月に登場した2代目でした。
翌月の2008年1月には、スズキから同じくスライドドアを装着するスーパーハイトワゴンの「パレット」(スペーシアの前身)が発売されています。
このように似通った新型車が同時期に発売されるのは、その車種が、国内市場をしっかりと見据えて開発されている証ともいえるでしょう。従って同時期に投入されたクルマ達は、ライバル競争を展開しながら、売れ行きも好調です。
■同じメーカーでも似たようなクルマが同時期に発売される?
このほか、同じメーカーに属する車種の場合、プラットフォームやハイブリッドシステムなどの共通化も影響しています。
ノートオーラは、ノートをベースに開発され、アクアも基本部分はヤリスハイブリッドと共通です。そのためこれらの車種は、互いに発売時期が近付いています。
日産「ノート」(左)と「ノート オーラ」(右)
今後の似通った新型車の登場としては、まずコンパクトミニバンが挙げられます。
2022年7月から8月には、トヨタ「シエンタ」がフルモデルチェンジをおこない、2023年には、ライバル車のホンダ「フリード」も新型になる可能性が高いです。
またホンダは「インサイト」が廃止され、ミドルサイズハッチバックの「シビック」にハイブリッド(e:HEV)が加わります。2022年から2023年の春には同じカテゴリーのトヨタ「プリウス」もフルモデルチェンジするとの情報もあり、今後はミドルサイズハッチバックのハイブリッドも選びやすくなるでしょう。
このように見てくると、同じカテゴリーの車種が同時期にフルモデルチェンジする動向は、クルマ選びに活用できます。
最近はフルモデルチェンジの周期も7、8年に延びたので、例えば2023年に新型のノア&ヴォクシー/ステップワゴン/セレナのどれかを購入して、7、8年後に再びこの4車種から選ぶ方法もあるでしょう。
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