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開閉不能! 車のドアハンドル「フラップタイプ」は壊れやすい!? 故障したときの対処法は?

くるまのニュース / 2022年10月8日 8時10分

最近のクルマのドアハンドルはグリップタイプが主流となり、フラップタイプはめっきり減ってしまいました。フラップタイプは故障すると開閉できなくなるのも減少した一因と考えられています。

■ドアハンドルにはいろいろな種類がある

 現在、クルマのドアハンドルはグリップタイプが主流ですが、ひと昔前は「フラップ」と呼ばれるフタのような形状が主流でした。

 フラップタイプが減少した理由は、フラップ部分が外れてしまうなど、故障するとドアの開閉が困難になることも一因といえそうです。

 普段はあまり考えずに使っているクルマのドアハンドルには、どのような種類があるのでしょうか。

 最近主流のグリップタイプは、もともとドイツの高級車に多く採用されていたことから、高級車が採用するイメージがありました。

 実際、メルセデス・ベンツやVWグループはグリップタイプしか採用しておらず、その理由も「安全性のため」と説明しています。

 欧州では寒い冬場に手袋をしたままドアを開閉できることが求められることから、上下どちらからでも握ることができるグリップタイプのほうが好まれています。

 また、万が一閉じ込められるなどの事態に発展したときもドアハンドルにロープを引っ掛けて開けられることもメリットとなります。

 一方、ひと昔前の国産車で多く採用され、つい最近でも軽自動車やコンパクトカーで多く採用されていたのがフラップタイプです。

 ドアハンドル自体を軽く小さくできるというメリットがあるほか、空力的にもデザイン的にも目立たなくする効果が期待でき、2000年代まではスポーツカーなどにも多く採用されていました。

 また、クーペらしさを演出するためにCピラーに埋め込み配置するタイプも存在。トヨタ「C-HR」やホンダ「ヴェゼル」、スズキ「スイフト」に採用されています。

 そして、ドアハンドルを「デザイン上から無くしてしまおう」という意図のもと採用されたのがボタンタイプと呼ばれるドアハンドル。

 実際はドアを引っ張る役割をドアパネルに持たせ、ボタンを押し込むことでドアロックを解除する仕組みで、主に1990年代から2000年代のアルファロメオなどで採用されていました。

 ほかにも日産「GT-R」やホンダ「NSX」(2代目)などで採用されたのが「アウタードアハンドル」と呼ばれるレバータイプの一種。

 ドアハンドルの一部を押すことでレバーがせり出し、そのレバーを引いて開閉するもので、実用性よりもデザインや空力性能を優先したドアハンドルの形状といえそうです。

※ ※ ※

 これだけグリップタイプが普及したのは、手軽に高級感を演出できることや、レバー全体を握ることで力の入れやすい形状であること、ドアハンドル程度の空気抵抗では燃費にあまり影響を受けずに済む技術の進化なども理由でしょう。

 もともとドアハンドルとしてはコストのかかるグリップタイプですが、同じドアハンドルを共有する車種が多ければ開発費もまとめられますし、各社が推し進めているグローバル・アーキテクチャは部品共同開発・共同利用が根底にあります。

 ならば高級感を演出しやすく安全性にも富むグリップタイプをさまざまな車種で共用化すればコストを抑制できるのも大きな要因でしょう。

 さらに、ドアハンドルをグリップタイプに統一することで、いわゆるユニバーサルデザインとして、誰にでも分かりやすく使いやすいことを目的にしているということもありそうです。

■壊れたら修理より交換するのが安心

 フラップタイプがダメだったかというとそんなことはないのですが、経年劣化や引っ張る力の加減などで、バキッと取れてしまうこともあるようです。

 これが10年以上前のモデルならまだ多少は納得できますが、比較的新しい軽自動車などでもときどき見られる症状なのだそうです。

 フラップタイプのドアハンドルは、どのようなタイミングで壊れてしまうことがあるのでしょうか。埼玉県のF整備士に聞いてみました。

グリップタイプのドアハンドルグリップタイプのドアハンドル

「冬にドアハンドル周辺が寒さで硬直しているときや、急いで強く引っ張ってしまうことで壊れてしまうことがよくあります。

 その場合はほかのドアから車内に入って内側から開けることになりますが、チャイルドロックがかかっていると内側からドアを開けるのも困難になります」

 たとえば2005年までのダイハツ「ムーヴ(3代目)」やトヨタ「ヴィッツ(初代)」など、10年以上も経過している車両では、ドアハンドルのような力がかかりやすいパーツは経年劣化でかなり壊れやすくなっているといいます。

「ちなみにグリップタイプでも内側のワイヤーが切れてしまうこともあります。

 とくにリアスライドドアになっている日産『セレナ(C25型)』などで壊れることが多いようで、修理依頼を受けたことがありました」(F整備士)

 最近は、年式が古いクルマのパーツのストックがなくなりやすく、新規での入手が難しくなっているものの、ドアハンドルに関しては入手しやすいパーツだといえ、まだ慌てるほどではないそうです。

 フラップタイプにしてもグリップタイプにしても、一度壊れてしまったドアハンドルは修復可能でも、新品のパーツに交換したほうが強度も安心ですし、価格的にもお勧めとのこと。

 目安として、パーツ代は5000円以下、工賃を含めても1万円はしないようなので、壊れてしまったときは新品のドアハンドルに交換したほうが良さそうです。

「キーレスエントリーやスマートキーの普及でかなり減少しましたが、ドアハンドル周辺は傷がつきやすい箇所でもあります。クローム処理されているパーツが傷によって白ボケしてきますので、できるだけ優しく扱ってください」(F整備士)

 ちなみに、ドアが開かなくなる原因として考えられるのは、「ドアハンドル自体の劣化・故障」「ドアロックスイッチの不具合・故障」「ドアロック機構の固着」「ドアロック(ドアストライカーを掴む・離す)を動かすアクチュエータの故障」などがあります。

 構造さえ理解すればDIYで修理できそうなのですが、ドアハンドルやドアロックは安全面にも関する部分であり、やはりディーラーや販売店、整備工場などで直してもらうほうが安心でしょう。

「長期間ドアを開閉していない場合などは、ゴムでできているウェザーストリップなどがドアに張り付いてしまうこともあります。もともとドアの開閉によって傷みやすい保安部品ですので、張り付いたりベタついたり一部切れ目が入ってしまったなどの劣化が見られる場合は、新品パーツのストックがあるうちに交換することをお勧めします」(F整備士)

※ ※ ※

 ドアハンドルは交換でも価格自体は安いパーツですが、壊れてしまうと不便なものです。不具合が生じる前にというのは難しいでしょうが、壊れてしまったら新品に交換するのが良さそうです。

 何気なく開閉している人が多いと思いますが、ときには内側のドアハンドルが壊れてしまうこともあるので、できる限り丁寧に扱いたい部分のひとつです。

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