トヨタ「シーポッド」車いすユーザー向けの1人乗り仕様を開発! 超小型EVを活用する理由とは?
くるまのニュース / 2022年10月16日 20時10分
2人乗り超小型EVのトヨタ「シーポッド」を車いすユーザー向けに改良。1人で楽に乗り降りできるモデルが、コンセプトカーとして登場しました。
■車いすユーザーの困りごとを解決する超小型EV
トヨタが超小型車「C+pod(シーポッド)」で新たな取り組みを開始。車いすを使う人たちが、もっと自由に、気軽に使える移動手段として、前席2人乗りのシーポッドを改良したコンセプトモデルを国際福祉機器展2022で発表したのです。
どのような特徴があるのでしょうか。実車で確認してみました。
まず、通常の状態では運転席の部分に座席はなく、助手席側にある座席のみ。その座席は回転式および上下方向チルト式になっており、車いすから乗り移ります。
次に車いすをふたつ折りにしてたたみ、座席の左横にあるフックとつなぎ、座席の右横にある操作ボタンを押すと座席が運転席方向にスライドしていきます。その力を使って車いすを持ち上げて車内に搭載するという流れです。
運転は、アクセルをハンドル内側のレバーで操作します。ブレーキもブレーキペダルと直結するレバーを右手で操作する仕組みです。
開発関係者に話を聞いたところ、開発のきっかけは「東京オリンピック・パラリンピックのとき。豊田章男社長から開発に向けた指示があった」といいます。
トヨタはいま、グループ全体でモビリティカンパニーへの大胆な転換を図っており、「モビリティカンパニー・フォー・オール(すべての人に移動の自由と楽しさを)」という一貫した考えを持っています。
トヨタが車いすユーザーの困りごとを調査したところ、おもに3つの視点が浮かび上がったといいます。
ひとつ目は、優先駐車場が確保しにくい点。近年、高齢者を含めて利用者が増加し、優先駐車場を使えないケースが出てきています。
ふたつ目は、車いすの積み込みが大変という点。車いすを自力で持ち上げるのはかなりの力が必要で、なおかつ衣服が汚れてしまうことも珍しくないといいます。
そしてみっつ目は、運転操作が複雑という点です。これまでも両手のみを使う運転機能を持つクルマは開発されてきましたが、より簡単な運転操作が必要との声が多く聞かれました。
■優先駐車場でなくても楽に乗り降りできる訳
こうした課題を解決するため、まずは車両そのものを小さくすることを考えたようですが、超小型車を活用することに行き着きました。
一般的に、駐車場のマスの幅は2.5mです。車幅が1.29mのシーポッドであれば、優先駐車場でなくても、助手席側のドアをフルオープンにして車いすで乗り降りが可能となります。
車いすユーザーが楽に乗り降りできる
そして、車いすの積み込みには、電動スライドシートで持ち上げる方法を考えました。
運転操作について開発関係者に聞いたところ、「通常のシーポッドはコスト抑制のためパワーステアリングが付いていないが、こちらはパワーステアリングを装着してギア比によって少ない操舵角度で曲がれるようにした」といいます。
さらに、超小型車(超小型モビリティ)は道路交通法上、最高速度が時速60kmに制限されていますが、高速域で走行しないのならば、手動アクセルを使いながらハンドル操作することが妥当だと考えたそうです。
また、電子式のバイワイヤ方式も検討したといいますが、これはコストの面から採用していません。
ブレーキについては電動車による回生ブレーキが効くため、アクセルオフでもかなりスムーズに減速可能。「アクセルオフで完全停止するか、またはクリープ走行するかなど、現在検討中」といいます。
なお、手動ブレーキは完全に停止するためのものという位置付けです。
そのほか、車体後部には自転車を積むようなキャリアがあり、そこにトヨタが独自開発した「車いす連結ユニット型・歩行領域EV」が積載可能です。
移動先でこのユニットを連結すれば、車いすユーザーの活動範囲がより広がることを想定しています。
さらに、レジャーのみならず、出張や営業などでの雇用を生み出す可能性も視野に入れているといいます。
「協力していただけるさまざまな分野の企業に興味を持っていただき、また車いすユーザーの皆様の声もしっかり聞いて、量産に向けたさらなる開発を進めていく計画」とのことです。
多様なモビリティが社会全体を元気にする取り組みとして、大いに期待したいと思います。
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