いつ換えた!? 車の「エアコンフィルター」取り換えるメリットとは ベスト交換時期は夏前の今?
くるまのニュース / 2023年4月8日 7時10分
夏に向かって暑くなってくると、カーエアコンの臭いが気になることがあります。また窓の曇りが発生しがちなことも。対処法として有効な「エアコンフィルターの交換」について紹介します。
■急にカーエアコンが稼働し始める春先は「フィルター交換」の好機!?
クルマの空調は、冬場の場合エンジンの熱で暖められた温風を使いますが、夏に向かって気温が上がると、エアコンのコンプレッサーが稼働し、冷風を出してくれます。
しかし久しぶりに稼働したエアコンからは、嫌なニオイがしたり、窓の曇りが取れにくかったり、さらにはエアコンの風量が少なくなったりすることも。それはエアコンフィルターの交換のサインかもしれません。
昭和の頃の乗用車は、ヒーターのみが標準装備で、オプションでクーラーを装着するモデルも多くありました。
その後、クーラー(カーエアコン)がほとんどのクルマに標準装備されるようになりましたが、しばらくはエアコンにエアコンフィルターが装備されていない時代もありました。
またエアコンフィルターが登場した当初は高級モデルのみに装備され、商用車やベーシックな乗用車などには装着されていないということもありました。
しかし乗用車であれば、今はほぼすべてのモデルにエアコンフィルターが装備されています。
昔のクルマには装着されていなかったという背景もあり、ベテランドライバーほどエアコンフィルターが自分のクルマについていることを知らないといったこともあるようです。
エアコンフィルターは、車外や車内から取り込んだ空気を、エアコンに取り込む前に“ろ過”する機能を持っています。
エアコンフィルターを装着することで、エアコンの中にホコリやゴミが入らないようになり、エアコン内部がより清潔になるだけではなく、エアコン吹き出し口から出てくる空気も、よりキレイな状態にすることができます。
では、もしクルマのエアコンフィルターを交換しないままでいると、どうなるのでしょうか。
かなり使い込んだクルマのエアコンフィルターを見てみると、ホコリや砂ぼこりに加え、枯れ葉や毛のようなものなどが詰まった汚い状況になっています。
このようなフィルターを使い続けるとやがて目詰まりし、エアコンの風量が低下。温度が指定温度にならないために余計にコンプレッサーが回ることで、結果としてクルマの燃費悪化にもつながります。
また、窓の曇りを取るためデフロスターを使用しても風量が低下し、曇りがなかなか取れないといった不具合も発生します。
このような状態で使用し続けるとコンプレッサーにも負担がかかり、機器の寿命を縮めてしまうこともあります。
また汚いフィルターはニオイを発生する元となり、エアコンから出る臭い風の原因の1つとなります。
そのためエアコンフィルターを交換するなら、エアコンが頻繁に稼働し始める春から夏にかけてが、ベストなタイミングとしてオススメできます。
ちなみにカーエアコンは、エアコンへ取り込む風を完全にエアコンフィルターに通す構造にはなっていないため、例えエアコンフィルターが詰まっても、ただちにエアコンが壊れるといったことはないように設計されています。
しかし逆に考えれば、エアコンフィルターがつまっていてもエアコンの風は出てくるので、エアコンフィルターの詰まりに気が付かない要因にもなるのです。
■エアコンフィルターの交換スパンは1年もしくは1万キロ前後
自動車メーカーの取扱説明書には、エアコンフィルターの交換の目安が書いてあり、一般的には1年もしくは1万キロから1万5000キロと指定されています。
なお粉塵が多い地域や都市部では、これよりも早めの交換が推奨されています。
ちなみにエアコンフィルターのろ過性能次第で交換タイミングも異なります。
例えば商用車や低価格車には比較的目が粗いエアコンフィルターが装着されているため、交換タイミングは長い傾向にあります。
一方高級車などに採用されている高機能タイプのエアコンフィルターは、脱臭性能なども兼ね備えているため、目が細かくなっています。
その反面、比較的早く目詰まりすることから、交換タイミングも短く設定されているようです。
いずれにしてもエアコンフィルターを半年に1回程度は点検してみることをオススメします。
もし汚れていたり、エアコンの風量が減ったり、ニオイが気になった場合には、早めに交換した方が良いでしょう。
定期的にエアコンフィルターを交換することで、快適な車内環境を保つことができます[画像はイメージです]
それではクルマのエアコンフィルターは、一体どこに設置されているのでしょうか。
まずエアコンフィルターの交換方法は、クルマの取扱説明書に記載されているので、必ず確認してから作業に取り掛かりましょう。
エアコンフィルターが搭載され始めた初期のクルマは、交換するためにネジを外したり、フィルターをつぶして入れたり、手間がかかるクルマもありました。
また輸入車の一部では、ボンネットを開けてからダッシュボード側のパーツを外して交換するものもありました。
しかし最近発売されているクルマはメンテナンス性が高まり、多くの場合はグローブボックスの奥のトレイを引き出すことで、簡単に交換できるようになってきています。
ただし、まだまだグローブボックス自体を外す必要があるクルマも多く、その場合はグローブボックスのダンパーを取り外すなどの工程もあります。
クルマの取扱説明書をしっかり読んで、取付け部品などを破損しないよう注意する必要があるのです。
交換できるエアコンフィルターには、いつかのタイプがあります。
エアコンフィルターはホコリをとるベーシックな「除塵タイプ」に加え、「花粉などの細かい汚れを取るタイプ」、ニオイをとる「脱臭タイプ」、ウイルスを除去する「抗菌・抗ウイルスタイプ」などに加え、ビタミンCを放出するもの、タバコ臭を取り除き香りを発生させるものなど、多くのタイプがあります。
同じ自動車メーカーでもエアコンフィルターは何タイプかに分かれているので、まずは自分のクルマにあったサイズのものを選定し、その中で自分の好みの機能を備えたフィルターを選びます。
一部のものを除き、基本的にエアコンフィルターは洗えません。そのため基本的なメンテナンスとしては掃除機でゴミを取ることになります。
ただしゴミが付着していると、その状況ですでにフィルターも真っ黒ということが多いため、割り切って定期的に新しいものに交換することをオススメします。
また、エアコンのフィルター交換だけではエアコン臭がとれないこともあります。
エアコンフィルターの交換に合わせて、市販のエアコン内部の消臭剤(くん煙タイプなど)を使用すると、よりしっかりニオイ対策ができます。
※ ※ ※
今後EV(電気自動車)の普及が進んでいくと、オイルフィルターやエアフィルターの交換などは必要なくなります。
しかしカーエアコンがなくならない以上、エアコンフィルターの交換はなくなりません。
エンジンのラジエター液やプラグなどもロングライフ化され、10万キロ無交換といった部品が増えてきましたが、エアコンフィルターは目詰まりという寿命は避けることはできません。1年に1回以上という交換スパンは減らないでしょう。
特に法定点検を自分で行うドライバーは、エアコンフィルターの定期交換も忘れずに実施するよう、常に心がけることが重要だといえます。
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