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3台の「GT-R」が盗まれた!? 「返してください…」亡き主人の思い出どこへ… 雨の夜と怪しい外国人に注意!R32&R34被害で共通することは?

くるまのニュース / 2023年4月10日 7時10分

昨今、日本製のスポーツカーが中古車市場で高騰しています。それに比例して日本各地で高騰化する日本車の盗難が相次いでいます。今回、3台の日産「スカイラインGT-R」が盗まれましたが、そこには奇妙な共通点がありました。

■3月末に盗難された3台のGT-Rに共通することは?

 2022年に盗難された自動車の台数(自動車盗難認知件数)は5734台。5212台が盗まれた2021年に比べると約11%増加しています。
 
 中でも近年、とくに盗難が増加しているのが日産「スカイラインGT-R」やトヨタ「スープラ」などのいわゆる旧車スポーツカーとなり、2023年3月末に群馬と茨城でスカイラインGT-Rが盗まれたといいます。

 スカイラインGT-Rは映画「ワイルド・スピード」の大ヒットもあって注目を集めるようになりましたが、人気の大きな理由にGT-R(R35)が発売されるまで、アメリカを含む海外では新車での販売がなかったことも大きく影響しています。

 またアメリカでは「製造から25年経過した車両はFMVSS(米国自動車保安基準)の縛りを受けることなく輸入、販売が可能」という通称「25年ルール」が存在し、海外からの中古車がアメリカで輸入されやすくなります。(25年ルールが適用されて輸入自体はできても、実際は各州のルールで販売や登録ができない車両もあります。)

 このような中、BNR32/BCNR33/BNR34の盗難が2022年から急増しています。自動車盗難情報局に登録されている台数だけでも、2022年1月から2023年4月5日までで43台。また、登録されていなくても筆者のところにはこの2‐3月で複数台のGT-Rが盗難されたという情報提供がありました。このうち2台はSNSに情報を公開していませんが、なかでも盗まれた3台のGT-Rには気になる共通点があります。盗まれた場所や盗まれたときの状況などは以下の通りです。

 ●スカイラインGT-R(BNR32)
 ・ナンバー:品川34も9367
 ・盗まれた場所:群馬県前橋市
 ・ボディカラー:黒
 ・盗難された日時:3月24日(金)深夜〜3月25日(土)の明け方
 ・防犯対策:特になし
 ・目撃情報:桐生市のコインパーキング「桐生中央パーキング」で25日の11時に目撃情報あり
 ・対応の警察署:群馬県警察前橋警察署

 ●スカイラインGT-R(BNR34)
 ・ナンバー:非公開
 ・盗まれた場所:埼玉県
 ・ボディカラー:白
 ・盗難された日時:2月中旬の午前0時‐5時頃
 ・防犯対策:タイヤロック、ハンドルロック、バッテリー外しなど
 ・盗難届を出した警察署:埼玉県警察

 ●スカイラインGT-R(BNR34)
 ・ナンバー:非公開
 ・盗まれた場所:茨城県
 ・ボディカラー:白
 ・盗難された日時:3月上旬の某日午前2時~5時頃
 ・防犯対策:カーセキュリティを組んでいたが、1か月以上乗っていなかったのでバッテリー保護のため電源が切れていた
 ・盗難届を出した警察署:茨城県警察

 いずれのスカイラインGT-Rも未明~明け方にかけて、そして盗まれたであろう時間帯には雨が降っていたこともわかっています。

 雨が降っていると、少しくらい音を立てても周囲に聞こえませんし、他の交通や通行人、周囲の防犯カメラ等からの視界も悪くなるため盗みを働くには好都合なのです。

 さらに、これら3台に関してはもうひとつ重要な「共通点」があります。

 それは、盗まれる数日前に怪しい外国人が「GT-Rを売って欲しい」と、家に訪問していたことです。

■家を訪ねてきた「怪しい外国人」とは!?

 スカイラインGT-R(BNR32)に関しては、盗難される4日前に「このクルマを売りませんか?100万円で買います」とインターホン越しにたずねてきたそうです。応対したのはオーナーの奥様でした。

「訪ねてきたのは中東系?インド系?とみられる外国人男性です。片言の日本語で会話していました。

 売る気はないことをきっぱりと伝えて断りましたが、『このクルマは普段乗ってないでしょ?』『車検切れてるでしょ?』などの質問を受けました。

 また、5年ほど前から年に1-2回、同様の外国人がGT-Rを買い取りたいと家に訪問していました。

 以前は50万円で買いたいと言われていましたが、今回は100万円という価格でした。中には名刺やチラシを置いていく人もいました。

 1年半前に亡くなった主人が30年以上にわたって乗っていたクルマで家族の思い出がたくさん詰まったクルマです。

 2人の娘と私とで維持し続けようと乗り続けてきました。返してほしいです」(オーナーの奥様)

亡き主人に代わって2人の娘と私とで維持し続けようと乗り続けてきた日産「スカイラインGT-R(BNR32)」(提供:被害者家族)亡き主人に代わって2人の娘と私とで維持し続けようと乗り続けてきた日産「スカイラインGT-R(BNR32)」(提供:被害者家族)

 一方、前述の2台のBNR34はいずれもオーナーが不在の時にオーナーのご家族に外国人男性が「100万円で売って欲しい」と買取を申し出ています。

 しかし、どちらも「100万円」という安価な値段で取引されている状況ではありません。

 旧車専門の買い取り店による情報では、BNR32の買い取り価格は最低200万円~最高1500万円以上。

 BNR34においては最低900万円前後~最高3000万円という数字が出ており、「100万円」という安価な値段での取引はされていないことがわかります。

■怪しい外国人はなぜ「100万円で買いたい」というのか

 では、なぜ怪しい外国人は「100万円で買いたい」といったのでしょうか。

 それは「100万円で取引に応じるGT-Rオーナーはいないだろう」という目算もあり、そもそも本気で買い取る気などないからです。

 ではどのような流れで被害に遭うのか、筆者がこれまで同様の手口で被害に遭った人や警察関係者への取材からわかったことをまとめます。

 1.「買い取りたい」という意思を持った人物であることを所有者に知らせ安心させておきながら、その間にクルマのセキュリティ状態などを確認する。(その前から下見は重ねています)

 2.家人が買い取り希望の外国人に応対している間、犯人グループの別の人物がエアタグやGPSなどを仕込む。(オーナーや家族が外国人の訪問を警戒してクルマを移動させた場合にも追跡できる)

 3.再び盗む対象のクルマを下見に来た際、家人と鉢合わせをしたり、警察から職務質問を受けた場合も、「買取を希望している。一度断られたが、ぜひともこのクルマを買い取りたいからもう一度買取の交渉に来た」などの言い訳が成り立つ。

 4.犯人側は「買い取りに応じることはまずない」と想定しているが、万が一、「はい!では買取お願いします!」と言われた場合に、実際に買取できるギリギリの金額として100万円を設定している。

 なお4の場合、その場で現金で払われる可能性も少なからずありますが、「後日お金を持ってまた来ます」と言われることもあるようです。(それまでに盗難される可能性も大)

怪しい外国人男性が「100万円で売って欲しい」と言ってきたという(画像はイメージ)怪しい外国人男性が「100万円で売って欲しい」と言ってきたという(画像はイメージ)

 いずれにしても、インド、パキスタン、スリランカなどの「南アジア系」外国人が自宅を訪れ、安価な価格での買い取りを希望した場合は「盗みのターゲットにされている」と思って警戒するべきです。

 エアタグを仕込まれているかどうかは、しばらくそのクルマに乗って一緒に移動してみるとスマホに通知が来ます。

 iPhoneはもちろん、アンドロイド端末でも専用アプリを入れれば通知が可能です。

 ところで、なぜインド、パキスタン、スリランカなどの「南アジア系」と限定するのかというと、実際に自動車窃盗で検挙された外国人の国籍に由来しています。

※ ※ ※

 2022年に検挙された来日外国人は全部で61名。うち48名がアジア国籍です。

 1位はスリランカで23名と圧倒的に多く、2位はベトナムで10名、3位がブラジルで9名となっています。米国やカナダ、欧州はゼロでした。

 怪しい外国人が買い取り希望でたずねてきたら盗難のターゲットにされていると考え、特に雨の日の深夜~明け方の時間帯はて警戒してください。

 一時的に別の場所にクルマを移動させることも

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