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炎天下の洗車でクルマが傷む!? 一度できると厄介な「水垢」の正体は? ボディをキレイに保つ方法とは

くるまのニュース / 2023年5月17日 17時40分

クルマをキレイにするために行う洗車ですが、この洗車で使った水道水や雨水が原因で、クルマが汚れたり塗装面が傷むことがあります。水が原因とは、一体どういうことなのでしょうか。

■「イオンデポジット」ってどんなもの?

 汚れたクルマをきれいにするのに水を使って洗車しますが、このときに使った水道水が原因でクルマが汚れたり塗装面が傷むことがあるといいます。
 
 本来は汚れを流すはずの水が汚れの原因になるとは、どういうことなのでしょうか。

 私たちが日常的に使う水道水には塩素やミネラルが含まれており、これがクルマのボディなどに付着したまま水分が蒸発すると残留物が残ります。そしてボディに付着したまま蒸発し、固着したものが「イオンデポジット」と呼ばれるものになるのです。

 メカニズムについて、コーティング専門店のスタッフであるI氏に聞いてみました。

「クルマのボディ表面やウインドウ部分を濡れたまま放置し、水分が蒸発するとイオンデポジットという水垢になってしまい、一般的な洗車ではなかなか落とせなくなってしまうのです。

 なかでも手が届きにくいルーフ部分やボディの下回りなどは、丸く水滴が乾いたようなイオンデポジットが発生しやすい箇所です。

 このイオンデポジットには水分がたまりやすく、それがレンズのように残って日光の熱でボディ表面を傷めてしまうことがあります。これが『ウォータースポット』と呼ばれる汚れです。

 特に夏場は雨上がりに晴天となり、一気に気温が上がることがあります。そんなときは、ボンネットやルーフなど直射日光で一気に表面温度が上がりやすい箇所に残った水分がウォータースポットになってしまうのです」

「また、ドアノブやサイドミラーの下など細かい部分に、排気ガスのススやワックスなどの拭き残した油分、洗車時の洗剤の残りなどが雨によって溶け、黒い筋になっている汚れをよく見かけますが、これは一般的に『水垢』といいます。

 我々はこういった『洗ってもすぐに落ちない汚れ』を総称として『スケール(水垢)』と呼んでいます」(コーティング専門店スタッフI氏)

 夏に向かうに連れて気温が高くなり、洗車するには気持ちの良い季節になりますが、炎天下での洗車は早く乾燥してしまううえに、ボディに残った水滴がウォータースポットになって塗装面を傷めてしまいます。

 炎天下で自然乾燥はやめたほうが良く、日陰での洗車が推奨されます。

※ ※ ※

 最近では酸性雨や付着した黄砂、花粉などが溶けてボディに付着するため一概には言えませんが、実は雨のほうが水道水よりも不純物が少ないといいます。

 また日光による表面温度の上昇(熱の吸収率)を考慮すれば当然ですが、淡色より濃色のボディカラーのほうが水垢が発生しやすいのだそうです。

■イオンデポジットを発生させない方法はある?

 では、このイオンデポジットやウォータースポットの発生を抑える方法はあるのでしょうか。

「単純なことになりますが、やはり洗車や降雨のあとボディ表面についた水分をできるだけ早く取り除くことです。

 さすがに雨が降るたびに拭き上げるのは難しいでしょうが、せめて洗車後はマイクロファイバークロスなど吸水性の高い素材で手早くボディ表面の水分を取り除くことが重要です。

 また、ボディ表面には水分だけでなく、空気中に漂うホコリや花粉・黄砂、さらには排気ガスのススなども付着してしまいます。そのままだと雨水などは汚れと一体化してさらにボディを傷めやすくなるので、できるだけ小まめな洗車も重要です。

 毎回コーティングする必要はありませんが、カーシャンプーなどを使って汚れを浮かせ、しっかりと洗い流してください」(コーティング専門店スタッフI氏)

洗車したら素早く拭き上げるのが最善策洗車したら素早く拭き上げるのが最善策

「また、駐車環境は千差万別だとは思いますが、可能であれば直射日光を避けた屋内駐車をおすすめします。屋根の有無でボディの状態は驚くほど違ってきます」(コーティング専門店スタッフI氏)

 それでも、イオンデポジットやウォータースポットはできてしまうのですが、その場合は市販の専用クリーナーなどで落とすしかないのでしょうか。

「かなり重度のウォータースポットなどは塗装面がすでに傷んでいる状態ですので、コンパウンドなどで研磨する必要があるかもしれません。

 ただし擦り傷とは違うため、できるだけ目の細かいコンパウンドで表面を優しく整えるように施工する必要があります」(コーティング専門店スタッフI氏)

 研磨に自信がない人は、プロも使用する「スケール除去剤」で汚れそのものを分解させるというテクニックがあります。ただしその扱いにはかなり気を遣う必要がありそうです。

「我々が使うスケール除去剤はミネラルなどの無機物、虫の死骸などの有機物、また油汚れなどを化学反応で落とす溶剤です。その分かなり強力なため、長時間ボディ表面やホイールなどに付着したまま放置すると逆に傷めてしまう恐れがあります。

 スケール除去剤はパネル1枚ごとやパーツごとに使用しないといけません。プロは、塗布後に素早く専用のブラシなどで汚れをかき出し、すぐに水で洗い流す工程を何度も繰り返しています。

 使い勝手は良いのですが、扱いも注意する必要がある上級者向けといえます」(コーティング専門店スタッフI氏)

※ ※ ※

 イオンデポジットやウォータースポットを除去したあとは、表面に付着しにくくするためにもコーティングは忘れずにしておきたいところです。

 表面をコーティングの被膜で守り、小まめに表面の汚れを洗い流してから、しっかり水分を拭き上げることが、イオンデポジットの発生を防ぐのに大切というわけです。

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