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「クマだ…」なぜ最近“クマ出没”多い? 車で遭遇したら「バックはダメ」はウソ!? 生態に詳しい担当者に“正しい対処法”を聞いた

くるまのニュース / 2023年7月16日 20時10分

なぜ2023年はクマ出没のニュースが相次いでいるのでしょうか。今回は北海道でヒグマの調査や出没対策を担うヒグマ対策室の担当者に話を聞きました。

■なぜ2023年は「クマ出没」が多い?

 近頃、クマが市街地に出没し住民が襲われるといったニュースが度々見られます。
 
 今回は北海道のヒグマ対策室の担当者にクマの詳しい生態や、対処法について話を聞きました。

 最近では各地の市街地でクマが度々目撃されるほか、住民が自宅の庭でクマに襲われるなどクマに関するニュースが相次いで報じられています。

 また北海道では2021年6月に市民4名がオスのヒグマに襲われ重軽傷を負う事件が発生し、1人は肋骨が6本折れるなどの重症を負ったケースも起きています。

 北海道ではこうした深刻なケースのほか、野生のヒグマの出没が相次いでいることから、有識者による「道ヒグマ保護管理検討会」が開かれるなど対策が講じられています。

 また北海道庁の環境生活部自然環境局野生動物対策課にはヒグマ対策室という部署が存在し、北海道でのヒグマの調査、出没対策を担っています。

 では、そもそも今年2023年はなぜクマ出没が多いのでしょうか。また、ヒグマ対策室ではどういった対策を行っているのでしょうか。ヒグマ対策室の担当者は以下のように話します。

「北海道各地で人を恐れないヒグマが目撃され、ニュースになっています。

 これは、ヒグマの生息数が増加傾向にあり、生息域が人里周辺まで拡大していることや、狩猟者の減少で人への警戒心が薄れているなど、ヒグマの生態や行動が変化していることが原因と考えられます。

 人身被害の多くは偶発的な遭遇が要因で発生しているため、ヒグマについての正しい知識を身につけてもらうため、HPやSNSなど様々な機会を通じて、ヒグマの生態を理解し、被害を防ぐための適切な行動について、普及啓発に努めています」

 今回はヒグマの正しい生態などに詳しいヒグマ対策室の担当者に、クマの生態やクマに遭遇した時の対処法について、話を聞きました。

 担当者は、「これはあくまでも北海道のヒグマの場合です。本州のツキノワグマには当てはまらない場合があるかもしれませんが、ご容赦願います」とした上で、詳しい生態について教えてくれました。

「ヒグマは警戒心が強く、人を避けて暮らすことを望んでおり、基本的には人を積極的に攻撃することはまれです。

 もちろん野生動物なので絶対はなく、悪い条件が重なると取り返しのつかない事故も起こりえます。『正しく理解し正しく恐れ、自分の身を守る』ことが何よりも大切です。

 またネット上には様々な真偽不明の情報が出回っていますが、正しく知るためには、ヒグマの専門家が監修した情報を確認してください」

 しっかりと専門家が監修した情報をもとに、クマの生態について理解して対処することが大事だといいます。

 ではクルマを運転中、もしくは歩いている時にクマに遭遇してしまった場合はどのように対処したら良いのでしょうか。

■突然「クマに遭遇!」どうしたらいい??

 まずクルマを運転中にクマに遭遇した場合の対処法について、前出の担当者は以下のように話します。

「ヒグマがクルマに驚いて威嚇することがありますが、クルマの中にいる限りは安全です。

 冷静にその場から離れてください。クラクションでヒグマを興奮させるのは危険です。

 また一部で『バックで逃げてはいけない』という情報が出回っているようにも聞きますが、根拠はありません」

 では歩行者が道を歩いていてクマに遭遇してしまった場合はどう対処したら良いのでしょうか。

道で熊に遭遇したら、どうしたらいいのだろうか道で熊に遭遇したら、どうしたらいいのだろうか

「もしヒグマに会ってしまったら目を離さず静かに距離を空けてください。通常は、ヒグマも落ち着いて距離を空けてくれるはずです。

 大声を上げて逃げ出すと、ヒグマを興奮させてしまいかえって危険です。

 登山や釣りなどでヒグマの生息地に入るときには、万が一のため、クマ撃退スプレーを携行することをお勧めします。襲われたときには非常に有効です」

 このほか、クマに遭遇した際に未然に事故を防ぐために気をつけたほうが良いことについて、担当者は以下のように説明します。

「ヒグマによる人身事故で一番多いのは、山菜採りの人などとの不意の遭遇に驚いたヒグマが、自分を守ろうと攻撃してくる状況です。

 事故を未然に防ぐために、見通しの悪い森の中では、笛を吹いたり鈴を鳴らしたり、複数人で話しをしながら歩くなどして、人の存在をクマに知らせることが大切です。

 子グマを見かけても絶対に近寄らないでください。母親が子どもを守ろうとして攻撃してきます。

 また食べ物や生ゴミは必ず持ち帰ってください。味を覚えたヒグマが人に接近し、最悪の場合食べ物を奪おうとして攻撃してくるおそれがあります。

 知床半島では、車道脇を平気で歩くヒグマを見かけます。

 こうした中には観光客から餌を与えられた経験を持ったヒグマがクルマに近寄ってくるかも知れません。警戒心の無いヒグマほど危険なので、決して車から降りてはいけません」

※ ※ ※

 最近では北海道に限らず全国各地でクマ出没のニュースが相次いでおり、特にクルマを運転している際は突然クマが道路に飛び出すケースも考えられます。

 今回のケースはあくまで北海道のヒグマのケースでしたが、本州に住んでいてクマに遭遇した際も上記の点に注意するのが良いでしょう。

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