クルマに貼られた「ディーラーステッカー」なぜ減少傾向? “不要”と思う人が多い!? 貼付拒否や剥がしたりできる?
くるまのニュース / 2023年7月20日 9時10分
クルマのリアバンパーなどに貼られている「ディーラーステッカー」ですが、最近は貼付する人が減っているようです。このディーラーステッカーはなぜ貼られているのでしょうか。また、剥がしても問題ないのでしょうか。
■「ディーラーステッカー不要」なぜ!?
ひとむかし前は、クルマのリアバンパーなどに、購入した販売店名が入ったステッカー、いわゆる「ディーラーステッカー」が貼られている光景を目にしました。
とくに新車の場合、販売店名義のステッカーが貼られていることが多かったものですが、しかし最近は貼付する人が減少傾向のようです。
なぜディーラーステッカーが貼られているのでしょうか。
そもそもディーラーステッカーの目的は、販売店やディーラーのブランディング、つまり広告が目的とされています。
国産車の場合、製造元はメーカーでも、販売するのは別会社です。その販売店が「メーカー名+地名」といったディーラー名や屋号のステッカーを販売したクルマに貼っています。
販売店からすれば、顧客囲い込みの観点から「ウチはこれだけお客さまに売っています」という対外的にアピールするという側面があるのです。
ドイツ車ディーラー勤務を経て、現在は独立した販売店のオーナーN氏に、現状を聞いてみました。
「弊社は独立した店舗なので店名のみのステッカーを使用しています。そのためお客さまに嫌がられることはほとんどないのですが、確かにここ数年は、新車ディーラー名義のステッカーは敬遠されているようです。
現在は、メーカーからのお達しで販売店改革などがおこなわれており、こちらとしても絶対に貼ってくださいとはいえない状況です。
法的に表示しなければいけないステッカー以外は、こちらの判断でお客さまのクルマに貼ることができず、クルマのオーナーの判断を仰ぐようにとの指示も出ているのです」
※ ※ ※
では、どれくらいの人がディーラーステッカーは不要だと感じているのでしょうか。
各種集客改善企画事業を手掛けるイプラが実施した「ディーラーステッカーに対する意識調査」というアンケートによると、ディーラーでクルマを購入したことのある人のうち、ステッカーを剥がしている人は13%、気にしていない人は10%、できれば貼られたくない人が77%という結果になったといいます。
すでに剥がしている人も含めると、9割の人が不必要と感じていることがわかります。
その理由はさまざまですが、やはり多いのが「ダサい」というもの。新車ディーラーの場合、店名に地名まで入っているのがとくに不評のようです。
なかには「なぜ販売店の宣伝をしなきゃいけない?」といった意見も見受けられました。
■クルマに貼っていないといけないステッカーがある!?
クルマにはさまざまなステッカーが貼られています。
法律的に貼らなくてはならないステッカーやシールを「標章」と呼ぶのですが、そのでもフロントガラス上部に貼られているのが「検査標章」で、現在の車検がいつまで有効なのかを記したものです。
必ず貼らなくてはいけない「検査標章(車検ステッカー)」
もうひとつは「保管場所標章」、いわゆる「車庫証明シール」と呼ばれるものです。
とくに、検査標章は剥がしてはいけないもので、貼っていないと道路運送車両法(第109条の8)違反となり、50万円以下の罰金が科される可能性があります。
保管場所標章(車庫証明シール)も車庫法(第6条)で貼り付けが義務付けられているのですが、現状では罰則はなく、提示を求められたときにすぐに出せれば大丈夫なようです。
そのほかにも、認証整備工場などで法定12ヶ月点検をした証として貼られる「点検整備済ステッカー」や、リアガラスに貼られている「燃費基準達成車」「低排出ガス車」のシールなど、いかにも必要そうに見えますが、これらは実は貼らなくても問題ないとされています。
ほかには給油口の裏蓋にある「油種表示」やBピラー下部に貼られた「タイヤ空気圧レベル」表示などは剥がしても罰則はありませんが、その後のメンテナンスを考慮すれば貼っておくべきものといえそうです。
2000年前後までは、みなこぞってステッカーを貼っていた記憶があります。
とくに多かったのが、バブル期のF1時代に大流行した「Powered by HONDA」のステッカー。
また、日産なら「INFINITY」ブランドのロゴステッカー、ホンダなら「ACURA」、三菱は「RALLIART」、マツダだったら「MAZDA SPEED」ステッカーなど、メーカーに関連するステッカーやエンブレムをこぞって貼っていたものです。
時代は流れ、現在では最低限のステッカーしか貼らないのが主流になってきているのだそう。
前出のN氏も、販売する車両にディーラーステッカーを「貼るか貼らないか」をオーナーに確認してから納車しているといいます。
「今は、できるだけステッカー類を貼らない人が多いです。知り合いのディーラーでは、保管場所標章などと一緒にディーラーステッカーも車検証入れに入れたままで納車するケースが多いと聞いています」
※ ※ ※
現在では、ディーラーステッカーは事前に「貼る/貼らない」の選択ができ、「検査標章」(いわゆる車検証シール)以外のステッカーは貼らなくて良いことから、すでに貼られているディーラーステッカーは剥がすことが可能ということです。
剥がし方は簡単で、市販の「シール剥がし」を使えば、爪で無理矢理剥がすよりきれいに剥がせます。
アメリカなどではステッカーではなく、ナンバーステーやナンバーフレームにディーラー名が入っているものが主流で、一部日本でも取り入れているところもあるとのこと。余計なステッカーがなく、かなりスッキリした状態でクルマに乗り続けることができるようです。
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