「思ったより売れそう!?」キャラ強めのトヨタ新型「ヴェルファイア」に販売店も期待! ネックは高めの価格設定か?
くるまのニュース / 2023年7月19日 14時50分
トヨタの高級ミニバン「ヴェルファイア」が全面刷新し、3代目が発売されました。従来モデルでは兄弟車の「アルファード」に大きく差をつけられましたが、新型ヴェルファイアはどうなのでしょうか。販売店に聞いてみました。
■新型ヴェルファイアは巻き返しできる?
トヨタは2023年6月21日、高級ミニバンの「アルファード」と「ヴェルファイア」をフルモデルチェンジし、新型モデルを発売しました。
国内の高級ミニバン市場はアルファード一強といった雰囲気となっており、兄弟車のヴェルファイアは廃止されるのではないかといった噂も囁かれていました。
そのような状況でもヴェルファイアは新型となって登場。従来モデルではアルファードと大きな差がついてしまいましたが、新型ヴェルファイアは巻き返しできるのでしょうか。
2008年にアルファードが2代目へとフルモデルチェンジすると同時に、ヴェルファイアはネッツ店の専売車種としてデビュー。アルファードよりも力強くて先進的なイメージを強調したモデルと位置付けられていました。
ヴェルファイア登場から1か月の受注台数は2万台を記録しており、1万6000台だったアルファードよりも台数が多かったのです。
一気に人気車種になったヴェルファイアは、アルファードとともに2015年に2代目へと進化(アルファードは3代目)。実はこの時も最初はヴェルファイアのほうが受注が多く、ヴェルファイア2万2000台、アルファード2万台となっています。
しかし、その人気は徐々に逆転し、2018年1月のマイナーチェンジを境にアルファードが台数を伸ばしていきました。
大きなポイントとなったのが2020年5月の販売チャネル統合です。これにより、基本的にはどの販売店でもトヨタ車全車種を取り扱うことができるようになりました。つまり、ネッツ店でもアルファードを購入することができるようになったのです。
そんな影響もあってか、2019年はアルファード6万8705台、ヴェルファイア3万6649台という販売台数だったのに対して、2020年はアルファードが9万748台と台数を伸ばした一方、ヴェルファイアは1万8004台と台数を減らしてしまう結果となりました。
台数に差がついた理由はチャンネル統合がトリガーとなったと考えられますが、時代が変化するにつれてアルファードのほうが人気を増していったことが大きな理由といえるでしょう。
トヨタのディーラースタッフに聞くと、見た目の印象からアルファードを選ぶユーザーが多かったのこと。力強さを押し出したヴェルファイアのデザインですが、役員の移動車といった法人需要にはアルファードのほうが適していたということも、両車の人気に差がついた原因だったかもしれません。
そして2023年6月に新型となったヴェルファイアは、同車が登場した当初のように、より鮮明にキャラクター性を濃くして登場しました。
デザインはもちろん、アルファードには設定されない2.4リッターターボエンジンの搭載や専用チューニングなど、走りの面でもヴェルファイアらしいスポーティさと力強さを意識したモデルとなっています。
ディーラーでも新型ヴェルファイアに対する反応は良好で、従来モデルよりも可能性を感じているそうです。
しかし、ネックとなるのが新型ヴェルファイアの値段です。新型では、「Zプレミア」と「エグゼクティブラウンジ」の2グレードに絞られており、655万円から892万円という強気の価格設定となっています(消費税込、以下同様)。
従来モデルは430万6000円から515万4400円(ゴールデンアイズIII)だったので、単純な乗り出し金額だけでいえば、新型モデルはかなり値上がりしたといえ、この点が既存のヴェルファイアユーザーにとってもネックとなっているようです。
法人需要もガッツリと掴んでいるアルファードを追い越すことは難しいかもしれませんが、ヴェルファイアもより異なる個性を持ったクルマへの進化したのは事実。
販売店スタッフは「従来モデルの売れ行きを知っている身からすると、新型ヴェルファイアも思っていたより売れそうな雰囲気」という声も聞こえました。
ヴェルファイアらしい個性を身に着けた新型モデルですが、これまでアルファードを選んでいたユーザー層にどう影響するかという点が、新型ヴェルファイアが巻き返しを図れるか否かのキーポイントとなるでしょう。
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